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2009年06月
2009年06月24日
帰国
今週の土曜日から日本に帰ります。
今年は「NEW ERA BOWL」(7月4日/関西学生アメリカンフットボール連盟)に
STANFORDとUCLA/SAN JOSE STATEが招待されました。
STANFORDのコーチに「おまえが来ない理由がない!」と言われまして、
「NOTRE DAME JAPAN BOWL」の前でやること満載なんですが、友人の結婚式や
他の予定がいくつも重なっているので、行くことにしました。
STANFORDからは、二人のコーチと6人のプレイヤーと私が参加することになります。
彼らと日本でフットボールに携われるなんて、本当に楽しみです。
また、今回帰国している期間中に、日本のフットボールの発展につながるようなミーティングが
いくつかあるので、こちらも本当に楽しみです。具体的になり次第、皆さんとも共有しますね。
出発前の多忙と子供向けのキャンプで、昨日は1時間睡眠でした。。。
今日はこれぐらいで。。。寝かせてください。
TK
2009年06月18日
ROBERT PRINCE
皆さん、こんにちは。
いよいよパールボウルの決勝ですね。
このようなBIG GAMEをどう戦えばいいのか!?
答えは簡単!! 「楽しむ!」ことです。
ファンの皆さんはそこに注目してみてください。
楽しそうに見えるチームが、最終的に勝つことになるでしょう。
選手の諸君は、ぜひ、ゲームを楽しんでほしいと思います。
さて、掲題の人物、ご存知でしょうか?
ROBERT PRINCE-古いシーガルズファンの方なら、ご存知かもしれませんが……
1996年~1997年、シーガルズでオフェンスコーディネターを務めていたコーチです。
アメリカに帰ってから素晴らしいキャリアを積んで、今年からSEATTLE SEAHAWKSの
レシーバーコーチに就任しました。
日本人の母を持つハーフで、7歳ぐらいまで沖縄で過ごしました。それもあってか、
本当に日本語をよく覚えていて、すぐに当時のシーガルズに溶け込みました。
彼との思い出について話すと尽きませんが、とにかく頭がよく、みんなに元気を与えてくれる、
底抜けに明るいコーチでした。
私がこちらに来てからも、いつも電話で話をしていますし、悩んでいることについても
的確にアドバイスをしてくれます。彼との縁があったので、SEAHAWKSヘッドコーチの
JIM MORA Jr.やオフェンスコーディネーターのGREG KNAPPとも仲良くさせてもらっています。
で、今回彼らがミニキャンプを行っているタイミングに訪問することを許されました。
彼らのオフェンスはSTANFORDのオフェンスと似たスタイルであることはわかっていたので、
彼らの練習を見ることは本当に楽しみでした。
先週の木曜日、再会を本当に楽しみに、SEA HAWKSの練習施設をシアトルに訪ねました。
ひと言で言うと、「ケタ外れ!」でした。(訪問した順番で)写真を中心に紹介しましょう。
▲ここ全体がオフィス兼練習施設。トレーニングルームも室内練習場も、
チケットオフィスもマーケティングも、すべてここに集約されています
▲この施設は大きな湖に面していて、チーム専用の船着場も持っています。
フリーエージェントの大型契約で加入したTJ.HOUSHMANDZADAH選手が
施設見学に来たときは、この船着場に水上飛行機で登場したそうです
▲一番面積を取っていたのはこの室内練習場。シアトルは雨が多いですからねー
▲キャンプ中なので、施設内のいたるところにある液晶TVにスケジュールが映し出されます
▲ロバート・プリンス本人と対面!
キャンプ中なので、ちょっとピリピリしてます。年とったなぁー。。。
▲いざ、練習へ! フルコートの天然芝3面。うまくとれば4面はいけそうでした。
練習ごとに(2部練でも)芝の手入れをしていました
▲午前の練習終了後、カフェテリア(食堂)でランチ。
選手・スタッフ・施設内で働いている人・ 報道陣・ゲスト等、
この施設内に入った人(入れた人)はすべてタダ。信じられません。
デザート、ドリンク、アイスクリームまで。。。
▲カフェテリアの目の前は湖。高級ホテルのレストランみたいでした
▲ランチの後、ロバートがスタッフミーティングに行っている間に、机の上の資料を
盗み撮り(笑)。すべてのシーズンのオフシーズンの補強状況やコーチングスタッフの
交代と新しいコーチの持っている戦術等、あらゆることがレポートに載っています
▲キャンプが終了して、開放感に浸っている(本来の)ロバート
▲ちょっと時間があったので、シアトルを観光。スターバックスの発祥の地です。
(魚)市場の一角にひっそりとありました
▲フェリーに乗ったので、そこからのダウンタウン。きれいでした
まとめますと……
とにかくすべてがケタ外れでした。
オフェンスについては、システム全体・プレイコール(名前)・コミュニケーションコール等、
ほとんど同じことをやっていました。が、しかし、スピードを含め、ケタ外れのクオリティ。
施設についても、言葉では説明できないようなことばかりだったので、(普段は撮らない)
写真を一生懸命に撮ってみました。何よりも、コーチやスカウト等のスタッフが
本当に素晴らしい。いい出会いもたくさんありました。
あんまりよくまとまりませんが、グラウンドで一つ気づいたことが。
選手たちは、みんなプレイすることを(間違いなく)楽しんでいました。
年俸5億以上もらってる選手から、カットされるギリギリのラインにいる選手まで、
全員が楽しそうに練習していました。
個人的に感じたのは、その楽しさの裏には、相当の「自信」がある、
そしてその奥には、その自信をもてるような「努力」があるということです。
TK
2009年06月11日
留学(VISA取得)エージェント
世の中にはいろいろな仕事があります。
その中には、本当にスペシャリティ(特別なスキルや資格、人材等)が必要な業種もあります。
そのうちの一つが掲題の業種「留学のエージェント」であると思います。
しかし最近、「もしかして、そこにスペシャリティが必要であると考えている時点で私が
騙されているのではないか……」と思うような出来事やエピソードを数多く耳にします。
こちらに来ている、ある留学生(短期間)から聞いたところによると、
彼が使った留学エージェントは、
・契約を迫ってくる(「今月中に契約すれば」云々)。とにかく毎日のように家にまで電話が
かかってくる。
・来てみたら、まったく条件が違う(一人部屋と聞いていたのに外国人と4人部屋、
シャワーが男女兼用etc.)
・契約(出発)前は「困ったことがあったら、なんでも電話してね!」。こちらに来て条件について
クレームの電話をすると、「それは、そっちの学校に聞いてくれ!」と無責任な対応。
-話を聞いてみると、出てくるわ出てくるわ。他の留学生も不満だらけ……。
共通していることは、「L社には気をつけろ!」ということ。別にその1社を責めるわけではない
ですが、本当に無責任な会社が多いようです。
実は私もそれについて苦い思い出が。
昨夏にVISA取得のため帰国した際、港区内の某社に依頼をしました。
なんだか経験も豊富そうだし、特段の理由もなく、そこに決めたのが間違いでした。
・折り返し電話が来ない。
・対応が遅い(時差の関係、郵便事情の悪さ等の言い訳ばかり)。
・専門職なのに知識なし(それにより、取得が1ヵ月以上も延びました)。
・頭にきて「担当者を変えろ!」と言った後に出てきた管理職もまた同じミス。
-その会社がどれだけイケてないかを説明しだすとひと晩かかるので割愛しますが、
最後には、温厚なこの私が「上を出せ!上を!」と“殴りこみ”に行ったぐらい、
「自分がそこに依頼したことが恥ずかしい」会社でした。
そして、その“殴りこみ”には社長が対応するということだったので、今までの対応の悪さを
時系列でまとめた上に、その会社とビジネスの問題点をまとめた資料を作成して臨みました。
そこまでしたのは、実際に出た損失(フライトの変更費用)を補填させるという目的があった
からですが……。これって普通に考えたら、面倒くさい客なんだろうなぁー……と思いながらも、
厳しい態度で臨みました。以下は、その際まとめた資料の抜粋です。
・会社全体としての対応の悪さ(折り返し、メール返信)。
・マーケットと顧客に甘やかされたビジネス(他業種と比べると消費者の優位性が著しく低い)。
・他国の大使館や他国の学校等のBLACK BOXが介在するビジネスゆえ、(言い訳できる)
逃げ道が多い。
・経験値が少ない消費者がほとんどのため、エージェント優位を保ちながらビジネスを展開できる。
・VISA取得後、すぐに出発する利用者が多いため、問題が表面化しないのでは……?
・ONLY ONE ⇔ ONE OF THEM
・手続きや取得の困難さをプロモーション し、 顧客の(エージェントに対する)依存度を高める。
「どんな小さな書類のミスでも、突き返される可能性があります」と言っておいて、
自分たちは書類のミスばかり。
-ひと言で言うと、「VISAを取るのは難しいよー……」とハードルを上げておいて、自分たちは
いいかげんなことばかり。社長はとにかく謝り倒しで返金に応じましたが、こちらはキャンプの
準備の仕事に遅れて、精神的なダメージまで……。
なんだか怒りがこみ上げてきてうまくまとまりませんが、こっちへ来てみると、意外に自分で
すべての手続きをしてVISAを取得してきている人も数多くいます。しかも私と同じ種類のVISAを。
そういう人たちに言わせると、手間と時間はかかるけど、自分一人でも十分対応できるぐらいの
情報は、大使館のHPをはじめとするインターネットや書籍でも得られるそうです。
私は(滞在期間中の保険も含めてですが)50万円以上もそのポンコツ・エージェントに払って
しまいました。でも、学生やそういったことに時間の割けない忙しい人たちは、エージェントを
使うしかない方法がないですからね。
そこで、お伝えしたいのは、
・慌てずにゆっくりと、自分に合ったエージェントを選ぶ。
・「この人は本当に自分のためにやってくれそうか?」を判断する。
※自分や会社の売上のためにやっていないかを疑え!
※「決めるなら今だよ」「今ここで決断しないでどうするんだよ」「今決めないと後悔するよ」
的な発言には注意しましょう。
・なれなれしい言葉遣いには注意!
※営業してくる人のほとんどは留学経験者で、先輩風を吹かせて、(特に学生諸君には)
けっこうな割合でタメ口です。個人的な意見ですが、隣のブースで聞いていて本当に
不愉快でした。「そうだね!言ってることはわかるけど、親がお金出してくれるうちに
行ってきちゃった方がいいよ! 私がそうだったし」……。
・成功事例を頼る。友達や先輩等の事例を聞き、信頼できる営業マンを探す。
長くなりましたが、必要以上に臆病になる必要はないですが、
エージェント選びは慎重にしましょう。
ではまた。
TK
▼本文とはまったく関係ないですが、同僚のCASEYです。 STANFORD卒で、ドラフトされて
3年間NFLでプレイした後、 今はSTANFORDの大学院(入学するのが本当に難しいです)に
行きながらコーチの勉強をしています。 (負けましたが)SUPERBOWLにも出ています。
ポップコーン、でかいでしょ?
2009年06月03日
NOTRE DAME JAPAN BOWL
突然ですが、私も「ノートルダム・ジャパン・ボウル」[7/25(土)東京ドーム]に参戦します。
しかし、(残念ながら)NOTRE DAME 側のコーチ・アシスタントとしてです。
このゲームの話を聞いた際に、「ALL JAPANのために何かできないか?」と、まず思いました。
しかし、オフ期間とはいえ、STANFORDでの仕事やイベントが多数あること、
(VISAの関係上&金銭的にも)そう何度も日本との行き来ができないこと等の理由により
日本側への直接的な関与は現実的ではありませんでした。
次に、私はこんなことを考えるようになりました。
「NOTRE DAME側で何かできないか?」
私が彼らのアシストをすることで、日本のFOOTBALLのレベルの高さを認知してもらったり、
彼らのような一流のコーチたちの戦略を日本のFOOTBALL界に還元したりすることで、
(間接的ではありますが)日本のFOOTBALL界発展の役に立てるのではないか?と。
数ヵ月後、日本側のイベントオーガナイザーのY氏がプレス発表のためにNOTRE DAMEを
訪れるという連絡が入りました。しかもその週末は、我々STANFORDとの対戦です。
何の因果か……と思い、私が考えていることをY氏に相談しました。
Y氏は私のよき理解者であり、私がここ(STANFORDでのアシスタント)に至るまでに
幾度となくお世話になった人物でもあります。彼は私の考えに賛同し、NOTRE DAME側の
オーガナイザーであるP氏を試合前のフィールドで紹介してくれました。
その時は(試合前だったため)なんの具体的な話もできずに、名刺だけをもらって帰りました。
2008年シーズン終了後、P氏と連絡を取り合い、そのアシスタントの仕事に就くためには
どうしたらよいのかを話し合いました。私は彼との相談の通りにRESUME(レジュメ
=こちらでは履歴書をそう呼ぶ場合があります)を作成し、コーチミーティングが行われる
直前に送付しました。数日後、P氏から連絡があり、
「たぶん、大丈夫だ!」と。そして数日後、なんと自宅にCOACH HOLTZからの手紙が……
要約すると、「WELCOME TO OUR TEAM!!」とのこと。本当に心からうれしかったのを
覚えています。
4月中旬のスタッフミーティングに参加し、正式にコーチンングスタッフの一員となりました。
それはもうそうそうたるメンバーで、STANFORDのコーチたちも「BIG NAMEばっかりだなぁー」と
驚くぐらいのメンバーの中にポツンと、片言の英語のアジア人が……って、感じであったと思います。
で、私が何をするのか??と状況を見ながら判断すると、どうやら、オフェンスも
ディフェンスもすべてのアシスタント業務が私のところにまわってくることになりそうです。
というか、すでにさばききれないほどまわってきています。
皆さんもお気づきかもしれませんが、[レジェンドコーチ=年齢が高い=コンピュータ操作が苦手]
という方程式が成り立ちます。
そうなんです、すべてのコンピュータを使用する業務が私の元に……なのです。
たとえば、ディフェンスのプレイブックの作成。全部で200ページ近くになります。
ある日、ディフェンスコーディネターのCOACH DARNELLから荷物が届き、
中を見てみると2007年のTEXAS A&Mのプレイブック。
「もしかして……」と思っていると、
「TK、それ作れるか?」 と電話が。
もちろん、「YES, COACH!!」と即答!
「どれぐらい時間をいただけるのでしょうか?」
「どれぐらいでできる?」
(紙だけ渡されても、素材もないし、テキストも打ち込まなきゃならないし、しかも200ページ……)
と内心思いながらも、口から思わず出てしまったのは、
「10日間いただけますか?」
「頼む!」
「YES, COACH!」
それから1週間強、私の眠れぬ日々が始まりました。
・英語で ・馴染みの薄いディフェンス ・(自分の)クオリティに対するこだわり
・PLAY MAKER(ソフト)の使い勝手の悪さ……こんなこととパワーポイントとの格闘の日々。
しかし、
1)普通に作ったのでは普通のアメリカ人と同じである
→ ちょっとしたデザインやディテイルにもこだわる!
2)約束の10日間で仕上げてもインパクトが少ない
→1~2日、短縮する!!
そんなゴールへ向けてがんばった結果がこれ↓です。
作成中は、
「こんなもん、絶対全部使うわけない!」
「どうみても同じ作り方(PLAY MAKERとパワーポイント)してるのになぁー……」
等の愚痴も一人でこぼしましたが、以前にお話した「勝つために働く」という言葉が
私の支えとなりました。結果、8日間で自分の(ある程度)納得のいくクオリティの
プレイブックができあがりました。
長くなりましたが、私はいつでも勝つために働いています。
NOTRE DAMEの一員として、ALL JAPANに勝つことで、日本のFOOTBALL界への
恩返しおよび貢献ができればと強く思っている今日この頃でございます。
TK