2008年07月09日
去る6月24~29日、オービックシーガルズのコーチ3名が韓国でクリニックを行ってきました。
今回はソウルでは新生コーチによるQBクリニックを4日間。
そして釜山では宮田コーチ、加藤コーチによるOL/DLクリニックと、
新生コーチによるWRクリニックを2日間。計6日間のクリニックツアーとなりました。
その模様を新生コーチがレポートします!
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こんにちは。QBコーチの新生です。
4月に続いて再び韓国に行ってきました。
4月はソウルでQBだけを対象としたクリニックを行いましたが、
前回同様のソウルでのQBクリニックに加えて、
今回は宮田コーチ・加藤コーチも参加してOL・DLクリニックも行われました。
まずはソウルでのQBクリニックのレポートです。
●6/24-27 QBクリニックinソウル
まずは6/23に新生が飛行機のチケットの手配の関係で釜山入り。
4月のレポートでも紹介した白コーチの自宅に泊めていただき、
翌朝、韓国の新幹線「KTX」に乗ってソウルへ移動。
ソウルに到着したあと、さっそくグランドに移動してクリニック開始となりました。
▲KTX車内にて
この時期は韓国の大学は授業が休みという理由で、この時期にクリニックを実施したのですが、
休み中も何かと行事があるらしく、4月のクリニックに参加していた選手は半分位でしたが、
前回来てくれていた選手が楽しみに参加してきてくれたことはとてもうれしく、再会を喜び合いました。
4月はボールを投げる技術に絞ってクリニックを行ったのですが、今回は4日間ということで、
QBに求められる基本技術を少し広めにカバーする形で練習を行いました。
まず1日目は4月の復習を兼ねてスローイングの基本練習から。
4月に参加したメンバーの中には上達を感じられるメンバーもいてうれしかったです。
▲フィールド練習
QBはアメフトの様々なポジションの中でも、フィールド以外での勉強が特に大切なポジションです。
というわけで、今回のクリニックでは、2日目と3日目に、フィールドに出る前にセミナールームでの
勉強会を実施。
すべての選手が大学で初めてアメフトを始める韓国では、ゲームに対する理解が乏しく、
断片的な知識だけがアメリカや日本から入ってきているものを浅い理解のまま真似をしている、
という印象を受けていました。
そこで戦略、戦術の組み立ての考え方や、試合の様々な状況に応じてどういうことに気をつけて
プレーをするべきか、といったことの基本的な部分をレクチャーしていきました。
▲勉強会
フィールドでは2日目以降、ランプレーを行う際の基本的なテクニックや、そのテクニックを実際の
プレーにつなげていく実践にも挑戦。しかし、選手のレベル差が激しく、なかなか苦戦しました。
4月に行ったときはまだよく分かっていなかったのですが、韓国の高校では一般学生の運動部が
存在しないそうです。大学受験の結果でその後の人生が大きく変わるという韓国では、
部活は勉強の邪魔と捉えられており、一部のスポーツエリート以外は、あまりスポーツで
身体を鍛える チャンスが無いとのこと。どうりで何やってもバランスが悪い子が多いはずです。
韓国人コーチから、「まず何をすればいい?」と相談を受けましたが、僕の答えは簡単で、
何はともあれ、まずは「走る」。
というわけで、毎日の練習の最後では、選手たちにたっぷり走ってもらいました。
特に兵役の経験のない下級生は、まともに走り込みをしたことの無い子もたくさんいるようで、
かなりしんどそうでしたが頑張っていました。
最低限の基礎体力が無いと、いくら技術練習をやっても上達していかないものです。
これからも継続して走り込んで欲しいですね。
最終日は午後から釜山に移動のため、午前中でクリニックは終了。
最後もかなり走り込みをしましたが、みんなちゃんと走りきりました。
技術的にも、3日目あたりから見違えるようにうまくなる選手も出てきました。
最後はみんなと記念撮影のあと、4月のクリニックで作ってもらった私の名前入りのジャージに
参加した全員のサインをもらいました。
今回のQBクリニックを機に、参加してくれた選手がもっとアメフトを好きになってくれたらうれしいですね。
▲選手と食事
▲コーチ陣と
練習終了後は、選手と別れを惜しむ間も、シャワーを浴びる時間もなく、ソウル駅へ連行(笑)され、
再びKTXに乗って釜山へ。
食事以外に観光、レジャーは全くないままソウルを後にしたのでありました(苦笑) 。
次回は、宮田コーチ、加藤コーチと合流しての釜山編をお届けします!