TKこと河田 剛のUSA情報

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開幕&UCLA戦

2010年09月15日

2010シーズンが開幕しました。

 

初戦はSACRAMENT STATEという、DIVISION-1 AA、日本で言うなら2部のチームと対戦。大勝で終わりましたが、いろいろと課題の残る試合でもありました。

 

続いては、名門UCLAのホーム「ROSE BOWL STADIUM」に乗り込んでの大一番。10万人のブーイングやクラウドノイズとも戦わなければなりません。日本では考えられないことですが、試合中に隣の人の会話ができないぐらいの時があります。そのために、ホームのスタジアムで大音量の音楽を鳴らしっぱなしで練習しました。


結果は、35対0で勝利。アウェイでのUCLAへの勝利は、15年ぶり。アウェイでの完封ゲームは実に30年ぶりだぞうです。 ゲーム内容と言えば、ディフェンスが要所を締めて、オフェンスがTDは取れなくてもフィールドゴールで加点するという展開でした。ハイズマン候補のANDREWは、パス成功率は低かったものの、要所で素晴らしいパスとスクランブルを決めて、勝利に貢献しました。

 

クラウドノイズとの戦いについては、人数はそうでもありませんでした。UCLAはSTANFORDと同じ学期制を取っているので、学生が夏休みから戻ってきていないんです。私が今まで体験してきたUCLAは10月以降だったため、学生と地元のファンが相まって満員のブーイングを浴びていたのですが、今回は少し軽めでした。とはいえ、5万人を超す歓声は、十二分に邪魔になりました(笑)。我々が所属するPAC-10のチャンピオンは2011年1月1日にROSE BOWLに出場することになるので、「ここに戻ってくるぞ!」という、いい動機づけの試合となりました。


ところで、UCLAは(高校生の)リクルーティングでは常に全米のトップクラスをキープしています。成績不振なのに、どうして高校生が全米から集まってくるかのか?想像の域を出ませんし、いくつも要因があるのでしょうが、一番大きいのは環境であると思います。リクルートする際、(当然と言えば当然ですが)必ず両親や家族を伴って訪問してくる高校生に キャンパスやスタジアムを案内します。そこで高校生やその家族の心をがっちり掴んでいるのでしょう。キャンパスはビバリーヒルズに程ほど近いWEST WOODというきれいな街の一画を占めています治安の安定しないLOS ANGELSの中では比較的治安もよく、ヤシの木やゴルフ場等、緑の多い素晴らしい環境にあります。その上、キャンパスから少し離れた「ROSE BOWL STADIUM」に連れて行かれて、見たこともないような10万人収容の大きなスタジアムと、芝生の多いこの国の中にあっても見たことのないようなきれいに手入れされた芝生を見せられるわけです。生徒はもちろん、両親や家族にとっても、環境のよさは学校を選ぶ大きな要因になります。特にこの国において男子が物事を決める際には、「ママ」の意思がそれを大きく左右します。 私もリクルーティングの手伝いをする中で、何度も「ママと相談する」とか「ママが決めたから」 という話を聞いたことがあります。したがって、こちら側も、母親をいかに大事に扱うかを考えます。たとえば、キャンパスツアーやキャンパス内のショッピングセンターへの案内、ディナー等も、基本的には母親にいかに好印象を与えるかが大事なんです。


今回のUCLA戦は7時半キックオフでした。遅いですよね。理由はもちろんテレビ中継です。1試合のテレビ中継で私たちが得られる収入は、日本のそれとは比べ物にならない金額です。その辺の詳細はまた説明します。試合が終わって飛行機で地元に帰ってくるのが朝の3時半、試合のレビューのミーティングが8時から、その前にやらなきゃいけないことに約2時間半。……寝るのを諦めて、このブログを書いています。


オービックシーガルズも調子がいいようですね。こちらもまた、いいご報告ができるように、がんばります。

 

では。
TK