TKこと河田 剛のUSA情報

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2009年05月

2009年05月28日

しろたさん

オービックシーガルのOBで、現在は杉並区立和田中学校の校長をしている
代田昭久さんという人がいるのをご存知でしょうか?

 

私がシーガルズに入部した頃は、もう引退されていたので、一緒にプレーしたことは

ありませんが、なんだか、いろんな場面で一緒になることが多くて、妙に親近感がわく

先輩なので、仲良くさせてもらっています。私は代田さんを本当に尊敬しているんですが、

本人やその周りからは、そのように見えないらしいです。でも、尊敬してます。

 

数年前にその代田さんが、(私にとっては)いきなり公立中学校の校長に就任しました。
「なんで?」と一瞬思いましたが、代田さんがやってきたことを改めて考えると、
必然なのかなぁー。。。と思ったことを覚えています。代田さんは、リクルート時代に

大学生を対象としたキャリアスクール事業を経験したり、起業後に、村上龍の著作

『13才のハローワーク』(幻冬舎刊)に共感して、その本の公式サイトを運営したり、

(途中にそうでない時期もあっただろうが)一貫して教育関連事業に携わってきました。


いきなり公務員、しかも学校だなんて、本当にたいへんでしょうね。。。
でも、あのまじめさとピュアな心があれば、ゴールは見えてくるはず!
本当に応援しています。

 

前ふりはこれぐらいにして。
この写真の書「武士道」は、その代田さんが書いてくれたものです。

 

tk090528.jpg

 

2007年、USC(南カリフォルニア大学)に劇的な勝利をした次の日、Jim Harbaugh
(ヘッドコーチ)のオフィスから「T.K. 、ブシドウって何だ!?」と大きな叫び声が……。
たまたま『武士道』の英語バージョンを読んだことがあったので、簡単に説明をしました。
彼の友人である海軍の偉い人から、
「大きな勝利に浮かれることなく、武士道精神を持って、残りのシーズンをがんばれ!」
みたいなメールがきたらしいのです。彼はその日のチームミーティングで、それはそれは
うれしそうに、武士道についてみんなに説明していました。

 

その年のオフに帰国した際、代田さんが達筆なのを聞きつけ、お願いして書いてもらいました。
ヘッドコーチは本当に喜んでいました。部屋の真ん中の、誰でも見える場所に貼ってあるので、
いろんな人(特に好奇心旺盛なプレーヤーたち)がその意味を私に質問してきます。

もちろん、しっかり説明して、その人の知識になるように、その人の将来に役立つようにと

「教育」をしています。

 

代田さんの書いた「書」がこんなに遠い所で、間接的ではありますが、人の「教育」に役立って

います。代田さん、これからもオービックシーガルズが誇れるOBとして、がんばってください。

 

★上の写真--ヘッドコーチの部屋の真ん中のドアに貼ってあります。

アル・デイビス(レイダースのオーナー)の写真と 「書」よりも、

ジョン・ハーボウ(実兄でレイブンズのヘッドコーチ)の写真よりも、

目立つ位置に貼ってあります。

 

TK

 

2009年05月20日

コーチ留学

「コーチ留学」、なんだか響きがいいですね。

 

アメリカにいると、いろいろなところで耳にします。
そして、その人たちの噂を聞いたり、書いているブログを読んだり、

機会があれば直接会って話したりもしています。

 

最近読んだブログの中に、ある競技のコーチが、こちらで勉強している様子を綴っている

ものがありました。その競技はオリンピック種目であり、日本も世界のトップレベルに

入っているスポーツです。
読んでみて……誤解を恐れずに言うと、残念というか、なんと言うか……。

 

彼のブログの構成は、
・練習メニューの箇条書き(70%)
・コーチとの会話の内容(5%)
・アメリカ生活について(10%)
・その他(15%)

 

個人的な感想を一言にまとめると、
「そんなの、その競技に精通してて少し英語ができれば、誰でもできる!」。
あとは、多少のコネも必要ですけど。

 

でも、「コーチ留学」という言葉を使うのなら、それでいいんでしょうか?
自分が勉強したことを日本に持ち帰って、個人やチームのために活用する-というのが

留学なんでしょうか?
でも、貴重な経験ですので、個人的なステイタスや目的だけでなく、その競技全体の

発展に役立ててほしいものです。

 

で、何が言いたいのかというと、「自分はそうではない」ということです。
私は意図的に、「コーチの勉強」とか「フットボールを学ぶために来た」という英語の

表現を避けています。日本人だとわかると、そのような質問されることが多いので。

 

私には、(オフの時期=特に今の時期)フットボール部以外のクラブをサポートする

仕事もあります。そして、フットボールの仕事をする時はいつも、

「勝つために働いている」と思って仕事をしています。

こちらに(長期間)滞在して、フットボールのことを学んで、それを持ち帰ることは、

フットボールを知っている人なら誰にでもできること。
このチームの中で自分にしかできないことをやり抜く!

-それこそが、私がこの地で生き残っていくただ一つの道であると信じています。

 

表現下手のために、ご気分を害された方がいたら、申し訳ありません。
ただの私の「こだわり」と「意地」ですので、気にしないでください。

 

早稲田大学アメリカンフットボール部からUSC(南カリフォルニア大学)にコーチ留学に

来ていた濱部さん(濱部 昇 助監督)は、

(早稲田大学のウェブサイトには「コーチ留学」と書いてありますが、)
私の観点で言うと、コーチ留学ではありませんでした。
濱部さんは立派にチームの一員として認められていました。
濱部さんについては、また書きますね。    →早稲田大学米式蹴球部>USCレポート

 

ではまた。

TK

 

2009年05月14日

がんばろう!日本のフットボール!

先日、私のやりたいことをお話したので、それに関連する話題を一つ。

 

先日のNFLドラフトでNEW ENGLAND PATRIOTSから2巡目(全体58位)で指名された
Sebastian Vollmerという選手がいます。

 

NFLドラフトのレポートを読んでいただくとわかりますが-

(抜粋)

Vollmer is one of the more unusual stories in this year's draft class.
He did not start playing football until he was 14 years old,
but still helped his German prep school win two national championships.
U.S. college coaches lined up to sign Vollmer after he appeared

in the 2004 Global Junior Championships in San Diego.

Vollmer spoke almost no English when he signed with Houston.

                                           ⇒続きを読む

 

彼はドイツ人です。
ドイツのPREP SCHOOL(高校のようなものなのでしょうか?)でフットボールを始め、
2004年の「U-19世界大会」でアメリカのカレッジコーチの目にとまり、ヒューストン大学で
プレイすることになったようです。しかもその時には、ほとんど英語が話せなかったようです。


奨学金をもらうまでにどれぐらいの時間がかかったのか?等の詳細プロセスは不明ですが、
(私としては)「また、違う国に先を越されたか……」という感じです。

ドイツ人とは根本的にサイズが違います。むしろアメリカ人より大きかったりするかな……。
言語もドイツ語のほうが(日本語より)はるかに英語に近いことでしょう。
しかし、言葉も文化も違う所で、彼はわずか数年でNFLにドラフトされるまでの選手になりました。

 

6月末にオハイオ州で行われる「U-19 WORLD CUP」(Junior World Championship)で、

日本の選手の活躍は、必ずアメリカのカレッジのコーチたちの目に留まることでしょう。

私が上記のニュースをある知り合いのメジャーカレッジのヘッドコーチに伝えたところ、

(私の夢を知っている彼は)担当のコーチを派遣するとニコニコしながら言ってくれました。


そんなチャンスもありますし、日本代表の選手は「初優勝」目指してがんばってください。

 

TK

 

2009年05月08日

ここに「在る」意味

まずは、選手および関係者の皆様、初戦の勝利おめでとうございます。
春に良ければすべて良し!なので、パーフェクトシーズン目指してがんばってください。

 

皆さんからよく「日本に帰ってからどうするの?」って聞かれます。
結論から申し上げますと、こちらでフットボールコーチの仕事を続けようと思っています。
それは、永住したいとか、日本を捨てるという意味ではなく、
私のやりたいことがここでしか実現できないからです。

 

では、どうしてここでなくてはいけないのか?

 

私は日本で15年間選手として、3年間コーチとして、フットボールに携わってきました。
その中で、(詳細のプロセスは割愛しますが)一つの大きな夢ができあがりました。
それは「日本人の NFL PLAYER をつくりたい!」という夢です。

 

では、どういう方法で? 

 

私がフットボールをいろいろな立場で経験して、分析してきた中で、夢を実現させるために

出した結論は、「MADE in U.S.A.の選手を育成する」ということです。


国内でもいろいろな指導者や関係者がいろいろな立場で選手を育成しています。
それを否定する気はまったくありませんし、むしろ、そういった活動をしていらっしゃる方々には
頭の下がる思いです。しかし、今までアメリカのフットボールにチャレンジしてきた選手たちを
見ていると、言葉や文化の壁がそこに立ちはだかっていることは事実です。
STANFORDにもカナダ人の選手がいます。私の夢の実現性について彼と話をした時に、
彼は「TKの言うとおりだ!」と賛同してくれました。彼曰く、今、NFLに在籍している
(毎年ROSTERに残るような)カナダ人の選手は10名ぐらいいるそうです。
でも、その全員がアメリカのカレッジでのフットボール経験者だそうです(この前、カナダの
大学から一人ドラフトされましたが)。「国境を接していて、かつ、同じ英語圏とはいえ、
文化はまるっきり違うし、スポーツの在り方が違う。だから、本当にNFLを目指す高校生は、
アメリカのカレッジでプレイしたがるんだよ」とのこと。

 

具体的に私がしたいことは、「アメリカでプレイしてみたい!」と思っている高校生や大学生の

選手をサポートすることです。直接的に自分の学校にリクルーティングできるのが一番ですが、

それはまず私自身がポジション(フルタイムでのコーチ)を獲得しなければなりません。
(それにはあと何年かかるかも想像できないので……)とにかくこちらにいて、いろいろな情報を
収集して、そのような意志を持った若いプレイヤーをサポートしていきたいと思っています。
コネのあるコーチには、もうすでに「自分がこういうことをしたいので、具体的に相談したい
プレイヤーが出てきたら、よろしく!」とは伝えてあります。とにかく、自分のこちらでの
ネットワークを駆使して、できる限りのサポートをしたい。そこには言葉、文化の違い、
経済的負担等、解決しなければならない様々な障壁があります。

しかし、それは本人や親御さん、受け入れ先等と一つひとつ相談しながら解決していく

しかないと思っています。

 

いつ、どのような選手がそのような夢を持ってこちらに来る意志を固めてくれるか、
楽しみでならない反面、自分がこちらでこのような状況(今はコーチとしては無収入)で、
この世界に生き残っていけるのか、不安でなりませんが……。

そこは、NO PAIN, NO GAIN!! という言葉を信じて、

ハクナマタータ!(どうにかなるさ)でがんばっていきたいと思います。

近くにそのような選手がいたら、私の存在を教えてあげてください。


ではまた来週!

TK