信じること
2009年06月18日
「いつでもお待ちしておりますよ」
小笠原の漁師からメールが届きました。
6月下旬か7月くらいに小笠原・父島に遊びに行こうと思っていたのですが、
事情があって行けなくなってしまったので、いつもお世話になっている漁師の友人に
手紙とサーフパンツを贈ったのです。
2003年パールボウル決勝の時、ぼくは父島にいました。
当時は将来小笠原で漁師をしながらイルカやクジラなどのガイドをしたいと考えていたので、
2ヶ月半の間、小笠原の漁船で研修を受けていたのです。
相手は前年東京スーパーボウル(現・ジャパンエックスボウル)で対戦した富士通フロンティアーズでした。
試合中は島の私設ジムでトレーニングをしていましたが、公衆電話で妻に何度も試合の状況を聞いたのを
覚えています。
試合はラスト3秒で逆転負け。
「チームメイトが戦っている間、自分はこんなところで何をしてるんや」
試合後、港で寝そべりながらいつまでも雲を見ていました。
今となっては懐かしい思い出です。
それから2年が経ち、2005年もパールボウル決勝に進出。
その試合はアサヒビールと対戦し、快勝しました。
ぼくはLBとDLで出場しました。
#11KJはまだ選手登録ができていなかったのですが、初めてオービックシーガルズの
ユニフォームを着て試合前練習に参加。
試合に出られないのに、「ユニフォームを着られてすごくうれしい」と言っていたのを覚えています。
ちなみにこの試合でこれまで無名に近かったQB#15龍村が大活躍。
翌日の新聞には「シンデレラボーイ」と書かれていました。
その試合の翌日に、DB#8渡辺雄一、DB元#7金子(1999~2008)と一緒に小笠原旅行
に行ったのです。魚を釣ったり、イルカやサメやマンボウやマグロなどと泳いだり、楽しかったなあ。
まあそういうわけで、ぼくにとって小笠原とパールボウル決勝って何か縁があるようです。
さてパーフェクトシーズンを達成した2005シーズンのオービックシーガルズは強かった印象が
あるという話を何度か聞きましたが、実は春は散々だったんです。
特に最初の2試合はなんとか勝ったという内容で、バラバラでドタドタといった内容でした。
しかし、少しずつ自信をつけていき、準決勝は鹿島に14-7で逆転勝ちしました。
鹿島戦前に当時主将だった庄子さんがチャールズ・ダーウィンのこんな言葉を紹介してくれました。
「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できるものである」
まさにこの言葉を実践したような春のシーズンでした。
その頃に比べると、今年のオービックシーガルズは強いと思います。
戦力的、戦略的なことではなく、なんかすごく一体感を感じるのです。
今、チーム内でも選手同士がメールで発信しあい盛り上がっています。
試合で実践することを発信しているのですが、各々の想いも伝わってきて、いい感じです。
前回の富士通戦でもオフェンスはディフェンスを、ディフェンスはオフェンスを信じて戦った結果、
逆転勝利することができました。
2005年のジャパンエックスボウルは前半は松下電工に0-16で負けてたいましたが、
後半逆転勝ちしました。
選手、コーチ、スタッフ、ファン、チームみんなが互いに信じ合って、戦いきった結果でした。
試合前、当時ディフェンスコーディネーターだった松場コーチがこう言ったのです。
「信じよう。信じるというのは0か100しかない。80パーセント信じる、ということはない」
ぼくたちは信じることができた。だから勝てたのだと思っています。
今年の鹿島も強いです。
どれくらい強いのかは対戦してみないとわかりません。
どんな試合になるのかもわかりません。
ただ、簡単に勝てる相手ではないということだけは確かです。
しかし、ぼくたちには鹿島に勝るものがあると思っています。
それを是非見に来てください。
プレーを見て感じてください。
最高の試合になるでしょう。
6月19日(金)、東京ドームでお待ちしております!!