2008年10月31日
+++鹿島ディアーズとの10年間の軌跡+++
次節はディビジョン優勝を賭けた鹿島ディアーズ戦。
この10年間の対戦を当時の中心選手のコメントとともに振り返ります。
第六回は2004年。 [写真は2004年鹿島戦 #47DB寺田隆将選手/手前と
#76DL(当時)池之上貴裕選手/奥]
◆2004◆ オービックシーガルズ○ 10 - 3 ●鹿島ディアーズ
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リーグ最終戦でオンワードスカイラークスに逆転負けを喫してディビジョン2位。Final6
準々決勝の相手が鹿島ディアーズ。苦手意識もあったが、守備陣の活躍で10-3と辛勝
した。準決勝の長居球技場で待ち構えていたのは、強力守備を誇る松下電工インパルス。
ここでも守備陣が大奮闘するが、オフェンスが押さえ込まれ、7-10とJAPAN X BOWL
(JXB)まであと一歩でシーズンが終了した。
⇒試合解説(Xリーグ公式サイト) チーム年表 2004年全スコア
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コミットメント | #52DL 庄子達郎 |
鹿島といえば、1996年の新人時代から4年連続で勝てず、鹿島に勝つことばかり考えて
いたな~ということ自体が思い出ですが、今回はナイスな思い出となった試合をお話したいと
思います。
2004年、僕が主将になった年のFinal6初戦のことです。僕たちはリーグ最終戦でオンワード
スカイラークスにファンブルロスト3回、インターセプト4回というありえないくらい大量のターン
オーバーを奪われ完敗しました。それまで良い流れを積み重ねてきた感触があっただけに、
簡単にボールを奪われてしまったオフェンスにチーム全体が苛立ちを持った状態となり、
次のチームミーティングは必然的に全員でそのことを話し合うことになりました。
最初はミスを指摘する発言も出ましたが、最終的にはディフェンスメンバー一人ひとりの意識が
自分自身に向きました。自分は勝つために何ができるのか?という問いから、「自分がボールを
奪う!」というコミットメントへとカタチを変えました。自分がすべてを出さないと鹿島には勝てない
という気持ちがそうさせたのかもしれません。
気持ちをひとつにした僕らディフェンス陣は、全員で執拗なボールアタックを繰り返し、3度の
ファンブルフォースを含め、鹿島オフェンスにプレッシャーを与え続けることができたと思います。
結果は10-3。接戦を制することができました。
元々ボールが大事なことは全員知ってはいました。しかし、知っていることと本気で行動する
ことは違ったんだと思います。鹿島という強敵を目の前にして、本当の意味で「本気」の
スイッチが入り、全員が死にもの狂いで行動し続けた試合だったと思っています。鹿島に勝った
うれしさはもちろんありましたが、今までの自分たちに勝った!といううれしさが強かったのを
思い出します。全員でひとつのことをやり遂げたという自信に繋がる、勝利以上に大事なものを
得ることができた試合でした。
今年もメイクドラマでいきます! ゲット・ザ・ボール!
1996年~/スタートの鋭さは絶品。35歳の今季も好調をキープしている。2005年パーフェクトシーズンの主将。 |
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やり続けること | #47DB 寺田隆将 |
基本的にストイック(?)な僕たちにとっては、勝った試合よりも負けた試合、特に自分が勝負に
負けた試合を強烈に覚えていることのほうが多いのですが……(逆にこの雑草魂こそが、
ここまで成長してきた糧!)、あえて、勝利した試合で印象的な試合というと-
2004年のFINAL6鹿島戦。みんながボールにものすごく執着した試合。僕自身も1ファンブル
フォース(反則のため非公式)&1インターセプト&1QBサック(人生初!)でディフェンスMVPを
いただいた試合でした。
なんとなく鹿島には負けたくないという、特別な思いもあるものの、それ以上にこの試合は、
前の試合(リーグ最終戦・オンスカイ戦)、オフェンスが7ターンオーバーを浴びるという屈辱的な
敗戦が僕たちに火をつけていました。「こんな状態ではいくらなんでも勝てない!」と。
敗戦の後、チームでミーティングをもち、この状況をどうしたらいいのか、喧々諤々話し合い
ました。オフェンスのボールセキュリティー(確保)も確かに問題ではあるものの、逆に
ディフェンスもボールを奪えていない。ディフェンスでは話し合いの結果、「オンスカイが
7ターンオーバーできて俺らにできないことはない!」ということになり、みんなでボールアタック
に対して研究しました。そんな折、NFLのゲームがちょうどTVで放映されていて、強烈な
ファンブルシーンをいくつか発見したので、ビデオにとってみんなで共有しました。
そしてその後の練習。確か平日の夜に日大のグラウンドを借りて練習したときだったと思います。
ハーフスタイルでの練習でしたが、ボールアタックを軽くやってみようと先日ビデオでイメージ
したことをやってみると……、出るわ出るわボールが大量放出! みんな面白がってやって
ましたね。
それから、「ボールアタック」がみんなの合言葉になって、そのまま鹿島戦に突入。前半戦から
タックル行くときにはみんながボールアタックしてました。結果、鹿島のRBの手からボールが
何度もこぼれるシーンがあったと思います。そういった毎プレーのプレシャーがオフェンスに
脅威を与えたんだと思います。彼らの萎縮したプレーは、確実に彼らのペースを乱してましたね。
一度乗ってしまったシーガルズはやっぱ強い。もう止まらない。ファンブルフォース、ターン
オーバー、QBサック……。
ただ、本当に僕たちがやるべきことは勢いに乗ることじゃない。試合に勢いがあろうがなかろうが、
常に自分たちのベストプレーをやり続けること。それができてこそ、本当の意味で真の王者に
なれるんだと思う。一人ひとりの本気の1プレー1プレーが「勢い」をつくるんですよね。
だから次の試合も、リーグ優勝決定戦、宿敵・鹿島戦など、いろんな思い入れはありますが、
毎プレーマイベストを出し続けて戦い続けます! 皆さん、横浜スタジアムでお待ちしてます!!
We make a wonderful game! Don't miss it!!
1998年~/クレバーかつアグレッシブなFS(フリーセーフティ)。34歳の今期も好調。現在2インターセプト。 |
⇒11/2(日)ディビジョン優勝決定戦vs鹿島の見どころ・ご案内