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アメリカ遠征レポート Vol.3-対する米セミプロ選抜チームとは

2014年08月07日

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遠征出発前の最後の冨樫AMGレポートは、米セミプロリーグの実状について。有名大学チームやNFLを目指してしのぎを削る選手たちとの対戦が、いよいよ来週に迫りました。

【参考】



セカンドチャンスをつかめ

今回、オービックシーガルズが対戦するのは、APDFL(Amateur to Professional Developmental Football League)の選抜チーム「APDFL Blazers」(facebook)です。APDFLは、アメリカ南東部のアラバマ州、ジョージア州、フロリダ州、サウスカロライナ州を中心に活動するチームからなる教育リーグ(セミプロ)。各チーム、18歳から30歳のフットボーラーを中心に構成されています。

教育リーグには、大学に奨学金(スカラシップ)で入学できなかった選手や、成績が基準に満たないためにフットボールプログラムが充実した大学に進めなかった選手、大学卒業後にNFLやアリーナ・フットボールなどのプロに行けなかった選手が所属し、大学やプロへのセカンドチャンスを得るために、スキルやパフォーマンスを磨く場となっています。

2013年シーズンのAPDFLには35チームほどが登録していましたが、実際にしっかり活動して定期的に試合に参加できていたのは18チームほどのようです。National ConferenceとAmerican Confeenceの2つのカンファレンスに分かれ、前者はNorth、West、South、East、後者はSouthとCentralに分かれています。各ディビジョンでのリーグ戦→上位8チームによるプレーオフトーナメント→チャンピオンシップゲームと進むようですが、どういうディビジョン編成で、どのようにゲームマッチングをして、どういう仕組みでチャンピオンを決めるのか、詳細は定かではありません。

APDFLの活動理念は、「選手への機会の提供」です。選手のポテンシャルや可能性を信じ、彼らに必要なことはチャンスを与えることだと信じています。チャンスとは、より多くの関係者の目に留まることだと信じています。ですから、プロの道を目指す選手たちを支援するために、リーグ内での戦いだけでなく、他の団体との交流試合やプレシーズンマッチ、オープントライアウトなどを積極的に企画して、より多くのプロや大学のスカウトの目に留まるように機会を設けています。また、そのような選手が多く集まるように、カレッジフットボールやNFLがオフシーズンとなる春季をメインに活動し、APDFL出身の選手が秋のフットボールシーズンにうまくトランスファーできるようにしています。


マイナーリーグも一大マーケット

アメリカには、このような教育リーグや独立リーグが実は数えきれないほどあり、今回、遠征の交渉をする際にリストアップしただけでも、A11、CRAFL、XFL、NSFLなどがあります。ときには、リーグを新たに立ち上げようと支援を募り、多くの選手にトライアウトを受けさせておいて、突然その資金を持って逃げる詐欺集団が出るほど、このマーケットにはニーズがあります。

そして、このようなリーグや協会に共通しているのは、枠組みやレギュレーション、ルールなど関係なく、「まずはやってみよう」というところからスタートしていることです。「お金やルールは、あとからどうにかなる」という感じで運営されています。その背景には、フットボールの絶大な人気とスポーツチームへの寄付が文化として根付いていることがあるでしょう。志があるリーグには、寄付やスポンサーが比較的簡単に集まるようです。APDFLも、宿泊費や選手の移動費、荷物の運送費などを、スポンサードでまかなっているそうです。

そんなセミプロリーグや独立リーグは、非常に低コストで運営されているのも特長のひとつです。たとえば、チーム広報は、既存のメディア(テレビ、新聞、雑誌、ホームページなど)にお金をかけません。チームや選手の情報は、SNS(facebookやTwitter)を通じて配信されます(APDFLもfacebookで情報発信しています)。特定の地域や年代に限定されたファンや支援者に情報を届けるには、それで十分と聞きました。

また、日本では苦労する練習場の確保については、アメリカではどこにでもフットボールフィールドがあるので、日本人が考えるよりもはるかに低コストで借りたり、確保したりできるようです。ヘルメットやユニフォームなどのエクイップメント、テーピングなどの消耗品は日本の半値以下で購入できるので、フットボールチームの運営は、Xリーグのそれとはくらべものにならないほど低コストで済んでいるようです。
 


今回の遠征試合は、こうした教育リーグで上を目指し、「我こそは!」と自分をアピールしたくてうずうずしている選手のオールスター軍団が相手です。参考のフィルムを見ましたが、チームの組織化はまだまだ不十分ながら、個のフィジカル、ポテンシャルはかなり高い選手がたくさんいます。なんといっても、「日本人には負けられない」という、アメリカ人のプライドがあるはず。我々がこれまで感じたことのないヒットやスピード、そして彼らのフットボールにかける意地を生で体験することが、楽しみでなりません。いよいよ来週月曜日(8/11)、出発します。

【遠征スケジュール】
8/11(月)日本時間午後 出国
12(火) ミーティング、練習、ウエルカムパーティー
13(水) ミーティング、練習、 アラバマ大学訪問(施設、練習見学)、関係者BBQ
14(木) 19:00~試合[日本時間8/15(金)9:00~]、試合後セレモニー
15(金) 未明 現地出発
16(土) 日本時間午後 帰国

※映像配信(TV、USTREAM)については最終調整中です。
 
 
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▲APDFL Blazerの練習のひとコマ
 
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▲現地でご協力くださる皆さんと(4月@タスカルーサ市)。    【左】左から、ADPFL プレジデントのAnastasia Dietzesaさん、Sister Cities InternationalのLisa Keyesさん、冨樫AGM、Tuscaloosa Sports and Tourism CommissionのTina L Jonesさん、KJ選手、Tuscaloosa Sports and Tourism CommissionのJay McPhillipsさん    【右】(食事会にて)左から、KJ選手、冨樫AGM、Lisaさん、Jayさん、Anastasiaさん、APDFL コミッショナーの Bernard Huntさん
 

SISTER CITIES INTERNATIONAL BOWL (SCIB)
 シスター・シティーズ・インターナショナル・ボウル 特設サイト
開催要項

日時  2014/8/14(木) 19:00~ [現地時間] ※日本時間8/15(金)9:00~
対戦  オービックシーガルズ vs. APDFL Blazers
         ※APDFL=Amateur to Professional Developmental Football League facebook
会場  Central High School Football Stadium
後援  Tuscaloosa Tourism & Sports Commission(タスカルーサ市観光・スポーツ局)
協力  習志野市
運営事務局  Tuscaloosa Tourism & Sports Commission
                 Central High School Football Club & PTA
入場料  前売$5、当日$10、8歳未満無料
TV放送  ※最終調整中
競技規則  NCAAルール適用、12分/Q