TKこと河田 剛のUSA情報

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2010年11月

2010年11月12日

ARIZONA戦

シーズンも深まってくると、すべての試合が「大一番」になってきます。オービックシーガルズも、負けたら終わりの試合が始まりましたね。我がSTANFORDにも先週そのような試合がありました。


全米ランキングが13位の私たちが、全米ランキング15位のARIZONA大学と戦いました。「勝ったチームがROSE BOWLへの近道を手に入れる」と言われていた試合。現在、同じカンファレンスのOREGON大学が全米ランキングの1位であるため、このままいけば彼らは全米チャンピオンを決めるBOWL GAMEへ出場することになり、その(PAC-10チャンピオンとしてのBOWL GAME出場権利)空席を1敗同士の両校が争う形になりました。

 

ARIZONA大のエースQBは、これもNFL注目のNICK FOLES。大きなオフェンスラインに守られテンポの良いパスを決めてきます。この日も彼のパスが炸裂するかと思いきや、前半の勝負どころでレシーバーがポロリ……。こちらはと言えば、エースQBのANDREW LUCKのパスと5人のRBにボールをキャリーさせたランニングゲームが炸裂。終わってみれば42対17での大勝となりました。


次の日発表されたランキング(何種類かあります)では、軒並み10位以内へランクアップ。最終的な全米ランキングを決するBCSランキングは6位にまでアップしました。この先3試合のすべてに勝利して、少しでもランキングを上げて、ROSE BOWLもしくはそれ以上のBOWL GAMEに出場したいものです。


この試合で、ESPNがキャンパスツアーをしていました。アメリカでも有数の敷地と景観を誇るといわれているキャンパスです。


ではまた。
TK

 

2010年11月06日

WASHINGTON 戦

41対0で勝利しました。

 

NFL注目のQB、JAKE LOCKERを擁して強豪USCを破ったWASHINGTON大学ですが、ここ数試合良かったり悪かったりが続いています。たまたま彼の悪い時にあたったのかもしれませんが、DEFが完封、オフェンスもゲームプラン通りの、まさに快勝でした。


この試合、NFL注目のQB二人の対決とあって、雨にも関わらずほとんどのNFLチームのスカウトが試合会場に現れました。なかにはGMが乗り込んできたチームもあったようです。結局その対決は我がSTANFORDのANDREW LUCKに軍配があがりました。彼は2年生ながらチームのリーダーであります。そのリーダーが試合開始5プレイ目にオプションから51yd独走タッチダウンでチームに勢いをつけてくれました。昔から「人は背中で動かすものだ」とよく言われますが、彼はその言葉がぴったりはまる人物です。彼については、またゆっくりレポートします。

 

さて、次の試合は、全米10位の我々と13位のARIZONAとの対戦です。ABCでの全米中継も決まりましたし、全米注目の試合となることでしょう。自分たちのゲームをして、いい報告ができるように、がんばります。


では。

TK

 

2010年11月05日

TRAGEDY

そのままの言葉を表題にしています。「悲劇」「惨事」と訳しますが、そんなアクシデントが起きてしまいました。 私が昨年のNOTRE DAME JAPAN BOWLでお世話になり、そしてSTANFORDのライバルでもあるNOTRE DAME大学で事故は起こってしまいました。

 

10月27日の水曜日、NOTRE DAMEのフットボール部の学生アシスタントが練習中に死亡しました。練習のビデオを撮るために登っていたいたタワーが強風に煽られ倒壊。彼は約20メートルの高さからタワーとともに地面に叩きつけられたようです。NOTRE DAME大学は学生のボランティアアシスタントたちがチームをサポートしていることで有名です、私も昨年のイベントで彼らにはお世話になりました。彼と面識はないですが、昨年の経験から、彼がどのような姿勢で(一生懸命)働いていたかは容易に想像できます。彼の働きも現場も想像できるだけに、私にとっても辛い事件です。NOTRE DAMEは先週の試合で彼のイニシャルの入ったヘルメットを着用し、すべてのイベント事を中止して試合に臨みました。


この事故で、メデイアは30mを超える風速の中、(インドアのフィールドがあるにも関わらず)屋外での練習を決行したヘッドコーチの判断を責め立てています。「勝つためにより良い練習内容や環境を選択する」というヘッドコーチの判断には賛同できるので、その善し悪しについては判断をしかねます。でも、ここで一つ言えることは、私たちのような競技をするチームには必ず「縁の下の力持ち」がいるということです。フットボールでいうとマネージャーやトレーナー、試合の運営を手伝ってくれるスタッフやチア、それを観に来てくれるファン等、数えきれない裏方の力があるということです。競技者に「それを一時も忘れるな!」とは言いませんが、事あるごとにそれを思い出してほしいと思います。


最後に、彼の冥福を祈るとともに、このブログを読んでくれているすべての競技アスリートが、それを再認識してくれることを強く願います。

 

TK

 

2010年11月04日

WASHINGTON STATE戦

バイ・ウィーク(シーズン中、唯一試合のない週末)の後は、ここまで1勝6敗と負けが込んでいるWASHINGTON STATEとの試合でした。

 

WASHINGTON STATEは3年前にNFLにドラフトされた素晴らしいQBとWRを失ってから負けが先行しています。昨年は先発と2番目のQBを失うなど不運も続いていますが、リクルーティングでも成果が出ていません。我がヘッドコーチのJIM HARBAUGHがシーズン前のプレスカンファレンスで「今シーズンのPAC-10は激戦だ。10チーム中9チームにチャンピオンのチャンスがある」と言って物議を醸しましたが、メディアもその内容を否定するものではなく、「JIM HARBAUGHは相変わらずおもしろい」というような論調がほとんどでした。個々の選手のレベルというよりは、コーチ陣を含めたチーム全体の歯車がうまく噛み合っていない感じがみてとれます。

 

試合は終始リードする楽な試合かと思いきや、4Qにディフェンスが3つのTDパスを許し、勝ったものの、後味の悪い試合結果となってしまいました(38-28)。

 

観客数も4万人弱と、5万2000人を動員したUSC戦と比べると減少しました。こちらのファンは良くも悪くも正直です。いいカードであれば人が集まりますし、そうでないと減ります。特に私たちのようにコアなファンが少ない(NOTRE DAMEやOHIO STATE等のようには、何があっても満員とはならない)チームは、

自分たちの成績や対戦カードの良し悪し=観客数=収入

という図式が成り立ってしまいます。具体的な数字は割愛させていただきますが、我がSTANORDも1勝11敗だった2006年シーズンと7勝1敗中である今年とでは、収入が(桁が変わるぐらい)大きく異なります。今年はこのままいけば、収入記録が塗り替えられそうな勢いだそうです。


ただ、すべてのチームが目指すところは単年や数年単位の数字を得ることではなく、前述したように

いつも満員

になるような、コアなファンが多い愛されるチームになることであると思います。余談ですが、USCの体育競技全体の収入は80億円、OHIO STATEの収入は100億円を超えるそうです。ご察しの通り、そのほとんどがFOOTBALLです。

愛されるチーム=ファンが増える=収入が増える

オービックシーガルズもこんな素晴らしいサイクルを生んでいきたいものですね。


ではまた。
TK