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NFL Combine

2012年03月02日

2年前にも同じタイトルでお話をしました。そのコンバインが2月22日から始まっています。コンバインとは、簡単に説明すると、NFLまたはNFLの各チームがドラフトで指名予定選手のパフォーマンスを実際に見るために行われるものです。

 

 

NFLの球団側から見たドラフトに向けたプロセスを簡単にまとめてみました。

1・地域担当スカウトのスカウト活動(練習、試合、試合のビデオを各校に出向いて実際に見る)
2・スカウトの責任者、GM(ゼネラルマネージャー)や球団の社長が上位指名予測者を実際に見に行く(球団にもよりますが)
3・カレッジのシーズン終了を目安に各プレイヤーの評価をまとめる
4・コンバインへの招待希望選手のリストを提出する(リーグが招待選手を決定)
5・コンバインでのパフォーマンスを実際に見て評価する
6・各地各校で行われるPRO DAYで再評価する(コンバインに招待された選手+NFLには行きたいが招待されなかった選手が参加し、通常、各学校で行われる)
7・「もっと見てみたい選手」を見るために、プライベートワークアウト(球団の施設へ招待、あるいは選手の希望の地へ出向く)を開催することが可能
8・指名選手の優先順位を決め、ドラフトへ

 

 

現場のヘッドコーチや選手の契約を取り仕切るGMは、いろいろな選手の様々な評判や評価を聞いてはいても、選手のパフォーマンスを実際に見る機会はあまりありません。それを実現できるのがこの「コンバイン」といいうわけです。実際、各チームのほとんどの関係者がこの場に姿を見せますし、実際に「パフォーマンスを見て選手の優先順位を決めるチームがほとんどでしょう。

 

しかし、中にはコンバインに参加しながらも部分的にパフォーマンスをしない選手もいます。シーズン中やトレーニング中の怪我が理由の場合もありますが、それがビジネス的な理由である場合もあるようです。

 

コンバインに招待されるような選手はもちろんエリートであり、この時点ですでにエージェントと契約しています。エージェントが契約条件や指名順位の向上のために、特定の種目のパフォーマンスをさせないケースもあるようです。たとえば、ベンチプレスが苦手な選手が、パワーのなさを隠すためにベンチプレスをしなかったり、スピードがない選手がスピード系の種目を拒否したりと、その戦略はそれぞれですが、もうビジネスのつばぜり合いは始まっているのです。

 

我がSTANFORD大学は、今年度のコンバインに6名が招待されました。なんとそのうちの4名が各種メディアのドラフト予想で1巡指名(全体32位)になると予想されています。次回はその選手たちの詳細をリポートします。

 

ではまた。
TK