TKこと河田 剛のUSA情報

« 2010年04月 | メイン | 2010年06月 »

2010年05月

2010年05月24日

コンドリーザ・ライス

というフルネームよりは、「ライス国務長官」と呼んだほうが、記憶の細胞をくすぐるのでは

ないでしょうか??

 

彼女との出会いは、2008のシーズン中に彼女が我がSTNAFORDのフットボールオフィスに
現れたときでした。彼女は、ブッシュ政権での国務長官としての任務終了後、STANFORDの
キャンパスで国際政治学の教授として教鞭を執っています。元々、アメリカ政府で働く前も
同職に就いていました。見た目は、言葉を選ばず言えば……「きれい、かつグッドシェイプな
おばさん」でした。

 

そんな彼女がオフィスに現れたのは、STANFORDを進学先として選ぶかを、他の名門校と

迷っている高校生と面談するためでした。高校生とその両親は、彼女とのミーティングの後、

ほどなくしてSTANFORDを進学先として選んだのでした。

 

その後、幾度となく、彼女のリクルーティング(高校生のスカウト活動)の際のスピーチを聞く

ことになりましたが、(そんな簡単に表現したくはないですが)ひと言で言うと「聡明」というのが、

彼女に適当な日本語であると言えるでしょう。
彼女のスピーチで驚くのは、
1)同じ話を聞いたことがない。
2)すべての質問に対して、明確かつ完璧な答えがある。
3)わかりやすい。

 

彼女が高校生のフットボールプレイヤーに話すことを要約すれば、「STANFORD大学で

フットボールをしなさい」ということになるのでしょうが、彼女は直接的な表現は使いません。
たとえば、
・自分の人生を例にとっての「情熱」に関する話
・自分とフットボールの出会いについて
・自分がやっていたピアノについて
・自分が研究している国際政治学の話。
こんな話を例にとって、自分のSTANFORD FOOTBALLに対する思いと、その一員になってほしい
という彼女の意思を(間接的なのに)直接伝えていきます。高校生本人ばかりでなく、両親の心にも

訴えかけます。特に黒人選手の両親には、深く印象づいていることでしょう。

 

彼女は、アメリカでは「次期NFLコミッショナー候補」と言われているぐらいフットボールが好きです。

本人曰く、父親がフットボールコーチで、彼がフットボールを教えていたのを見ているうちに

好きになったようです。デンバーの大学を卒業後、NOTRE DAME大学で博士号、その後、

STANFORD大学で教授就任と、アカデミックにもフットボールにも長けている二つの学校と
関係が深いことも(彼女曰く、偶然)、それを示すに十分なエピソードと言えるでしょう。

 

もう一つ、おもしろいエピソードがあります。昨年の最終戦、STANFORD vs NOTRE DAME

@STANFORDで、彼女が試合開始のセレモニーに「名誉キャプテン」として参加しました。

チームのキャプテンたちと一緒にサイドラインからフィールド中央まで歩いて、コイントスに

参加をしました。(もちろん)両校と関係性が深い彼女に対しては盛大なスタンディング

オベーションが送られました。


その後、試合開始に向けてセキュリティーたちがVIPシートへの案内を始めたところ、彼女は
「私はあそこ行きます!」とメインスタンドの一番上にあるスポッターブースを指差しました。
彼女は試合終了まで、スポッター席でヘッドセットを着けて、試合を観戦……というよりも、
試合に参加していたそうです。

 

tk100524.JPG

 

彼女とは、今後もリレーションを深めていきたいと思います。そして、いつか「日本人のNFL選手

誕生」や「日本のフットボール界発展」のために、協力をしてもらえる日が来てほしいものです。


コンドリーザ・ライスとSTANFORDに関するニュース on ESPN

 

TK

 

2010年05月13日

SSP

SSP-Stanfordの私のオフィスでよく使われる言葉です。
hameless elf romotion
の頭文字を取った言葉です(Shameless=恥を知らない、慎みのない、厚かましい)。
日本語で言えば、「自画自賛」という四字熟語があてはまるのでしょう。

 

要約すると、
(そうでもないことに対して)
「自分は凄い!」「私は素晴らしいことを成し遂げた!」と、
自分を自分で賞賛し、さらにそれを人と共有しようとするさまを言うのでしょう。

 

良くも悪くも、(一般的に)アメリカ人はこのSSPが得意です。そうでない人もいますけど……。
逆に、日本人は自分をプロモーションすることが苦手だと思います。
アメリカの人たちは、間違えることや人と違うことをすることを「恥」とは思いません。
それが(たとえ間違っていても)、自分をプロモーションする能力を向上させている

のではないかと思います。
アメリカと日本の教育の違いについては、またどこかで時間を割いて(私なりの考えを)
説明させていただきます。

 

さて、前置きはこのぐらいにして。


あまり得意ではないのですが、その“SSP”をさせてください。
ここ数週間で、私のことがいくつかのメディアに露出しました。
以下、ご覧いただければと思います。
Japan Times「Football coach Kawata finds a home at Stanford」(英語)
NFL Japan コラム「名門スタンフォード大に日本人スタッフ、夢はNFL入り」
IFAF (アメリカンフットボール国際連盟) ニュース

 「TSUYOSHI KAWATA GIVES BACK TO JAPANESE FOOTBALL」(英語)


今週末はオービックシーガルズ、春の初戦ですね。
試合は、自分たちがミーティングや練習で何を培ってきたのかをプロモーションする場です。
オービックシーガルズは元来(普通の日本のチームに比べたら……)、

Self Promotionが得意なチームです。
それがShameless Self Promotion になるのか、
Solid(素晴らしい) Self Promotionになるのかは、
春の初戦、つまりスタートダッシュ次第であると私は思います。

 

皆さん、お楽しみに!

TK

 

2010年05月06日

帰国しています

先月23日より、VISA取得のため帰国しております。
滞在期間中は、主にオービックシーガルズのお手伝い、お付き合いのある大学チームの

お手伝い等、フットボールの活動を中心に生活していきます。
 
さて、本日でオービックシーガルズの練習参加3日目を終えましたが、
「みんなフットボールを楽しんでいるなぁー」と感じました。
 
私の仕事は、自分がSTANFORDやアメリカのフットボールで学んできたことをシーガルズに

還元することですが、それを伝えていく前に、みんながフットボールを楽しんでいることに

気づかされました。それって大事ですね。

プレイヤーは忙しい中、全国各地から集まって練習をしています。しかもきつーーい練習を……。

その時間を楽しめているなんて、すばらしいことだと思います。
 
でも、悲しいかな、楽しいだけでは勝てないんですね。
みんなの楽しい雰囲気や楽しむその姿勢はそのままに、それを勝てるチームに、

そして勝つ方向に方向付けていくのがコーチの重要な仕事の一つであると私は思います。
特に今年のシーガルズのように、コーチングスタッフが変わったり、過去数年勝てていないような

チームには、それが勝敗を分けるポイントの一つになるのであろうと思います。
 
選手は、楽しく、そして勝利に貪欲に!
コーチは、結果としての勝利(日本一)を!
 
そんなことを(勝手に)理想像にしてみる、春の夕べin 新習志野です。
 
ではまた。

TK