2010年09月10日
MOTTO! MOTTO! OBIC SEAGULLS!vol.5 縁の下の力持ち OL#75 宮本 士(つかさ) 選手 |
待ちに待った2010年Xリーグが開幕。我らがオービックシーガルズはハリケーンズを38-0で下しました。昨年に続いて地元開催となったこの開幕戦に向けて、私たちは様々な取り組みを行ってきました。順天堂大学の方々をはじめ、大勢の方に協力していただき、感謝してもしきれないほどです。みんなの熱い思いが結集した特別な試合を完封勝利で飾れたことは、大きな一歩になると筆者は思っています。
さて今回は、5TDをあげて会場をわかせたオフェンスの屋台骨、OLツイスターズから、みや~んこと#75宮本選手に話を聞きました。
「思ったようなプレーができず、前半はフラストレーションが溜まる展開でした。もっといいオフェンスができたはず」
と、宮本選手は複雑な面持ち。
「パールボウル(13-15で富士通フロンティアーズに敗れる)では満足いかなかったランプレーを出すために、この夏は練習を重ねてきましたから。プレーの精度を上げるということで、LBへのアプローチ、DLへの押し込み、ライン間でのコミュニケーションを徹底するなど、常に強い相手を想定して取り組みました」
それだけに、効果的なゲインが単発にとどまり、なかなかリズムに乗れずに10点にとどまった前半の出来は、相当悔しかったようです。しかし、とくに後半、オービックシーガルズはランニングゲームで試合を終始支配。課題は残るものの、完封勝利という幸先のいいスタートを切りました。
「プレーに感謝の気持ちを込めよう」
宮本選手はそう心に期してこの試合に臨んだといいます。自身も海浜幕張駅でのチラシ配りに参加し、その大変さ、難しさを身をもって体験。
「チラシはなかなか減らないし、すごく暑かった。順天堂大学の人たちは本当によくやってくれました。ありがたい」
彼らとの出会いから、応援してくれる人たちにプレーで恩返ししたいという思いを強くした宮本選手。この秋も気迫あふれるプレーを見せてくれることでしょう。
「シミケンはここですよ!」
インタビュー前、選手全員でお見送りをする中に、#83清水選手のファンを笑顔で誘導する宮本選手の姿がありました。自分が動いて、周りを活かして盛り立てる。OLらしい、本当にやさしい方なのだと思いました。オービックシーガルズではめずらしい同好会アメフト部(中央大学)の出身。誰よりもウエイトトレーニングに励み、ビデオを見て研究し続けるなど、人一倍の努力を重ねて日本代表に名を連ねるまでの選手になったと聞いています。宮本選手の持つ独特なやさしい雰囲気は、自分への厳しさや、諦めずに努力できる真面目さからきているのかもしれません。
「この試合を通じて、新しくアメリカンフットボールに興味を持ってくれる人がいればいいですね」
と、控えめながらも、うれしそうに語ってくれました。11年目、33歳。ベテランと言われても、これからまだまだオービックシーガルズ、そして、日本のアメリカンフットボールを支えていってほしいです。
(ハリケーンズ戦後、千葉マリンスタジアムにて聞く
事務局インターン生/早稲田大学 藤川了輔)
*次戦・9/20(月・祝)明治安田パイレーツ戦は、筆者の都合により本コラムは休載させていただきます。