TKこと河田 剛のUSA情報

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@エル・パソ

2010年01月06日

26日に地元を発ち、約2時間のフライトでエル・パソへ到着しました。

 

着いたらまず空港で大歓迎が! 

なんだか地元のSUN BOWL実行委員会みたいな集団やら バンドやらで、空港出口で30分

ぐらいの歓迎レセプション。

その後、地元警察の先導で、ノンストップでホテルへ(信号も無視)。

ホテルにチェックイン後、すぐにパーティー会場へバスで移動(もちろんノンストップ)。

カジノに隣接する大きなホールで、テキサス名物のバーベキューを食べながらのレセプションパーティー。Oklahomaの選手やスタッフ、地元の実行委員会も含めると500人ぐらいの大所帯での

パーティーでした。

生バンドの演奏や双方のチームからの代表者が3人ずつ出ての余興大会等、それはそれは

盛り上がりました。

中でも最後のダンスバトルでは、黒人アスリートの独壇場かと思いきや、優勝したのは

STANFORDの白人のLBの選手でした。


とにかく、アメリカ人はどんな状況でも楽しむことを忘れません。

それが数日後にプライドをかけて戦う相手であってもです。

 

パーティーを終えてホテルに戻ると、ホテルの入口近くに「PLAYERS HOSPITALITY ROOM」
なるものが。かなり大きな宴会場のようなスペースに、プレイヤーがくつろぐためのスペースが。
そこには、
・ビリヤード台
・アーケードゲーム機(ゲームセンターにおいてあるようなゲーム) 6台
・大きなテレビ
・20人以上がくつろげる大きなソファ
・ドリンク飲み放題のバーカウンター
・スナックやドーナツが食べ放題
・アイス食べ放題

至れり尽くせりというのは、このことを言うのではないか、というような素晴らしい空間でした。
さらに、ホテルの最上階のスイートルームには、コーチ&スタッフとその家族向けの同じような

スペースが。もちろんこちらはアルコールあり。数人のコーチやスタッフはこの部屋に入り浸って

ました(笑)。

 

この後、試合までの4日間、昼間は練習、夜はパーティーという日々が続きました。

おもしろいのは、ほとんどの企画に、選手は選手同士、スタッフはスタッフ同士で参加するということです。
たとえば、選手が「BOWL BEFORE BOWL GAME」(ボウルゲームの前にボウリングで対決!!)

なるイベントに参加しているとき、両チームのコーチやスタッフは地元の警察や自治体主催の
パーティーへ参加していました。

そのほかにも選手が数人ピックアップされて、小児病院や軍隊を慰問したり、記者会見に出席したり、

連日、イベントまたイベントの繰り返しでした。


その中でも、前回説明したようなレギュラーシーズンと同じようなスケジュールと練習量をこなして

31日のボウルゲームに臨まなくてはいけません。

選手のコンディショニングを維持するためにコーチ陣が最優先にしたのは、とにかく睡眠時間を

多く取らせることです。ミーティングを早く切り上げたり、朝食の時間を遅らせたりして、

慌ただしいスケジュールの中でも睡眠時間だけは確保するようにしました。

そこだけは徹底したので、試合当日はベストの状態であった選手が多いと思います。

 

さて、このエル・パソという土地。

テキサス州の西の端で、メキシコとの国境に位置しています。
あちらこちらで国境のフェンスを目にしましたし、その向こうの(言葉を選ばず言えば)スラム街のように

住宅が密集している地域が、石を投げれば届くぐらいの距離で見えるのです。

なんだか、あんなフェンス一つで……と不思議な感じでした。
例年は国境を越えて観光に行ったりするそうですが、今年はフェンスを越えたまさにその地域で
麻薬の利権を巡ってのマフィアの抗争が繰り広げられているらしく、メキシコ観光は中止になりました。

 

いくつものイベントを経て、やっと試合当日になりました。
試合はその名の通り、SUN BOWL STADIUMで行われました。

このスタジアムはUTEP(UNIVERSITY OF TEXAS EL PASO)の本拠地でもあり、キャンパス内に

スタジアムがあります。
山の中腹に無理矢理キャンパスをつくった感じの構造になっていて、スタジアムもそんなロケーション。

5万人強のスタジアムでしたが、チケットは売り切れの満員、絶好の舞台でした。

 

試合は終始Oklahomaに主導権を取られ、31-27で負けてしまいました。

両チームともエースQBを負傷で欠いた試合になりましたが、点差以上に実力の差を見せつけられた

試合になったように思います。

驚いたのは、Oklahomaの選手のサイズや個人の能力の高さでした。

Oklahomaも怪我人が多く、若いプレイヤー中心でしたが、末恐ろしい選手が数多くいました。

近い将来、彼らとNational Championをかけるような試合ができれば、その際はリベンジしたいと

思います。

 

なんだかまとまりませんが、ボウルゲームに出場するということは、アメリカのカレッジフットボールに

おいて本当に意味のあることであることを、身をもって体験してきました。

そして、そこには信じられない ぐらいのお金がかかっていることも目の当たりにしてきました。

日本のフットボール界の発展に欠かせないものの一つに「お金」があります。

今回のボウルゲームでは、地元の組織委員会とボウルゲームの冠スポンサーでほとんどの資金を

賄っています。

特に印象的だったのは、地元のそれぞれの規模の企業からうまくお金を集めているということでした。

今回の経験が少しでも日本のフットボールに還元できれば……と願う今日この頃です。

 

TK