TKこと河田 剛のUSA情報

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2011年11月

2011年11月30日

カレッジフットボール レギュラーシーズン終了

先週末のNOTRE DAME大学戦に勝利し、わがSTANFORDは11勝1敗でレギュラーシーズンを終了しました。

 

今年は新しいヘッドコーチ、そして新体制でのチャレンジでしたが、昨年と同じく素晴らしい成績でシーズンを終えることができました。全米ランキングは4位です。各カンファレンスのチャンピオン決定戦が行われる今週末の(上位校の)戦績次第では、もう一つ上に行く可能性もあります(下に行く可能性も少々)。

 

そして、全日程が終了した翌日の日曜日に、最終全米ランキングの発表とBOWL GAMEへの招待が決定します。すでに多くのメデイアで、「STANFORDはFIESTA BOWLへ」と報道されていますが、こればかりは神のみぞ知るです。実際、昨年はその招待について多くの混乱がありました(例年と違う選考基準に混乱しました)。

 

いろいろと決まり次第またご報告しますが、まずはレギュラーシーズンの終了をご報告させていただきました。

 

さて、今週末はオービックシーガルズの「戦」ですね。アメリカから、USTREAM中継を頼りに、熱く応援します。

 

TK

 

 

2011年11月09日

49ers

NFC-WESTの首位を走っている49ers。私の記憶が確かならば、昨年は6勝10敗だったはずです。NFLのシステムで特に大事だとされるQBは、昨年まで7年間鳴かず飛ばずだったALEX SMITHのまま。特にドラフト1位のQBが大活躍しているわけでもないこのチームに、今季どのような変化が起こったのでしょう? ある専門家は、「要因はわからないのに勝てるチームに変化した」とコメントしていました。

 

大きく変わったのはコーチングスタッフです。昨年まで私のボス、つまりSTANFOPRD大学のヘッドコーチであったJIM HARBAUGH氏がヘッドコーチに就任しました。そして、オフェンス、ディフェンスそれぞれの新しいコーディネーターは、彼がSTANFORDから連れていったコーチたちです。

 

言葉を選ばずお話ししますと、COACH HARBAUGHはワイルドです。万人に尊敬されるコーチでもなければ、飛び抜けた天才でもありません。独自性が高いがゆえに、フットボール界に敵も多いし、突拍子もないことを言い出したりします。

 

でも、「勝てるコーチ」なのです。勝負に勝つ何かを持っているんです。NFLのオーナーやGMがヘッドコーチに望むのは、一番に、勝つことでしょう。だから、それでいいんです。

 

彼は1勝11敗だったSTANFORD大学を4年間で12勝1敗にしました。しかし、NCAA(全米体育協会)によって運営されているカレッジスポーツという枠組みの中では、「いつ問題を起こしてもおかしくない」と言われていました。悪い意味にとらないでくださいね。彼はあまりにも「勝ち」にこだわりすぎるんです。私たちと遊びでやるテニスやバスケットボールも、勝つまで終わりませんでした(笑)。

 

良く聞こえないかもしれませんが、私は何をしでかすかわからない、目が離せない、そして何よりも勝てるコーチであるCOACH HARBAUGHを愛して止みません。なにより、私にここで働くチャンスをくれたのは彼ですから。

 

今後も49ersから目が離せませんね。

ではまた。

 

2011年11月08日

激闘USC戦

先のUSC(南カリフォルニア大学)戦は、3オーバータイムの末、56対48で勝利しました。

 

試合は、激しい攻防の末、残り39秒で同点に追いつき、USCの攻撃へ。数プレイで自陣40ヤードまで攻め込まれて残り9秒の場面。皆さんも、自分がオフェンスの選手やコーチだと思って、次のプレーを一緒に考えてみてください。
・タイムアウトは3つ残っている
・フィールドゴールの射程圏まではあと5ヤード
ここでボールキャリアが考えなければいけないことは何でしょうか。

 

時間をフィールドゴールのために残すことです。


一般的に、3秒あれば【蹴って・決まって・ゲームセット】に十分と言われています。しかし、このときの結果は、ボールキャリアががんばりすぎて時計が「0」になってしまったのです。USCからの抗議によりビデオレビューが行われましたが判定は覆らず、オーバータイムへ突入しました。

 

オーバータイムの攻撃は1回目・2回目とも両チームともTDを獲得し、48対48。3rdオーバータイムからは、トライフォーポイントで2ポイントコンバージョンをしなければいけません。Stanfordが中央のランでTD後、2ポイントも決めて56対48とし、USCが同点に追いつかなければゲームセットです。逆に私たちはここを守り切れば勝ちです。


1stプレイ、ショートパスが決まった後、いくつかのタックルミスでTDされたかと思いきや……レシーバーの足がサイドラインを割っていました。その後の1st DOWNゴール残り4ヤード……USCのRBがファンブルしたボールをリカバーしてゲームセット。攻められ続けながらも、あきらめずにがんばってくれたディフェンスに感謝です。私たちにとって、今シーズン最も苦しい試合であり、最も大きな勝利となりました。

 

試合後、USCのヘッドコーチであるLANE KIFFIN氏は、「1秒残っていたはずだ」としきりにメディアに訴えていました(結局、その発言に対してリーグから100万円の罰金が課せられました)。

 

この試合から、コーチとして学びました。

・あきらめないことが、勝利を生む。
・後からの言い訳はみっともない。


今回の場合、4Qの最後、タイムアウトが3つある中9秒残った時点で、タイムアウトを取って時間の使い方を選手に確認するべきでした。「ある程度ゲインしたらニーダウンをしろ!」と。その場で確認できなかったとしても、それを普段から教育しておくのがコーチの仕事です。フットボールは準備のスポーツ。どんな小さな可能性、ありえないようなシチュエーションのための準備をするのが、選手そしてコーチの仕事であります。

 

オービックシーガルズの準備は万全でしょうか。今一度「ふんどしを締め直して」臨もうではありませんか。

 

TK