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NFL-信じられない話1
2010年12月13日
アメリカのカレッジフットボールの世界に身を置く私にとって、NFLは「雲の上」であり、「夢のまた夢」なのであります。NFLでプレイしたいとかいうことではなく、「こんないい選手でもロースターに入れないのか?」「こんないい選手でもドラフトされないのか?」という観点での話です。
以前にもお話ししましたが、アメリカでは子どものときから複数のスポーツをプレイすることが一般的です。NBAのスターであるLEBRON JAMESも高校ではフットボールもしていて、それはそれは有名な選手だったそうです。
現在、STEELERSの控えQBであり、OREGON大学時代はスタープレイヤーであったDENNIS DICKSONは、3年生のシーズンが終わった後、メジャーリーグのアトランタブレーブスからドラフト指名を受けました。高校時代に野球とフットボールの両方で有名だった彼が進学したOREGON大学には(当時は)野球部がありませんでした。指名を機に、彼はフットボールのオフシーズン中はマイナーリーグで野球をすることを決意します。ルーキーリーグで活躍した後、2007年のフットボールシーズンに戻ってくると、フットボールでも大活躍。NFLドラフトでSTEELERSから5巡目で指名を受け、現在も貴重な控えQBとして活躍しています。
彼が両方のスポーツで活躍できている大きな要因は2つあると思います。
1. 彼の能力
2. それぞれのスポーツをプレイする、そしてスキルを伸ばすチャンスがあった
残念ながら今の日本には2.がないように見受けられます。トップレベルの選手が他のスポーツもやっているという話は聞いたことがありません。日本では、子どものときになんらかの要因でその競技を選んだがために、他の競技に対する適性を試すチャンスを失っているケースが多いと言えるでしょう。例として適当かは疑問ですが、日本のプロ野球ではなかなか1軍にあがれないような選手の中にも、中学や高校時代にサッカーやラグビー、アメリカンフットボールと出合い、それぞれを大学生まで続けることができたなら、いずれかの競技で日本代表になるぐらいの選手がいるかもしれません。
私たちはアメリカンフットボールという(他の競技に比べると)リベラルなスポーツに携わっています。お子さんをお持ちで何かスポーツをやらせたいと思っている場合は、一つに絞らず自由に選択させてあげてください。野球とフラッグフットボール!! 筆者の経験上、これがベストマッチです。ただし、根拠はありません。私が経験してきた、そして大好きなスポーツだからです(笑)。
近い将来、NHK高校野球中継のスターティングメンバー発表の際に、「走攻守、三拍子そろった外野手。オフシーズンはアメリカンフットボールの選手としても活躍中です」みたいなアナウンスが聞けたら、うれしいですねー。
TK