2021年01月16日
2020シーズンを終えて(大橋HC)
新年を迎えライスボウルを戦ってから、はや2週間が経とうとしています。この間にもコロナ禍は勢いを増しており、感染された方、仕事や日々の生活がままならない方、医療現場で奮闘される方など、様々な場面で苦しい思いをされていらっしゃる皆さんも多いかと察します。心よりお見舞い申し上げますとともに、状況の好転をお祈りいたします。
思い起こせば、2020シーズンイン当初から先行きが見えず、プランを二転三転させなければならない、本当に特別なシーズンになりました。そんな中でも、できないことを憂うのではなく、できることを見出すアクションが、チームの諸処で見られました。このことこそが、チャンピオンシップを引き寄せた理由のひとつです。リモートミーティングでコミュニケーションを深めたり、PC越しに互いのトレーニングをチェックし合ったり、リーダーミーティングを選手主導で行ったり、皆が自発的に動いていったことを数えれば、枚挙にいとまがありません。シーズン当初に目指していた、全員駆動のチームに大きく近づいたシーズンだと感じています。
また、それぞれが、それぞれのやるべき目の前のことに集中できるメンバーが増えたシーズンでもあります。フィールドやチームで起きる様々な都合の悪いことに引っ張られ、不安になり、普段とは違うことをしてしまう。それが勝つことからチームを遠ざける原因になるのですが、驚くほど簡単に起こります。こうなったらどうしよう、こんなことになるのではないかといった疑念から起きてしまうのですが、これを解決するには確固たる自信を持つしかありません。今シーズンその自信を培ったのは、プレーへの共通認識でした。自身のプレーに集中するために、自分以外のメンバーの動きを知る。周囲がどう動いているかはっきりイメージできることで、雑念が湧きにくくなり、初めて己に集中できるのです。深いコミュニケーションをとることが常態化し、いつにも増してプレーを知ることから、プレーを解るところまで、皆の意識が向上していきました。紙一重のゲームを制することができたのも、瞬時の集中ができたからに他なりません。
実りもあり、喜びの多かった、特別なシーズンでしたが、常に我々を応援していただいている皆さんに、興奮と快哉をお届けできたのが、何より一番です。何かと気持ちがふさぎがちな、こんなときだからこそ、ひとときでもフィールド以外のことを忘れて没頭しきれる、思わず本能が爆発してしまうようなプレー、ゲームを披露したい。それを果たし、たくさんの笑顔を見られたことが、本当にうれしかったです。そして、この難しいお題を現実とした選手、コーチ、スタッフを心からすごいなと思っています。
これからもしばらくは、息が詰まるような日々が続きそうです。しかしながら、人間はなかなかのしぶとさを持っています。2020シーズンのオービックシーガルズがそうであったように。再び、皆さんと歓喜にあふれる空間をともにできるときがやってきます。必ず皆でつくることができます。一緒に戦っていきましょう。
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2020年11月06日
On the same page(大橋HC)
そんな中ですが、いよいよ2020オービックシーガルズも初戦を迎えます。数か月前には、プレーすることすらもままならない状況であったことを考えると、公式戦を戦えることに、感謝しております。奔走していただいた関係者の方々、そして何よりもフットボールとオービックシーガルズを応援し続けてくださる皆さんには、お礼の言葉しかございません。その思いに応える意味でも、我々は、「見られてよかった」「フットボールはやっぱり面白い」と感じていただけるプレーをしなければなりません。今は、試合に向けて気持ちを新たにし、集中力を高めているところです。
もろもろの制限を余儀なくされた、特別なシーズンになりましたが、フィールドに出られない時間をコミュニケーションに充てたことで、チームづくり・ベースプレー構築に最も大事なことに取り組むことができました。それは、“On the same page”、共通認識を深めるということです。
特に、ベースプレー構築においては、プレーの完成形がどんなものになるのかを繰り返し詰めることで、真の意味でベースを持てたことが大きいと感じています。プレーの全体像があって、それぞれの役割が決まるので、どのようなプレーなのかは皆知っているのですが、それは2次元の紙の上での話であり、実際に起きそうなイメージを重ね、ようやくプレーの完成形ができあがっていきます。選手にはよく言うのですが、知っていることと、解っていることには、大きな隔たりがあります。皆が解ってプレーするには、目指す完成形を全員で繰り返しイメージしながら、自分のやるべきことを固めていく作業が必要なのです。
イメージを重ねてきたプレーの完成形を、どのくらいフィールドで披露できるか、初戦のテーマはそれに尽きます。スタジアムに来ていただける方にはもちろん、オンラインで観戦という方たちにも、しっかり熱量を感じていただける、精度の高いプレーをご期待ください。
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2020年05月12日
Waiting in the wings(大橋HC)
40年ぶりぐらいにフットボールフィールドに出ないゴールデンウィークを経て、チーム活動自粛も1か月半を超えました。なんとも歯がゆい、ムズムズするような感じがあるのは否めませんが、「今でもできること」に留まらず、「今だからできること」に取り組むことで、チームはいつもとは違う成長の道を進んでいます。
特に、メンバーそれぞれが、どんな選手・スタッフになるのか、どんなチームをつくるのかを深く考え、コミュニケーションを重ねていることは、個々人がどう在りたいかを固める貴重な機会になりました。
これは、多様なバックボーンを持つ、個性の集まりである我々にとって、今後の大きな財産になります。多様さを認め、強さに結びつけていくには、それぞれの在りようが、チームの目指しているものに合致していることが重要で、見ているものがバラバラな中で発揮される個別性は、チームとしての力にはなりません。ただ、何をするのかを決めることに比べ、どう在るのかを決めるには、時間をかけてメンバーと会話することが必要で、フットボールを実践しながらでは難しいものがありました。今、それを培うミーティングが選手主体で活発に行われています。これこそ、今だからできることなのだと思っています。
今般起きている社会の変容を見ても、多様であることは、強みになり得るのか、はたまた弱みになってしまうのか、よくよく考えさせられます。我々としては、画一的、一律でなくても、自律によって目線を整え、多様だから強いチームを目指したいと考えています。
もちろん、フィールドで展開するオフェンス・ディフェンス・キッキングに関してのミーティングもリモートで行っていますし、オンラインでのトレーニング実施・トレーニング内容共有なども続けています。心の部分だけでなく、頭、体の準備も万端に進め、出番がやってきたときに爆発できるイメージをつくりあげている最中です。近い将来、必ずスポーツの出番、我々の出番がやってくることを信じて。 今シーズンは10月開幕が想定され、残念ながら試合数も限られたものになるかと思います。だからこそ、すべてを限られた試合に注ぎ込み、より一層中身の濃いゲームをお見せする覚悟でいます。ぜひご期待ください。我々の出番が来るときまで、なにとぞご自愛くださいますようお願いします。
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2020年02月28日
2020 シーズンインにあたり(大橋HC)
劇的なスーパーボウルの興奮から早くも1ヵ月が過ぎようとしています。フットボールシーズンが終わり、2020オービックシーガルズが始動を迎えました。
シーズンインにあたって、今シーズンの体制についてお話ししなければなりません。少なからず、皆さんを驚かせてしまったことと想像しています。
昨シーズン終了以来、今季どんなチームをつくっていくのかについて、並河代表・大橋・古庄の3者を中心に話を重ねてきました。課題は多岐に渡りましたが、取り組んでいくこととして、我々が目指すものを再度クリアにすること、それぞれがそれを目指すにふさわしい個人になっていくこと、そのための体制をつくりあげることに集約されていきました。
我々が目指すものはフットボール界を牽引するチームであり、それには新しい価値を創造できる個々人であること、それぞれが自立し、高い人間力をもっていることが大事である-そのようなことが見えてくる中で、より深く選手と関われるための、新たなコーチ布陣を考えました。その結果、オフェンスでは、長谷川昌泳コーチの卒業もあり、新たなコーディネーターとして矢部寛之コーチを桜美林大学から迎えることとし、ディフェンスでは、知見を広げ深めてもらえる存在として立命館大学の池上祐二コーチにアドバイザー就任をお願いすることにしました。キッキングでは成長著しい小島健吾コーチをコーディネーターに抜擢し、オフェンス・ディフェンス・キッキングのいずれも目に見える強化ができたと思っています。
ここまできたところで、古庄前ヘッドコーチから、布陣がそろってきた今のオービックシーガルズの陣容を考えると、大橋がヘッドコーチに就任し、古庄がディフェンスコーディネーターを務めるのがベストの組み合わせなのではないかと提案がありました。そして、互いにこだわりすぎていることを捨て、ゼロから最良の陣立てを議論する中で辿り着いたのが、大橋ヘッドコーチ、古庄ディフェンスコーディネーター/アシスタントヘッドコーチ、矢部オフェンスコーディネーター、小島キッキングコーディネーターの形です。もちろん、これを支えてくれる、数々の優秀なコーチングユニットの面々、平松良康ヘッドアスレティックトレーナーを中心としたトレーナー陣 、新加入してくれた鈴木裕宣ストレングスコーチ、冨樫 司オペレーションマネジャーのもとサポートくれるオペレーションスタッフたち、その他さまざまなメンバーがいてくれるからこその決断でした。支えが確信できるので、チャレンジができるというのが実感です。
今回の体制は、強烈なリーダーシップを掲げるスタイルではありません。むしろ、リーダーが助けられて、機能していくチームにしていきたいと考えています。志の高いメンバーの集団になるならば、引っ張られるより、押し上げるメンバーが多数である方がふさわしい、そう思っています。チーム全員がエンジンを持ち、全員駆動で走りまくるシーズンにします。
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2019年12月20日
2019シーズンを終えて(古庄HC)
2019シーズンも最後まで選手に声を届けてくださったファンの皆さん、本当にありがとうございました。皆さんの温かい「想い」に支えられて、選手たちは毎試合、自信を持って戦い続けることができました。
春のパールボウル、秋のリーグ戦、そしてセミファイナルと、1年を通して試合会場で皆さんからかけていただいた言葉や、遠くから届くメッセージからも、「今年こそは」という想いを強く感じていただけに、期待に応えられなかったことが心底悔しく、逆に、ここまで戦ってくれた選手たちには感謝しかありません。
このチームでフットボールに関わる以上、「日本一」を目指さない者は誰もいません。全員が明確に、「日本一」を目指しています。
そんな選手、スタッフたちに、各々の役割を明確に伝えられているか。「やらなければいけないこと」に支配されるのではなく、自分たちがフィールド上で本当に「やりたいこと」に思いを向けさせられているか。心の底からワクワクさせられているか。
毎週、自問を繰り返し、皆ともがきながら戦ってきましたが、我々自身が楽しみにしていた上位8チームの総当りというこの新しいリーグで、「優勝」という答えは出せませんでした。
チームは一度解散しますが、いま進めている選手面談では、来シーズンに向けて新たなチャレンジを語る者もいれば、チーム内での自分の役割を一段大きくする意志を語ってくれる者もいます。
ここ数年で大きく変わってきているリーグにおいて、我々ももう一度劇的に進化しなければ生き残れない、ということを肌で感じています。
ファン、選手、スタッフ、オービックシーガルズファミリー全員が待ち望む瞬間を迎えるために、我々は何をして突き抜けるのか。新たなチャレンジを明確にして、日本一へと向かいます。
2020シーズンも、オービックシーガルズをよろしくお願いします。
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2019年08月23日
やりたいこと(古庄HC)
夏の6週末の練習を終え、今週末いよいよ新リーグ X1 Superが開幕。日本一を争う8チームが総当たりで順位決着をつけるという、非常にシンプルで、過去最高にタフなリーグへと生まれ変わります。
すべてのチームが開幕戦から毎試合、ライバルチームとの戦いになり、どの試合も熱戦必至。上位4チームが進出するポストシーズンに向けて、毎週成長を続けるチームだけが勝ち星を重ねていくことになるでしょう。
どう考えてもワクワクします。私が現役のときに、こうなってほしかった。
そんな最高のシーズンを前に、この夏、我々が大事にしてきたのは、「『やらなければいけないこと』に支配されるのではなく、自分たちがフィールド上で本当に『やりたいこと』に思いを向ける」こと。
オービックシーガルズが、持っている力を発揮するときは、目の前の1プレーに集中できているとき。自分の全力を発揮することに、心の底からワクワクしているときです。
目の前の対戦相手にどんな勝負を仕掛けるのか。自分のフィジカル、準備、直感を信じて、自分にしかできないプレーにチャレンジできるのか。「やりたいこと」は明確なのか-。夏の強化期間を経て、各選手のやりたいことや各ユニットの狙いが、言葉で聞かなくても、フィールドでのプレーを見れば伝わってくるようになってきました。
まだまだ完璧なチームには仕上がっていませんが、春に感じたチームの進化の胎動はこの夏も強くあり、自信を持ってフィールドに立つ選手がさらに増えています。
開幕戦から楽しみです。試合会場で、皆さんの参戦をお待ちしています!
<2019 X1 Super 第1節> 8/25(日)17:00~ vs.オール三菱ライオンズ@富士通スタジアム川崎 見どころ・ご案内 デジタルチケット購入(当日16:00まで/1,500円)
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2019年04月12日
2019開幕(古庄HC)
2019シーズンがスタートしてはや1ヵ月半。チーム内のワクワクが週ごとに大きくなってきているのを感じている。
このチームに関わるメンバーは、いつだって変化(=強くなること)を望んでいる。だから、平日は様々な環境にいるメンバーが毎週末、日本全国から習志野に集まってくる。
当然、誰かがトレーニングをしてくれるわけでも、アサイメントを覚えてくれるわけでもない。どんな栄養を摂って、どんな言葉を吐いて、どんな状態で週末のグラウンドに向かうのか。選択するのはすべて自分。その日の自分の目標が、自分の行動を選択する。
そうした日々の選択によって、チームの皆が先週よりほんの少しでも成長(変化)した自分を創っていくのは、最高に面白い。毎週少しずつ高いレベルで、やったりやられたりができるようになってくる。皆、これを求めてグラウンドに集まる。
逆に、結果がすぐに出ないときやうまくいかないときだってある。シーズンインからここまでも、すでに何度もそういう場面があった。ただ、そんな時間も自分を成長(変化)させるための大切な時間になることを、皆理解している。
大事なのは、いいときも、悪いときも、どんなときも、我々は思考、行動を選択できるということ。どんなシーンでも、この先のワクワクにつなげることができる。
今年の新幹部は、3人すべてがニューフェイスになった。キャプテンにはRB#30地村知樹、バイスキャプテンにはDL#23バイロン・ビーティー・ジュニア、WR#84西村有斗が就任。面白いのは、いずれも立候補によるということ。オフシーズンから、自分の在り方を大きく変えようとする若手、中堅選手が増えた。新幹部の3人はそれを象徴している。
さらに、自分の過去最高にチャレンジするベテラン選手もいる。社会人になってもまだまだ熱くなりたいと入部してきた新人選手や、さらなる成長の場として移籍を決意してきてくれたメンバーもいる。
どんな想いを持ってグラウンドにきているかは、グラウンドでのパスートを見ればわかる。1プレーのフィニッシュを見ればわかる。想いは準備の深さに表れ、準備は必ずプレーに出る。
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来週の開幕戦、その後の戦いで、チームの想いをプレーで見せます。2019シーズンのオービックシーガルズにぜひご期待ください。
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2018年12月16日
前へ(古庄HC)
今年のチームのチャレンジは、昨年12月から始まった。オフシーズンに入ったその日から肉体改造をスタートさせた者、早々にミーティングを始めてシーズンインに備えたユニット、シーズンイン直前まで進退を悩んだ者。全員が同じタイミングでのスタートではなかったことで、逆に、日本一になることをそれぞれがより強くイメージした状態で2月のシーズンインの日を迎えることができた。
2018シーズンを振り返ると、パールボウル、リーグ戦、ポストシーズンと、どの場面でも、我々が楽しむための素材は用意されていた。それを生かせるかどうか、楽しめるかどうかは、常に我々次第だった。
どんな状況でも目の前の1プレーに「Execution」(役割を遂行)できるか。どんな苦しい場面でも「楽しい」と思えるだけの準備を続けられるか。皆が同じ絵を見て、互いを助け合えるチームの強さを見せられるか。「楽しむ」を選ぶということは、「楽」(をすること)を捨てること。それも理解したうえでチームは自信を積み重ね、目指すゴールへと毎週近づいていた。
迎えた準決勝。自分たちへの期待が最高潮だっただけに、結果は心底悔しい。だが、これも人生である。これまでも、すべてを賭けて臨んだ試合で負けたこともある。安東主将を筆頭に、リーダーたちが熱い思いを言葉や行動で示し、新しいオービックシーガルズらしさを築き上げてくれた2018シーズンは、最後の試合前と変わらず今でも、私の人生の誇りである。選手、スタッフのハードワークに、心から感謝している。
今は、心身を休める者や、自分を見つめ直す時間にする者が多い。だが、来シーズン、再びこのチームが歩み出すとき、我々はこれまでと同じではない。日本一をより明確にイメージできる状態で集まり、ゴールをより近くに感じているだろう。大事なのは、立ち止まらないこと。愛するフットボールに再び情熱を注ぎ込む、新たなシーズンが始まる。
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いつもオービックシーガルズを支えてくださっているファンの皆さん、2018シーズンも参戦、応援いただきありがとうございました。試合会場での皆さんの熱気や、遠くからでもメッセージをくださる方の思いを例年以上に強く感じていただけに、期待に応えられなかったことは心底悔しく、申し訳ない気持ちになりますが、チームは来シーズンに向かいます。ファン、選手、スタッフ、オービックシーガルズファミリー全員が待ち望んだ瞬間を迎えるために、前を向き、再び進みます。2019シーズンも、オービックシーガルズをよろしくお願いいたします。
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★TV出演予定 JAPAN X BOWLのNHK(BS1)生中継で古庄ヘッドコーチが解説を務めます。 12/17(月)19:00~ 富士通×IBM@東京ドーム 19:00~21:49 BS1、21:49~(22:00) BS1/サブチャンネル102
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2018年11月02日
ポストシーズン(古庄HC)
パールボウルが終わったら、、秋の開幕戦前には、、開幕3連戦が終わったら、、と自分の中でこのブログを書く決断を遅らせてるうちにリーグ戦が終了してしまったことを、まずお詫びいたします。
本題に入りますと、やはり「フットボールは面白い」、これを今シーズンは例年以上に強く感じています。
ご存知の通り、我々のリーグ戦の結果は、決して望むものではありませんでした。しかし、どの試合からも真摯に学ぶことができています。
毎試合、どうやったら今より強くなれるかを考えていたら、どうやったら今より面白くなるかを考えていたら、これまでになかった新しい文化もチーム内に生まれてきました。平日の使い方、週末の使い方、練習の仕方。考えれば考えるほど、やればやるほど、チームが変わっていくのを感じています。
もちろん、まだ完璧ではありません。ただ我々にとっては、毎日少しでも目指すフットボールに近づいていくことが最も大事で、いつも言っている「『勝つから面白い』のではなく、『面白いから勝つ』」とはそういうことなのだと、改めて確信しています。
来たるポストシーズン、目の前には、楽しむための最高の素材が用意されました。これをどう活かせるかは、我々次第。これまで同様にハードワークを続けられるのか、仲間と同じ絵を見ながら目の前の1プレーをExecution(遂行)できるのか。
目標は明確。やることも明確。誰も迷いはありません。皆、早く暴れたくてウズウズしています。
まずはノジマ相模原ライズ戦。我々の持つ力をすべて出し切ります。ぜひとも熱い参戦をよろしくお願いします。
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準々決勝・ノジマ相模原ライズ戦の見どころ・ご案内
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2018年04月27日
2018開幕(古庄HC)
「目標は日本一」。これには、誰も何の疑問もない。
では、「今の自分は、日本一にふさわしい人物なのか」。これはどうだろうか。我々は習志野グラウンドでこれをいつも確認する。
様々な答えが出てくるだろうが、正解・不正解はない。我々が大事にしているのは、自分がやると決めたことは何がなんでもやりきること。反対に、やらないと決めたことは徹底してやらないこと。これだけだ。
あたりまえのことだが、改めて意識してみると、これがなかなか難しい。調子がいいときはできているが、状況が悪くなると細かい部分ができなくなっている。試合と同じだ。だから、毎週確認する。筋力とか、スピードとか、サイズとか、アサイメントといった目に見える部分だけでなく、普段、目には見えていない「心」も一緒に太く強くするために。
今シーズン、ここまでのチームづくりの中で、チームの「根っこ」にあたる、「心」の成長に最も手応えを感じている。
オフシーズンからその予兆はあった。例年、オフシーズンは各々で準備を重ね、2月下旬のシーズンインの日から皆が顔を合わせてユニットづくりがスタートするが、今年は、1月初旬から選手が自らミーティングをスタートさせるユニットが出てきた。最初はランユニット。DL、DB、WRへと飛び火していった。
誰だって、これまで長年やってきた行動を変えるのは難しい。オフシーズンは休むもの。各自で心身の準備を進めるのは、おかしいことでは全くない。それでも、「もっと変わりたい」「まだまだ先に行きたい」「個だけでなく、強いユニットになりたい」というプラスのエネルギーが、選手の行動を「変化」させている。有望な新人選手も加わり、これだけのメンバーが本気で自分たちを変化させようと、毎週もがいてる。
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5月3日(木祝)、春の戦いがいよいよ始まります。今シーズンのチームが楽しみでなりません。ファンの皆さん、これまでで最も期待してください。このメンバーで、オービックシーガルズ史上最高のシーズンにチャレンジします。
初戦の見どころ・ご案内
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2017年12月15日
2017シーズンを終えて(古庄HC)
2017シーズンは、これまでで最もハードなシーズンになった。「どこのチームも圧倒するチームを創る」という高い目標を掲げて臨んだが、リーグ戦は6位、そして準決勝敗退。志半ばでのシーズン終了は、チームに関わるすべての人の心を傷つけた。
振り返ってみると、選手、スタッフは2月から目標に違わぬハードワークを続け、春のパールボウルで優勝を果たし、大きな自信を手にした。秋も、開幕戦(IBM)、第5戦(パナソニック)、第6戦(富士通)と3敗を喫しても、チームが崩れることはなかった。これまでにないリーグ戦の大きな負荷が、チームの芯をますます太くしていったと感じている。どれだけいい準備をしても、結果が出るまでに時間がかかることがある。チームの皆がそれを理解し、目標を見失わず、目の前の相手と全力で戦い続けた。
しかし、対戦相手もスケジュールも年々ハードになっている中で最後まで勝ち抜くには、我々が持つエネルギーも、これまで以上に大きなものにしていかないといけないということだ。敗戦の直後から、いま我々には何が必要なのか、何度も考えた。いろんな考えが頭の中を駆け巡ったが、やはり答えはひとつだった。オービックシーガルズの根底にある、「選手がワクワクするフットボール」をすること。ここに辿り着いた。「勝ったら、面白い」のではなく、「面白いから、勝つ」のだ。
ワクワクする選手が多ければ多いほど、フィールド上で根性を見せ、執念を発揮し、どんな場面でもチャレンジを続けることができる。試合でも、練習でも、そんな戦いがしたくて、選手はハードワークを重ねている。これまでの人生で、負けたことはある。大事なのは、諦めないことだ。いまこの逆境にいるからこそ、自らを鼓舞し、未来の自分たちにワクワクしながら、前に進むことができる。
今週から選手との個別面談を始め、毎日、選手と向き合っている。2018シーズンに向け、「誰かに引っ張られるのではなく、自分が周囲やチームを引っ張る選手になる」と話す若手らに、1年前とは違う内面のたくましさを感じている。どこが相手でも圧倒するチームを創るまで、我々は決して止まらない。このままでは終わらない。
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いつもオービックシーガルズを支えてくださっているファンの皆さん、2017シーズンも参戦、応援いただきありがとうございました。雨の試合が多かったですが、どの試合でもスタンドから届く熱い声が本当に心強かったです。どんな場面でも背中を強く押していただき、我々は常に強気で戦い続けることができました。
皆さんの期待に応えられなかったことは心底悔しく、申し訳ない気持ちになりますが、チームは来シーズンに向けてスタートを切りました。ファン、選手、スタッフ、オービックシーガルズファミリー全員で喜びを爆発させるために、このオフの期間も目標を高く持ち続け、前進を続けます。
2018シーズンも何卒よろしくお願いいたします。
★TV出演予定 社会人選手権 JAPAN X BOWLのNHK BS1 生中継で、古庄ヘッドコーチが解説を務めます。 「得点力の高いチーム同士の対決なので、私が専門とするディフェンス目線から、両チームのレベルの高い攻防をお伝えしたいと思います。激しい試合になることを期待しています」(古庄HC) 12/18(月)19:00~ 富士通×IBM@東京ドーム 19:00~20:55 BS1、20:55~(21:50) BS1/サブチャンネル102 前日12/17(日)は大学選手権 甲子園ボウルです。 13:05~ 日本大学×関西学院大学@阪神甲子園球場 13:00~(15:50) NHK BS1生中継
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2017年08月25日
開幕(古庄HC)
パールボウルからはや2ヵ月。チームは8名の新人を加えた65名の登録選手、3名の練習生、スタッフとともに、リーグ戦に向け準備を続けています。
我々の目標はただひとつ。 チャンピオンになること。
昨年からリーグの対戦方式が変わり、今年も開幕戦からすべての試合で、楽な試合などひとつもありません。もし、シーズンへの準備を少しでも怠れば、結果は散々なものになるでしょう。それほどに、この数年でXリーグのレベル、負荷は急激に上がっており、私の現役時代とは比べものにならないものになってしまいました。
そんなリーグ戦を目前に控えているわけですから、当然、この夏も我々にとって決して楽な2ヵ月ではなく、心身に大きな負荷をかけながら、来るべき戦いへの準備を続けています。
選手たちは皆、不安や危機感から行動を起こすのではなく、いま目の前にあることに全力でチャレンジする勇気を見せ、毎週、次なる目標に向かい、チームを成長させてきました。もちろん、この環境を楽しみながら。たいしたものです。
まだまだ発展途上の段階ではありますが、そんな決断、覚悟、行動の繰り返しが、今シーズンのオービックシーガルズらしさというものを創り上げてきています。
9/5(火)の開幕戦が本当に楽しみです。秋の最初の試合だからというわけではなく、このチームで2ヵ月半ぶりに試合ができることが、たまらなくうれしい。
ご存じの通り、対戦相手は春の最終戦と同じ、IBMビッグブルー。場所も同じ、東京ドーム。「ここでやらんと、いつやんねん」、ですね。
最初から、出し惜しみなくいきます。今シーズンも熱い参戦をよろしくお願いします。
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2017年04月21日
目標はひとつ(古庄HC)
目標はただひとつ、チャンピオン。
昨年はJAPAN X BOWLで敗退。あれが結果であり、言い訳はできない。
チャンピオンになるために、すべてを賭けられるか。今年以上にそれが問われるシーズンが待っている。最後のミーティングでそう確認して、昨シーズンを終えた。
迎えた2017シーズンイン。初日からオフシーズン中のトレーニングの成果を発揮する選手たち。激しいトレーニングに向かう彼らの顔つきやチャレンジを見て、全員の気持ちがチャンピオンになる、その1点に集中していることは十分に確認できた。
あれからあっという間に2ヵ月が過ぎた。フィールドでは毎週のように、やったりやられたりが繰り広げられている。
相手より上手いとか、下手とか、強いとか、弱いとか、そんなものは今はどうでもいい。まだできないことがあってもいい。知らないことがあってもいい。
それでも、常に自分(たち)を磨いて上を目指せているのか。自分のポテンシャル、チームへの貢献、ここまで積み重ねてきた自分を信じられるのか。毎週末、それを手応えにしてチームは変化を続けてきている。
いよいよ開幕戦を迎える。先日、今春の新加入選手も発表することができた。彼らを加えた2017オービックシーガルズのお披露目まで、あと少し。
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試合では、すべてのポジション、すべての選手に注目してほしいのですが、フットボールでは、試合に出ても記録がつかない選手が多くいます。そして、オフェンス、ディフェンス、キッキングのすべてのユニットで、そんな選手のパフォーマンスが重要になります。
来る開幕戦は、そのなかでも、ぜひともOL陣の活躍に注目していただきたい。川本真志(京都産業大)、木部龍之介(日大)、岡本 陸(ろく/同志社大)の新人3名を加えて厚みを増したOLの活躍が、QB、WR、TE、RBの活躍を引き出し、オフェンスの爆発を支えてくれるはずです。
今シーズンも熱い、熱い参戦を、何卒よろしくお願いします。
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2016年12月21日
2016シーズンご声援ありがとうございました(古庄HC)
2016シーズン初日の練習。開始10分でグラウンド脇の茂みに吐きに行ったのは#36バネでした。練習後も酸欠状態から抜け出せず、翌日までトレーナールームで寝ていたのは#28庸輔でした。
初日の練習であれだけの追い込みをみせたチームは、私の長い現役生活の中でも思い出せません。
皆がスタート時点から見えていたのでしょう。
勝ち続ける自分。 チャンピオンになる自分。 突き抜けたチームになるオービックシーガルズ。
そのためにハードワークを重ね、皆が心を込めてこのチームを創ってきました。
だからこそ、志半ばでのシーズンエンドは、胸が張り裂けそうで喪失感も大きかった。
けれど、我々は毎試合、自分とチームに自信を持ってキックオフを迎えていました。どれだけしんどい場面になっても、勝ちへの執念を捨てませんでした。何度も試合をひっくり返してきました。
チャンピオンにはなれなかったけれど、みんなで創ってきたこのチームを、JAPAN X BOWLの試合前と変わらず「誇り」に思っています。
最後まで選手に声を届けてくれたファンの皆さん、本当にありがとうございました。長居での決戦に、関東からも多くのファンの方が参戦してくれたことは忘れません。皆さんの温かい「想い」に支えられて、我々は自信を持ち続けることができました。
チームは一度解散しますが、この2016シーズンは、「突き抜けたチーム」の礎を築いた大事な1シーズンになりました。2017シーズン、「やっぱ、こいつら面白い」と思ってもらえるチームを創って戻ってきます。
ライバルチームの皆さん、来シーズンもレベルの高いやったりやられたりでリーグを盛り上げていきましょう。富士通さん、ライスボウルでの素晴らしい試合を期待しています。
最後になりましたが、チームのみんな、1年間ありがとう。
★古庄HCはライスボウルNHK生中継に「解説」(主音声)で出演します。 2017/1/3(火)15:00~ NHK BS1 ライスボウル(日本選手権) 関西学院大×富士通 @東京ドーム |
2016年12月11日
アドレナリン(古庄HC)
いよいよです。
今日、試合前最後の練習を無事に終え、今夜は各々が、明日の決戦に向けて「気」を磨いています。
我々は明日、最高に贅沢な時間を過ごします。
自分が現役の頃を思い出してみても、どれだけ体がしんどかったシーズンであっても、東京ドームでのボウルゲームで調子が悪かった試合は思い出せません。
当たり前です。会場。歓声。対戦相手とのガチンコ対決。そのすべてがアドレナリンを放出させるのです。
あのフィールドに立って、アドレナリンが出ないフットボーラーなどいないでしょう。アドレナリンは痛みを消し去ります。不安をかき消します。私はビッグゲームになると、2週間前からアドレナリンが出て止まらないことがほとんどでした。
もちろん、いま、このフェーズでも止まりません。もう選手ではありませんが。
楽しみです。明日の試合で自分はどれだけのアドレリンを放出するのか。選手たちのアドレリンはどれだけ放出されるのか。
DLはどこまでも相手QBを追いかけるでしょう。OLは何度でも強いブロックをし続け、RB、WR陣はどこまでも走り続けるでしょう。LBは何度でもタックルを繰り返し、DBは地の果てまでも相手を追いかけるでしょう。
心配です。試合前のアーリーワークで、島津(DB#24)が張り切り過ぎないか。試合前のセレモニーで、アントン(TE#88安東主将)は今日の宣言通り生き様を見せられるのか。
最高の舞台。最高の相手。春からずっとそれをイメージして、根性あるチームをみんなで創ってきました。何も恐れはありません。我々らしく、強気で、魂のこもったプレーを見せます。これまでの試合同様、目の前の相手に我々のすべてをぶつけます。
明日の参戦を心よりお待ちしています。
JAPAN X BOWL 12/12(月)19:00 オービックvs.富士通@東京ドーム
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2016年10月04日
磨く(古庄HC)
開幕戦から1ヵ月。初戦から強豪チームとの対戦が続いていますが、選手はフィールドでのチャレンジを続け、ハイパフォーマンスを発揮しています。
そして、試合を見てくださった方が感じていらっしゃる通り、このチームにはまだまだ伸びしろがあります。
日本一を目標にチームをつくってきている我々が、今シーズン、どこまでチームを高められるのか。
大事なのは、答えを誰かに求めるのではなく、自分でつくっていくことです。春からここまで、ハードワークでチームをつくってきたように、ここから先も、自分たちでつくっていく。
先週末の練習でも、次の1勝を求めて、フィールドのいたるところで高いレベルの"やったりやられたり"が起きていました。前節のLIXIL戦でゲームMVPを取ったQB#12畑もDL#93江頭も、ここまで本当にもがいて成長してきました。LB#5坂田の声は、理屈抜きにチームを元気にします。皆がそれぞれに、チームが強くなるための行動をしています。
この先も、これまで経験したことのないことが起こるでしょう。そのときどきに、強くなるための選択、勝者になるための行動をして、チームをつくっていく。
そうして自分たちの根底を磨きながら、この先も戦っていきます。今週末からのリーグ後半戦も、ぜひとも参戦よろしくお願いします。
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2016年08月02日
自信(古庄HC)
8月に入り、秋季開幕まで1ヵ月を切りました。
選手登録、トレーニング期、公開イベント「G-Day」を終えて、チームは本格的な夏練習に突入しています。
今シーズンからリーグの仕組みも変わり、対戦相手は強敵ばかり。この秋、我々が勝ち続けるために最低限必要なのは、「自信」を持って試合に臨むことです。
日々の練習、トレーニング、生活の中で、
選手たちは各々に仕事で多忙な平日も、時間をつくってトレーニングを積み重ねています。週末は、練習で納得できなかったと夜中にグラウンドで走っている者もいます。
選手の苦労話を伝えたいのではありません。
みんな、「見えている」のです。
開幕まで、もう少しだけお待ちください。 熱い夏を戦い抜いて、さらにひと皮むけたオービックシーガルズをお見せします。
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