2008年04月09日
QB担当の新生コーチとQB#17村上選手が、4月4~6日に行われた韓国ソウルでの
QBクリニックに講師として招聘されました。
村上選手はアシスタントとして参加。
20名の韓国の大学生QBに、2日間に渡ってスローイングの基本技術を中心に指導しました。
韓国でのクリニックの様子を新生コーチに短期集中連載でレポートしてもらいます。
お楽しみに。
新生コーチの「QBクリニックinソウル」レポートVOL.1 ~出発編~
●招聘を受けた経緯
QBコーチの新生です。
私がアサヒ飲料チャレンジャーズでプレーをしていた2001年
韓国のフットボール協会からチャレンジャーズにクリニックの依頼があり
当時アサヒ飲料のヘッドコーチだった藤田コーチ(現富士通ヘッドコーチ)ら
チャレンジャーズのコーチ・選手数名で韓国・釜山へ行き、現地の大学生選手を指導しました。
昨年のワールドカップで悲願の初勝利を挙げたものの、その実力はまだまだ発展途上にある韓国のアメフト。
競技レベルを上げていくためには、オフェンスの要であるQBのレベル向上が最大の課題と捉え
今年から継続的に日本人のQBコーチを招聘してクリニックを実施していくことになりました。
そこで今回、7年前のクリニック参加のご縁で、オービックシーガルズに対して
「新生コーチを派遣してほしい」との要請がありシーガルズがこれを快諾。
より多くの選手に指導できるように、村上選手もアシスタントとして帯同することになったのでした。
●韓国のアメリカンフットボール
ここで韓国のアメフト事情について少しお話ししておきます。
残念ながら韓国においてアメフトはまだとてもマイナーなスポーツです。
高校にはアメフト部が一切存在しないらしく、子供達のフラッグフットボールのチームを除けば
大学生になるまでアメフトをプレーするチャンスはありません。
野球、サッカーなどのスポーツエリートが集中する一部の競技を除けば
なかなか恵まれた環境で練習・試合をできる競技が少ない、という韓国。
アメフトも例外ではありません。
しかも大学でアメフトを始めて1年~2年すると、兵役のために2~3年の間
アメフトから完全に離れてしまいます。
兵役から戻ってきても大学のチームに復帰しない選手がいたり、また社会人になって
競技を続ける選手も多くないので、必然的に選手が競技に取り組む期間が短くなり
その育成も容易ではないようです。
ちなみに2002年ワールドカップのアジア予選では、日本が韓国を88-0という大差で下しています。
昨年の第3回大会はアジア予選、本戦ともに対戦はありませんでしたが、おそらくその実力差は
縮まっていないと思われます。
しかし、世界中どこへいっても、どんな厳しい状況でも、「なんとかしたい!」という熱い気持ちを持って
戦い続けている人はいるもので、韓国アメフト界にも「少しでも競技レベルを上げて、
アメフトを盛り上げていきたい!」と思って頑張っている人達がいます。
今回はそんな人達の思いに少しでも応えたい!と思ってソウルへ行くことにしたのでした。
●いざソウルへ
4/4(金)14:00
アシスタントとして帯同してくれる村上選手と羽田空港の国際線ターミナルで合流。
羽田の国際線ターミナルは初めてでしたが、地方空港っぽいとても小さいターミナル。
村上選手には、行き帰りの飛行機の時間と、クリニックの大まかなプログラムを
メールで送った以外、何も詳しい情報を与えないままの現地集合。
空港でお茶を飲みながら宿泊先の情報やクリニックの背景、趣旨などを少し話しました。
▲村上選手(右)と羽田空港にて
村上選手の海外旅行経験は大学卒業旅行のハワイのみで今度が2回目とのこと。
自ら「ぜひ行きたい」と手を挙げて仕事のスケジュールを調整しての参加。
今回の訪韓、クリニックを通じてどんなことを感じ、学んでくれるか、とても楽しみです。
ちなみに「辛いモノはあまり得意じゃない」とのこと。
おそらく痛い目に合うだろうと、このとき既に確信した次第でありました(笑) 。
17:00
予定より約30分遅れて飛行機が離陸。ソウルへの旅が始まりました。
次回、韓国上陸編をお送りします。
つづく