TKこと河田 剛のUSA情報

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NFLという世界

2011年09月23日

NFLの開幕とともに、なんとかロースターに残ろうとしている選手には、天国とそれ以外の分かれ道が待っています。

 

NFL各チームの「TRANSACTIONS」というページを見ると、選手との契約の状況が細かく記されています。たとえば、後述するCAROLINA PANTHERS>TRANSACTIONS。後でチェックしてみてください。

 


NFLが厳しい世界であるという具体例が近くにあったので、ご紹介したいと思います。

 

STANFORDの選手4人がドラフトされたこと、ドラフト外でチャレンジしている選手がいることは、以前に書かせていただきました。ドラフト組は順当に最終登録メンバーに残り、うち2人はスターターの一角を担っています。そして、ドラフト外選手の中でも、2人の(2人も)選手が最終ロースターに生き残りました。一人はWRのDOUG BALDWIN選手(SEA HAWKS)、もう一人はTHOMAS KEISER選手(PANTHERS)です。


彼は2008年にFRESH MAN ALL AMERICANに選出され、その後3シーズン、DEとして活躍しました。メディアに取り上げられる機会は少なかったものの、フィジカルでスピードのある選手でした。レッドシャツ(1年生の一年間をプレイしないこと)でしたので、もう1年プレイできるところをスキップしてドラフトに臨みました。しかし、どこからも声がかからず、チームメイトのSIONE FUA選手が2位でドラフトされたCAROLINA PANTHERSへドラフト外で入団。春シーズンと夏のキャンプで頭角を表し、53人の最終ロースターに残りました。


彼とは、同じイニシャル(TK)で呼ばれることが多かったこともあり、個人的にもかなり仲良くしていました。9月3日の最終ロースター決定のあとに話しましたが、それはそれは喜んでいましたし、STANFORDもチーム全体で祝福ムードでした。

 

ところが次の日、突然の解雇。いきさつはこういう感じです。
・最終ロースター決定=他の31チームも決定。
・他のチームの登録からあぶれた選手もいる。
・その中には経験豊富ないい選手もいる。
そうなんです。同じタイミングで解雇された選手には同じようないい選手が多くいるんです。そのような選手が解雇された理由がチームにとって問題ないようであれば、そして金額の折り合いがつけば、たとえルーキーの方が年俸が安くても、「経験豊富>ルーキー」という構図になってしまうのです。

 

KEISER選手の場合は同じポジションのベテラン選手に勝るものが少なかったのでしょう。彼はその3日後にPRACTICE SQUADの一員としてチームに残るチャンスを得ましたので、チームのフロントやコーチ陣に期待されていることは間違いありません。

 

知れば知るほど、厳しい世界です。そんな中で日本人が生き残る日が来るのでしょうか? ネガティブに思ってしまう反面、そんな、奇跡というべきことが起こる日を迎えることが楽しみでしかたありません。


ではまた。
TK