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2011年08月
2011年08月17日
コネクション
コネクション-「コネ」と言ったりしますが、辞書でひくと、「物事をうまく運ぶのに役に立つ親しい関係。縁故」と書いてあります。
こんなフレーズを聞いたことはないでしょうか。
「アメリカはコネ社会である」
特にフットボールの世界では顕著にみられることが多いです。具体的には、ヘッドコーチがクビになった際(もしくはどこかに引き抜かれた場合)は、ほとんどの場合、その他のアシスタントの契約もいったん白紙となります。なぜなら、新しいヘッドコーチがそのファミリー(一緒に働いていたメンバーの意)を連れてくるケースが多いからです。
ここで言えるのは、
・雇う側は、いったんすべての席を空けて、新ヘッドコーチの就任を待つのが通例である
・新しい組織の人事権は、新しいヘッドコーチが握る
ということです。
今まで何度かお伝えしてきましたが、「ヘッドコーチが白と言えば、黒いものも白」の世界。そして、他人の目を(日本人と比較して)気にしないアメリカ社会。カレッジフットボールでもNFLでも、上記のようなことが、第三者が見たら、「本当にそれで大丈夫なのか」という人事を引き起こすことがあります。
昨日までスーパーマーケットでアルバイトをしていたヘッドコーチの奥さんの弟がスタッフ入りしたり、50歳で無職のフットボールオタクがビデオスタッフになったり、ヘッドコーチが昔お世話になった人の息子(コーチ未経験)がアシスタントになったり……。
さて、タイムリーかつ具体的な事例を。
今年度のNFLドラフトでSTANFORD大学から4人の選手が指名されたことは以前申し上げました。その時に指名されなかった選手でNFLにチャレンジしたい選手は、「ルーキー・フリーエージェント」(ドラフト外入団)としてキャンプから参加することになります。今年はそのような選手が10人前後いましたが、その中から7人がNFLチームとの契約に至りました。
驚くのは、そのうちの4人がSTANFORD大学の前ヘッドコーチJIM HARBAUGH氏がヘッドコーチとなった49ERSと契約をしたことです。まさに「コネ社会」といったところでしょうか。
しかし、例年とは違い、LOCK OUTがあった今年は、コネだけが理由ではないことが推測されます。49ERSの場合、ヘッドコーチと両コーディネータがSTANFORDから行きました。つまり、7月の後半からたった1ヵ月で新システムを浸透させなければなりません。その解決策の一つに、そのシステムを知り尽くした選手と契約するという方法があります。トレードやフリーエージェントの場合でも、コーチがよく知っている、逆に言えば選手がそのコーチのシステムを理解しているという関係の契約が成り立つことが少なくありません。49ERSの場合も、フィールドでコーチとなり得るような、システムを理解している選手と契約したことになります。
私も将来のためのコネづくりを意識して……と言いたいところですが、日々の勝負でいっぱいいっぱいの私には、そんなことを考える余裕などまったくありません。一生懸命働いたことが、結果としてそれにつながるといいなと思っています。
ではまた。
TK
2011年08月03日
NFL!!
誰もが待ち望んでいた、「ロックアウトの解除」。うれしい限りです。
昨年まで、一緒に働いていた49ersのディフェンス・アシスタントコーチと話をする機会がありました。
「準備はしていたが、怒涛の攻防が続いている。嵐のようだ」とひと言。要約すると、(ロックアウトが終わって)いつシーズンが始まってもいいように、あらゆる準備はしてきたが、それでも追いつかないぐらい忙しい、ということです。ロックアウト中は、コーチと選手の接触が一切できなかったため、どの段階でプレイブックを配ることができるかに合わせて、数種類のプレイブックの準備をしたりドラフト外入団選手の選定や受け入れ準備等、ロックアウトの解除が近くなってくるにつれ、オフィスに泊まることが多くなってきたとのことです。
ロックアウト解除によって、シーズン開催が決定してから数日間の間に、ルーキーフリーエージェント(ドラフト外選手)の選定及び契約交渉、トレードやフリーエージェント選手との交渉、キャンプインの準備等々。例年は3ヵ月でやればよかったことを、極端に言えば4日間ぐらいで終わらせなければなりません。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、49ersのようにコーチングスタッフが総入れ替えになったようなチームは当然不利になります。キャンプイン直前のこの時期からやっとインストールが始まるのですから……。また、ルーキーや移籍選手等の新戦力がスターターに名を連ねるようなチームも少々不利な感じがしますね。
とにかく、フットボールファンの誰もが待ち望んでいたゲームが約1ヵ月後に見ることができます。楽しみですね。
ではまた。
TK
☆ロックアウト(締め出し)
ストライキのように労働者が仕事を放棄するのとは逆に、雇用主、企業などが施設を閉鎖し、就労拒否という措置をとること。