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2011年07月
2011年07月22日
Football Facilities
辞書によると、facility(ファシリティ)=施設、設備、機関。Football Facilitiesとは、フットボールチームの設備、つまり、練習フィールドやトレーニング設備、コーチのオフィス等を意味します。
あるサイトででジョージア大学(以下、UGA)の新しいファシリティについてレポートしていました。→YouTube映像
「驚き!」のひと言です。私たちSTANFORDの場合は、他のスポーツのコーチたちと同じビル内でスペースを分けて使っています。UGAのように「FOOTBALL専用ファシリティ」を持つチームは多くはないでしょう。UGAは昨年はボウルゲームも入れて負け越しでシーズンを終えましたが、ここ数年は以下のように素晴らしい戦績を残しています。
2006年 9勝4敗
2007年 11勝2敗
2008年 10勝3敗
2009年 8勝5敗
2010年 6勝7敗
推測の域を出ませんが、2007年&2008年の連続2ケタ勝利のあたりで、地元の資産家や卒業生から寄付の申し出があり、全米チャンピオンに向けて、この建物が建設されたのだと思います。
なぜそんな推測をするのかというと……私たちも同じような経験があるからです。昨年の最終戦の後、地元の資産家から「今年の成績に敬意を表し、FOOTBALL専用のファシリティを寄付する」という申し出がありました。その後、完成は2012年、総工費(寄付額)は40億円など、詳細な情報が発表されました。今回UGAのレポートを見たときに、私たちのそれとピッタリ重なったのです。再度申し上げますが、私の推測です。
他のメジャーカレッジでもここ数年、いくつかの「FOOTBALL専用ファシリティ」建設の話題が聞かれるようになりました。これら新しい建物に共通すること、いや共通する目的はなんだと思いますか?
「リクルーティング」です。STANFORD FOOTBALLで言えば、コーチ、選手自身は今のビルで十分なのです。
いくつかの「こうだったら、もう少し便利なのに……」はありますが、フットボールに集中するには十分な施設です。それをわざわざ「専用」に変えるのは、リクルーティングで競合する他のメジャーカレッジの施設がどんどん良くなっているからです。高校生は興味がある学校を訪問して、その名の通り「ファシリティ・ツアー」をします。
そして、その数日間のほとんどをその建物内で過ごします。つまり、そこで高校生やその親にいかに好印象を与えられるかが、一つの大きなポイントとなるのです。南部の名門LSU(Louisiana State University/ルイジアナ州立大学)にはリクルーティング専用のミーティングルームやヘッドコーチと高校生が歓談する大きな個室まであるそうです。
私たちの新しいファシリティも建設が始まっています。2年後にどんな建物ができ、その数年後にどんなプレイヤーが入ってきてくれるか、今から楽しみでしかたありません。
寄付と言えば、こんな例も。ネブラスカ大学の各選手のロッカーには「built in i-pad」があるそうです。昨年ドラフト1位(全体2巡)でLIONSにピックアップされたNdamukong Suh選手から寄付されたそうです→YouTube映像
TK
2011年07月19日
JAPAN 銅メダル
日本代表の皆さん、メキシコ戦での勝利、おめでとうございます。
3位という結果には、必ずしも満足していない方も多いと思いますが、勝って終わることが大事です。次の大会までずいぶん先のようでも、4年はあっという間です。ぜひ、今大会で見えた課題を一つひとつクリアして、次に向けて少しずつ修正し、進化していっていただければと思います。
すべての試合を見たわけではありませんし、細かいところまではわかりませんが、今回の日本チームの課題のひとつは、スペシャルチームではないかと思います。フットボールでは、3つの大きな「くくり」があります。オフェンス・ディフェンス・スペシャルチームです。簡単に言えば、試合を通じてどちらかのチームがオフェンスを制し、
もう一方のチームがディフェンスを制したならば、勝敗を決めるのはキッキングゲーム。つまり、スペシャルチームです。どうしても“急造”と言わざるを得ないナショナルチームでは、スペシャルチームは2の次になりがちです。そこをどのように時間を割いて、チームとして成長させていくかが、次の大会への課題になるのではと、勝手ながら考えています。
優勝はアメリカでしたね。一部を除いては無名のカレッジからきた選手やコーチ陣で優勝するのですから、フットボールの母国の底力は計り知れません。言葉を選ばず言えば、日本もカナダもメキシコも、国内では、トップレベルの選手がアメリカのトップレベル(NFLクラス)ではない選手に勝てなかったということになってしまいます。次の大会にいきなりNFL選手が出てくるとは思えませんので、まずは、今回出場してきたアメリカのレベルの選手たちを倒す実力をつけて、8年後、12年後にはNFLの選手を引きずり出す!ぐらいの意気込みで、がんばっていきましょう。
とはいえ、強行軍のスケジュールの中、見事に戦い抜いた 選手、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んでください。そして次は、国内のトップを目指して、万全の状態で秋のシーズンをスタートしてください。
TK
2011年07月15日
GO JAPAN !!
カナダ戦、本当に残念でした。いいゲームだっただけに……。私も途切れ途切れのUSTREAM中継で観戦していましたが、「手に汗握る」とはああいうことを言うのでしょう。途切れ途切れの映像でもエキサイトできたのですから。
そんなエキサイトできるゲームであった日本vsカナダ、そして前日に行われたUSA vs MEXICOについて、私の周り(STANFORD FOOTBALL)ではあまり話題になっていません。私だけが話題にしようとしている……という感じです。トレーニングキャンプ前の長いオフの期間だというのもありますが、誰も気に留めている様子はうかがえません。悲しいことではありますが、これが現実なのだと捉えています。
さて、過ぎたことは忘れて前進しましょう。最終戦はMEXICOとの対戦。最終戦にふさわしい、自分たちのフットボールをしてほしいです。
そしてその結果として、銅メダルを日本に、アメリカ大陸以外の国に、持ち帰ってほしいものです。この世界選手権のメダルが全部同じ大陸にあってはいけません! 一度負けたチーム同士の戦いです。敗戦から学んだことの多いチーム、それを勝利に生かせるチームはどちらなのでしょう。日本であってほしい!!
GO JAPAN !!
TK
2011年07月12日
ワールドカップ
ワールドカップが開幕しました。まず最初に、日本代表の選手の皆さん、スタッフの皆さんの努力に敬意を表したいと思います。日本のフットボールはプロではありません。ゆえに、仕事や家族、時間等、多くの犠牲を払っての出場であったことは間違いないでしょう。
一つでも多くの勝利を!
一つでも少ない怪我で!
優勝を!!
手前味噌ではありますが、私も第1回の大会に出場しております。その頃と比べると、いろんなことが変わっています。
まずは、出場国。1回目の時は(コソボ紛争の影響もあって)出場チーム中のライバルはメキシコだけでした。メキシコが逆ブロックにいたのも幸いして、その試合(決勝戦)に照準を絞っての調整がある程度可能でした。しかし、今回は出場国も増え、試合も2日に一度。しかも強敵となりそうな国も、アメリカ、カナダ、メキシコ、ドイツと多くなっています。まさにサバイバルレースですね。
もう一つ。インターネット環境や設備の向上による情報入手の速やかさです。第1回大会は1999年。リアルタイムでの情報入手、ましてやインターネットを通じてのlive映像配信など、ありえなかったでしょう。日本にいる家族や仲間と連絡を取る手段にも乏しく、ホテルにインターネット接続の手段があるかどうか確認した覚えもなく……。そもそも、ノート型パソコンを持ち歩く習慣もなく……という状況でした。
オーストリア、フランスと白星を重ねた日本。予選リーグ最終戦であるカナダ戦(日本時間13日22:00)に必ず勝利して、決勝への切符を手にしてほしいと願っています。選手、スタッフの皆さんがんばってください!