TKこと河田 剛のUSA情報

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LOCK OUT

2011年02月16日

先日も予告しましたが、今回は「NFLのLOCK OUT」について書いてみたいと思います。


前回の記事で「LOCK OUTと呼ばれるストライキ」と書きましたが、間違っていました。

「ストライキ」=労働者側が、様々な不満やその改善を求めて集団的に労働を拒否すること。
「LOCK OUT」=労働者が雇用条件に同意するまで、雇用者が労働者を職場に立ち入らせない(NFLの場合、プレイさせない)こと。

双方の意見が対立しているといっても、どちらが条件提示をしているか、どちらがそれを受けて検討する側なのかによって、それを表す単語が変わってくるようです。

 

たとえば、1994-1995シーズンのメジャーリーグでのケースは「ストライキ」と呼ばれていますし、2004-2005シーズンのNHL(ホッケー)でのケースは「LOCK OUT」と呼ばれています。どちらのケースも相当数のファンが離れていき、それを取り戻すのにはかなりの時間と努力を要したというのが、こちらのメディアの見解です。そんな歴史的事実もあり、同じようなことは繰り返すべきではないという論調です。


もちろん、私も含めすべてのファンがそんな状況は望んでいないでしょう。現在の状況をいくつかのメデイアから拾ってみました。
・先週水曜日(2月9日)に予定されていたオーナー側代表と選手側代表の会談をオーナ側がキャンセル。
 次の火曜日に予定されていた会談も目途が立たず(2月10日のニュース)。
・あらゆる情報を総合すると、現在の協定(現地時間3月3日で無効となる)が効力をなくした瞬間から
 LOCK OUTは避けられない状況か? LOCK OUTイコール2011シーズンがなくなるわけではないが、
 予断を許さない状況下にある(2月8日のニュース)。
・今季から新しい契約や契約の見直しのチャンスがある選手は、この労使交渉が邪魔をして、
 契約交渉のテーブルにさえつけていない(2月5日のニュース)。

 

レギュラーシーズン終了後、新しいヘッドコーチが多く誕生した今年のNFL。そのヘッドコーチの数の10倍ぐらいのスタッフが新しく雇われています。そのうちの1人からこんな話を聞きました。
「契約書類にはLOCK OUTを想定した多くの文面が記されている。たとえばLOCK OUTに突入した際の給料の支払いや2011シーズンが開催されなかった時の扱いなど」
彼はそれを見て、今までただニュースの一つであったそれが自身の目前に迫っていることを実感したそうです。


以下、私の見解です。
1.時間的に、3月3日(現地時間)までに新しい協定に双方が調印することは難しい。
2.いったんLOCK OUTになる可能性は十分にあり得る。
3.収入を中心に失うものが大きすぎるため、シーズン開始までにはなんらかの結論に達し、
  シーズンがキャンセルされることはない。


ただ、なんとかシーズンの開催にこぎつけたとしても、すべてのことが例年通りに行われるとは限りません。たとえば雇用や設備投資等は、その速度が鈍化することは避けられないでしょう。その他、チームでの学生向けのインターン職やチアリーダーの募集・採用等、アメリカのみならず、世界中のNFLに関わる、またはそれを目指す人たちに影響が出ると言えるでしょう。


その人気ゆえにビジネスとしても大きくなり過ぎてしまったNFL。(ビッグビジネスなのでしょうがないですが、)関係する人たちがお金という欲に走り過ぎて、一番大事にしなければいけないファンを失うことだけは、避けてほしいものです。


ではまた。
TK