並河 研GMブログ“日本から世界へ”

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トレーニングは、ピラミッド

2008年03月03日

3月に入って、体づくりメニューが本格化し、
アメリカンフットボールの個々の技術を磨くドリルも加わった。


古く言えば「心」「技」「体」。
準備が全てと言っても過言ではないアメフトでは、
個々の選手の戦略や戦術の理解、そしてチームワークなど
「心」の部分、いわゆるソフトウエアの準備も膨大なものになる。

秋のシーズンインには、まだ時間があるように思うのは錯覚である。

今の一日一日が非常にだいじである。

何も考えずひたすら練習して汗を流すのも時には悪くはないが、

短期間により効果的な練習、短期間でより強靭で俊敏なボディを

手に入れたいというのは、誰しもが考えることである。


オービックシーガルズが、初めて本格的なトレーナーに

加わっていただき、ウエイトトレーニングを開始した頃は、
「どうやったら、効果的に筋力を向上させることができるか」
について選手も加わってよく議論した。
トレーナーだったら、そのあたりのノウハウがあるのではないかとの

期待から、仕事との両立を目指す私たちにとっておきの秘策を

授けてくれるのではないかと、アドバイスに耳を傾けた。

ところが、返ってきた答えは
「頂点を上げたかったら、底辺を広げて、大きなピラミッドを
作るようにトレーニングをすること」 。

簡単に言うと、最大筋力を上げたかったら、重い負荷を少ない回数

上げるのではなく、中ぐらいの負荷をたくさん、たくさん上げ続けて、

じょじょにその負荷を大きくしていくと、最後には、最大筋力が上がる。

これをランニングで言うと、速く走りたかったら、まずは、長い距離の

走りこみを重ねて、徐々に中距離、短距離と縮めていけば、

スピードを上げることができる。


というものであった。
今でこそ「加圧トレーニング」や「サプリメント」「酸素」などの

サポートアイテムが乱立しているが、その当時はそのようなものも

なかったので、そのピラミッド方式を信じるか信じないかしかなかった。

信じた選手の中には「実際に効果があった」という選手もいたが、

仕事やプライベートを言い訳になかなか浸透せず、
トレーナーの皆さんには、いらぬ心労をかけたように思う。


今、選手たちが3月中旬の本年度1回目の筋力測定を目指して
取り組んでいるのは、ベンチプレスやスクワット、懸垂などでは、
1回のトレーニングで必ず100回を上げるという方式。
かつてのピラミッド方式を彷彿とさせる内容だ。


私は、この一連のトレーニングについては、
アメリカンフットボールのフィールドの外で、
ウエイトトレーニングを始めとするトレーニングを行なうこと、
しかも、全体練習のない平日に、自分が主体となって
「ピラミッドを積み上げていくこと」は、筋力向上以上に、
自分の志を積み上げていくような効果があると思う。

かつて名主将としてチームを率いた遠藤選手のように、
類まれなる体力、筋力を持てあまし、

とにかく毎日何キロも走っていた、、、という選手は別だが。