« 2010年03月 | メイン | 2010年05月 »
2010年04月
2010年04月23日
小島智子(NFLタンパベイ・バッカニアーズ)
彼女と初めて会ったのは、今年1月にフロリダ州オーランドで行われた
コーチのコンベンションでした(個人的には昔からの友達のように
感じているし接していますが……)。
昨年から友人を介して電話で会話はしていましたが、(異常気象で
寒かったものの)フロリダには馴染まない柔らかくも暖かい日差しの
中から彼女は颯爽と現れました。
その道に精通した人や、人間としての大きさを感じた時などに人は
オーラを感じるといいいますが、私は彼女にそれを感じました。
ただ、マイケル・ジョーダン(この数日後、マイアミで遭遇)、
コーチ・ホルツに感じたオーラとは違うそれであったのを、
昨日のことのように覚えています。
私は自分の気持ちを言葉にするのが得意ではありませんが、
あえて表現するなら……なんか変な表現ですが、
NFLチアリーダーであるオーラと、(いい意味で)何も飾らない
関西のおばちゃんのオーラが混ざったようなオーラを感じました。
今までアメリカ人を含む数多くのチアリーダーに会ってきましたが、
彼女ほどこの言葉が似合うチアリーダーはいませんでした。
THE REAL
彼女は本当に本物です。本物中の本物です。
電話だけでなく会って話してみて、それに気付かされました。
さて、感動の(私だけです)対面後、急いでコーチ・ホルツの講演を聴きに行きました。
4,000人ぐらいの聴衆がいたでしょうか。後ろの方は立ち見でごった返していました。
ふと彼女を探してみると……見当たりません。
あまりにも混雑しているし、このあとコーチ・ホルツと会食もするので、
私は外へ出ていましたが、ドアを開けて中を覗いてみると……いました!
どうやって辿りついたのか、立ち見の人をかきわけて、いい場所で聞き入っていました。
物怖じしないというのかなんというのか……。
その後、友人二人と彼女を連れて、コーチ・ホルツに招待されたディナー会場へと
向かいました。なんとそこは、コーチ・ホルツの教え子で、活躍中のコーチたちの
同窓会のような場でした。メジャーカレッジのヘッドコーチや、5回もプロボウルに
選ばれた元NFL選手をはじめとする凄いメンバーの中に、小さな島国出身の
おっさん3人と美女一人……そんなアウェイな雰囲気の中、コーチ・ホルツが
まず私をみんなに紹介、その後コーチ・ホルツに彼女を紹介しました。
その瞬間、今まで何もなかったところに、急に何かが生まれたような雰囲気になり、、
アルプスの万年雪が溶けたかのように会話が弾みだしました。
その一部始終を見ていて、
この国におけるNFLチアリーダーの存在、
周囲からの尊敬の念、
女性ではなく一人の人間としての敬意
等を思い知らされました。
思い知らされたと表現したのは、アメリカで夢を追っている者としてのジェラシーからです。
コーチ・ホルツも相当彼女を気に入ったらしく、一生懸命話しかけていました。
彼女のおかげで、ノートルダムOB会(しかも選ばれた人のみ)には場違いな私たちが
大歓迎を受けることとなりました。
つい先程、その彼女から電話がありました。
彼女が8シーズン目となるオーディションに受かったのは周知の事実でありますが、
なんと、今シーズンのキャプテンに選ばれたそうです。
日々英語と格闘中の私にとって、本当に信じられないほど素晴らしいことです。
まだ半分ぐらい信じられていません。ので、彼女のブログを読み返して確認しています。
AGAIN, SHE IS THE REAL.
世の中、(特にそれが確認できないことが多い海外での経験等)少し関わったぐらいで
プロやその権威を語るUNREALが多い中、 彼女は本物の中の本物、THE REALです。
彼女と私の共通の話題を一つ。
アメリカの生活の話ですが、私たちはけっこう苦労を重ねております。
彼女がなんにも飾らない女性なのであえて書きますが、NFLのチアは華やかに見える反面、
そんなにお金をもらえるわけではありません。チームによっては出るところもあるようですが、
(住む場所にもよりますが)十分に生活をしていけるようなお金ではないと思います。
私もボランティアに毛が生えたようなものですから、二人が貧乏話を共有するときは
話が尽きません。あまり夢を壊したくないので、詳細については割愛しますが、
同じような境遇でありながら、そしてアメリカ人ばかりのチームでありながら、
キャプテンに選ばれるような彼女の活躍には頭が下がります。
そして、いい刺激になります。
ともちゃん、キャプテンになると重圧もあるでしょうが、
そのままの飾らないREALなともちゃんで、がんばってください。
2010年04月12日
PRO DAY
3月下旬にSTANFORD大学で「PRO DAY」が開催されました。
昨年のブログにも書きましたが、NFLドラフトのステップの一つです。
2月下旬に行われたコンバインには(NFLから)招待を受けた選手しか参加できません。
それ以外の選手でNFL選手になりたい選手は、各球団のスカウトやフロントが訪れるこの日に
アピールするしかありません。
怪我等でコンバインに招待されながらもパフォーマンスができなかった選手、招待を受けて
パフォーマンスをしたものの、もう一度アピールしたい選手も参加が可能です。
昨年の躍進を受けて、今年はすべての球団から複数名の参加があったため、
選手のエージェントや報道関係者も含め150名近い大所帯での開催になりました。
トレーニングルームでのベンチプレス(NFLのトライアウトでは約100kgを何回上げられるかを
指標とします)から始まり、午後はフィールドで40yd走やシャトル等、コンバインと同じ種目を、
その後は各ポジションに分かれてパスキャッチやアジリティー等の基本となる動きをテストしました。
▲40yd走をする選手(遠いので見にくいですが)
各スカウトが注目するTOBY GERHART選手は、ポジション別のドリルのみの参加でしたが、
各スカウトが鋭い眼差しでチェックしていました。知り合いのスカウトと話しましたが、
TOBYとTEのDRAY選手は評価が高いそうです。
▲ポジション別ドリルをするTOBY選手
彼曰く「同じような選手がいるなら、間違いなくSTANFORDの選手を指名するよ」とのこと。
理由は、
1)NFL(今回の会話で言うとそのスカウトのチーム)の多くのチームが採用している
オフェンスシステムをSTANFORDが使っている
2)賢い
3)入団後、問題を起こす可能性が低い
とのことでした。まぁ、同じような選手がいることは少ないでしょうし、
そこを差別化するのがプロのスカウトの目なんでしょうけど。
▲タイムを取るスカウト陣。真剣です
4月の22日からのドラフト会議が楽しみです。
TK