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ティーボウ
2012年01月08日
NFLはレギュラーシーズンも終わり、プレイオフへと入ってきました。
今週末にAFCのワイルドカードゲームに臨むDENVER BRONCOSが、レギュラーシーズンの中盤からエースQBをティム・ティーボウ選手に変更しました。彼のプレイスタイルを簡単に表現するなら、「パスは苦手だけど、走らせると凄い」、そういうQBです。QBの年俸が高騰している近年、
【QBが走る機会が増える=ヒットされる機会が増える=怪我につながる=年俸(お金)を無駄にする可能性が高くなる】
このような構図(理由)から、QBがボールを持つ回数が多くなる「オプション」のようなオフェンスを展開するNFLのチームは少なくなりました。そんな中、BRONCOSのJOHN FOXヘッドコーチは、ティーボウ選手を中心としたオフェンスを展開することを決断しました。
しかし、選手もコーチも、そのスタイルのオフェンスには慣れていません。ここからは全米のメディアも知らない裏話です。
シーズン中盤、BRONCOSのあるアシスタントから私の同僚の元へ連絡がありました。要約すると、彼らはいくつかのカレッジに連絡を取り、プレイブックを探しているとのこと。ご察しの方もいらっしゃると思いますが、NFLでの経験が長く、またNFLに合った人材を採用しているBRONCOS(ほとんどのNFLチーム)では、ティーボウが得意とするようなスプレッドオプションに明るいスタッフがいないのです。彼らはプロスタイルの中でも少しだけスプレッドオプションを取り入れているようなカレッジを探していたらしく、我々STANFORDに一番に連絡してきたようです。残念ながら、プレイブックを渡すわけにはいかなかったので、いくつかのアイデアをシェアしたようですが、それぐらい困り果てたうえでのシステム変更だったようです。
しかし、裏でそんなドタバタ劇があったにも関わらずプレイオフに進出してしまうあたりは、さすがにプロ!だと称賛できるでしょう。また、その“付け焼刃”とも言えるようなシステムを軌道に乗せてしまうコーチングスタッフと、それを習得して実践し、しかも勝利に結びつけてしまう選手たちも凄いですね。
しばらくはSUPER BOWLに向けたNFLプレイオフのことを書いていきたいと思います。
ではまた。
TK