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SPRING GAMEのドラフト会議

2009年04月09日

STANFORD FOOTBALLでは、2月後半から3月中旬に7回、4月初旬に8回、

計15回のSPRING PRACTICEを行います。

NCAA規定で春は15回しか練習できません。

「そんなルール、俺が大学生の時にあったらなぁ」とか、思ったりしますが……。

NCAAルールについては、またじっくりと。


そのSPRING PRACTICEの締めくくりが、「SPRING GAME」と呼ばれる紅白戦です。

 

【紅白戦までのプロセス】
・ヘッドコーチはコミッショナーとなって中立の存在。
・コーチ、トレーナー、サポートスタッフ等をすべて2つのチームに分けて、ヘッドコーチを決める。
・コーチミーティングでドラフト会議の戦略(指名選手の順番・相手チームとの駆け引き等)を立てる。
・ドラフト会議で50人目の選手までを指名。残りの選手はポジションを考慮して振り分けられる。
・13、14回目の練習で、各チームごとの練習時間を1時間ずつ持つ。

 もちろん、(練習フィールドとスタジアムに)場所を分けて。


【試合のルール】
・スペシャルプレー(自分たちのプレーブックにないプレー)は2回まで。
・勝者は試合後のバーベキューでステーキやリブを食べ放題。敗者は小さなホットドッグ一つ。
・12分(本番はすべて15分)クォーターの試合形式。
・試合は一般公開。ビールとかポップコーンとかチアやバンドもあり。

 

と、まぁ、こんな感じですが、驚いたのはコーチたちの本気度合い。
ドラフト会議までに少なくとも10回はミーティングを重ねました。
しかも、SPRING PRACTICE期間なので、空いた時間(主に早朝か夜)を使いながらなので、
けっこうきつかったです。
主にモック・ドラフト(ドラフト会議のシミュレーション)でしたが、「向こうがこいつをピックしたら、
うちは必ずこいつを選ぶ」、みたいなことを延々とやっていました。

そして、ドラフト当日は、近くのレストランで朝7時から(コーチだけの)キックオフミーティングを

して本番へ臨みました。


ドラフト会議は、ヘッドコーチの司会進行により、チームのミーティングルームで行われます。
我がCARDINALチームは、ドラフトルームを設け、すべての選手の名前と指名優先順位の

色分けがされたマグネットプレートを準備して、万全の体制でした。

指名が発表されるたびに隣のドラフト会場からは(選手たちの)大歓声が聞こえます。

指名と指名の間は1分間しかないため、そこでは激論が繰り広げられます。
「次は絶対LBをとるべきだ!」
「いや、センターが必要だ!」
「その選手は、今指名する必要ない!」
「黙れ、俺がヘッドコーチだ!!」
みたいな激論を、指名ごとに交わしました。

結果的に、プランに近いドラフトになったので、これからの練習やチームビルディングが楽しみです。


このドラフトを通して何を感じたか。
「こいつらは、なんでも本気になる! そして、勝ちたがる! そして、それを楽しんでいる!」
ということです。

日本でコーチや選手をしているときは、なんでもけっこう冷静に見ていた方なのでびっくりしました。

息抜きでたまにやるバスケットでも、そこまでやらなくても……という場面が多く見られます。
でも、試合は本気でやるんだから、練習もどれだけ本気でやれるか、心身ともに本気が続くかって、
大事ですよね。あと、勝つことに執着しながら、それを楽しめるなんて、素晴らしい。

 

SPRING GAMEは、地元のファンにとっても一大イベントです。
STANFORDではそうでもないですが、USC(約90,000人)やNOTRE DAME(約80,000人)、
NEBRASKA(約80,000人)等では、SPRING GAMEのチケットは売り切れていることでしょう。

 

長すぎましたね。次は短編で!

 

TK