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U-19 World Championship in Kuwait
2014年07月07日
現在、中東の地クウェートにおります。
光栄なことに、U-19の世界大会に帯同させていただくことになり、
世界一を目指してのチームづくりに関わっています。
非常に貴重な経験をさせてもらっています。
日本のフットボールチームは、ほとんど海外遠征を経験しません。
戦いの舞台や相手は、普段から接しているということで、自分の常識の範疇内にあります。
ところが、海外遠征ともなると、全くその常識が通用しません。
多分こうなるだろう、ああなるだろうということを想像することすらできないのです。
今回は、イスラム圏での試合ということで、「ラマダン」の渦中に放り込まれました。
ご存知の方も多いと思うのですが、この「ラマダン」期間中イスラム教徒の方々は、
日の出から日の入りまでの間、全く何も口にしません。
食事はもとより、水もタバコも口に入るもの一切です。
外気は最高気温50度弱の世界。
よく、脱水症状にならないものだと思いますが、何も摂取しないのです。
(まあ、この暑さの中、外にいる人は見かけませんが)
もちろん、我々は異教徒ということで、断食を強いられることはありませんが、
ひと目につくところでの飲食は避けなければなりませんし、
何よりも、人々の活動が日没後なので、我々の行動も日没後が中心となります。
そんな、生活習慣の変更をも余儀なくされるのが、海外遠征です。
こういった状況下での戦いでは、
「今までの」「いつもの」といった概念を捨てなければなりません。
「今」何をすべきかを考え、瞬発力を持って行動することが、重要です。
当然、いつも以上に強い意志、メンタルタフネスが不可欠になります。
19歳以下の若者には、いささか過酷な気もしますが、世界で戦う他競技の選手は、
もっと若年の頃から、厳しい環境にさらされているはず。
これは、日本のフットボールが進化していくための挑戦であり、好機でもあります。
今回選ばれた選手達は、その好機をしっかりと捉え、日々成長しているように見えます。
若いので、未熟さからのポカもありますが、一方で吸収も早い。
フットボーラーとしての成長はもちろんのこと、人間としても変化し続けています。
この期間中に、彼らがどこまで化けるのか、本当に楽しみです。
厳しい状況下での戦いについて、チームの監督である山嵜先生がこんなお話をされました。
「キツい試合であればあるほど、ミスをした方が負けるという考えにしばられがちだが、
ミスをしないようにとプレーしても意味がない。ミスは起こしてしまうものだ。
問題は、ミスが起きてしまったプレーに対して、どれほど本気で取り組んだかどうか。
全身全霊を込めたプレーで起きたミスは、それを取り返すための次のアクションにつながる。
本気でやっていない中で発生したミスは、次にはつながらない。次はない」
現在、U-19チームが置かれている状況下で、最も大切なことのひとつだと感じました。
状況・環境に左右されず、目の前のことを全力でやりきる。
そのことから、「次」が見えてくる。
優勝という高みを目指して、目の前の今を戦いきるチームにしていきます。
U-19は、今から約半日後、ドイツチームとの初戦を迎えます。
現地時間7/7(月)23:00キックオフ。
広大なアジアの地を挟んでおりますが、皆さんの念はきっと届くと思います。
応援よろしくお願いします。