2007年12月01日
Xリーグ決勝トーナメント(Final6)の準決勝、
松下電工インパルスとの試合は、12月1日(土)13時に長居球技場でキックオフ。
「自分のベストを尽くして負けたときでない限り、
試合に負けることは罪である」
…レイ・クロック(マクドナルド創始者)
松下電工インパルスは、前半、後半を通じて鉄壁のディフェンスと、
見事なランプレーとパスプレーを重ねて23点を得点し、
オービックシーガルズは、4Qに、23-7という圧倒的な点差を
試合終了間際に追い上げて、23-23の同点で4Qを終了した。
両チームともに2007年の総決算ともいえるベストを尽くして
15分×4Qを闘いきった。
◇ ◇ ◇
たが、トーナメントである限り、引き分けで終わることはできない。
試合は延長節=タイブレークへと持ち越された。
絶体絶命と思われた4Qを追い上げて同点に追いつき、タイブレークに
持ち込むのは、準々決勝の鹿島ディアーズ戦と同じ展開。
追い上げムードに「2試合連続の逆転勝ちか…」と
オービックスタンドは盛り上がる。
そしていよいよゴール前25ヤードから、タイブレークが開始される。
オービックは、先攻で、5ヤード進んだところでフィールドゴール(FG)を
決め、26-23とする。
その裏の攻撃、松下電工は、パス失敗などで後退しながらもFGを決め、
26-26とする。なかなか手強い。
2回目は、オービックが後攻。
松下電工は、ファーストダウンを獲得して前進する。
しかし、ここでオービックディフェンスが粘って、それ以上の前進を阻む。
フォースダウンで松下電工はFGを選択して、成功させる。
26-29。
替わったオービックの攻撃は、5ヤード進んだところでサードダウン。
ランプレーで進んで、FGを選択して、同点か……
と思われたところ、オービック陣営は、パスプレーを選択した。
QB#15龍村が投げたパスは、なんと松下電工のディフェンスバックの
手の中に納まってしまう。
ここで、ゲームセット。ファイナルスコアは、26-29。
◇ ◇ ◇
オービックシーガルズの2007年シーズンは、終了した。
9月17日の富士通フロンティアーズ戦での敗戦から2ヵ月半。
「グレートカムバックⅡ」を掲げて、見事な集中力を発揮した
11月4日のアサヒビール戦。
その2週間後、強力ラインを擁する鹿島ディアーズを後半追い上げて
タイブレークで制した、11月19日。
そして、日本最強といわれるディフェンス陣と、日本代表QBとレシーバーを
要する、近年最強の松下電工に対して26点を奪い取った今日の試合まで、
オービックシーガルズは日本一への階段を上り続けたが、
あと5ヤードが足りなかった。
試合終了のホイッスルは、来シーズンがスタートした合図となった。
◇ ◇ ◇
以下、簡単な試合展開…
●1Q---------------------------------------------------------------------
オービックのキックで試合開始。
松下電工がランプレーを進めて50ヤード付近まで前進するが、
オービックディフェンスが粘って前進を阻む。
松下のオフェンスがやや優位に展開するが、結局得点には至らず、
0-0で終了。
●2Q---------------------------------------------------------------------
RB#20古谷(拓)のランプレーが出始める。
敵陣20ヤードまで進むが、攻めきれず無得点。
替わった松下電工のオフェンスもRB#20石野、WR#7長谷川への
パスを織り交ぜて、ゴール前8ヤードまで攻め込む。
が、ここもオービックディフェンスのLB#9塚田らが抑えて、
得点を許さない。
得点にはならないものの、松下電工のオフェンスがゲインを重ねる
重苦しい展開に、オービックスタンドにも緊張感が走る。
そしてついに、前半終了1分30秒前に松下電工のFG成功で
均衡が破られ、0-3で前半が終了した。
●3Q---------------------------------------------------------------------
2年前の社会人決勝(JXB)では、ここからオービックの快進撃が始まった。
それを覚えているファンは、期待を込めてオービックからの攻撃を見守るが、
最初の攻撃でランプレーが止められ、パントに終わる。
一方で替わった松下電工は、QB#14河野が自らのランとパスを織り交ぜて
どんどん前進し、この日両軍最初のタッチダウンを演じる。
0-10と、点差がじわりと拡がる。
そろそろ反撃しないと…という思いが伝わったのか、オービックオフェンスは
WR#83清水へのパス、RB#20古谷(拓)のランで反撃するが、
ここで痛恨のインターセプト。反撃の流れはここで途絶える。
松下電工は、この好機を着実に得点に生かして、パスを連投し、
追加のタッチダウンを獲得、0-17とする。
この時点で3Q残り1分47秒。
しかし、その後のキックリターンでドラマが起こる。
松下電工の大きなキックをキャッチし損ねたWR#83清水が落ち着いて
ボールを確保した後、驚くべき加速で右サイドの敵陣をすり抜けて、
タッチダウン!
ついにオービックに得点が入る。7-17。
1分47秒は、奇しくも、
前回の鹿島戦で清水がリターンタッチダウンを 演じた時間と同じである。
しかし、今日の残り1分47秒は“第3Q”の残り1分47秒。
あと丸々第4Qが残っている。
たとえ10点差でも、ここから反撃だ!
●4Q---------------------------------------------------------------------
オービックの攻撃から始まるが、松下電工のディフェンスの壁は厚く、
パントとなってしまう。
その後の松下電工オフェンスは、落ち着いて、エースレシーバーである
#7長谷川にタッチダウンパスを投げ、7-23と得点差を拡げる
(トライフォーポイント(TFP)は失敗)。
残り時間8分37秒。
オービックは自陣38ヤードからの攻撃。
ここからWR#19水口へのパスが炸裂。ゴール前3ヤードまで進む。
スタンドに響くタッチダウンコール。
次のプレーは、RB#36白木のランプレ-、と見せかけて、
白木がボールをそのままTE#98安東にパスするトリックプレー。
これが見事に成功し、タッチダウン!
そして、なんとTFPも同じトリックプレーで、2点を獲得し、15-23とする。
この時点で、残り6分38秒。
追い上げるオービックに試合の流れが傾く。
試合終了3分20秒でオフェンスとなったオービックは、
RB#20古谷(拓)のラン、WR#19水口へのパス、WR#22古谷(晋)
へのパスを次々にヒットさせ、ゴール前5ヤードまで進む。
そして、RB#20古谷へのタッチダウンパスを決めて、21-23とする。
TFPは、当然、2点コンバージョン。
WR#83清水へのパスが決まる。23-23!
ついに試合は振り出しに戻る。この時点で試合終了40秒前。
このあとは、冒頭のタイブレークシーンに繋がる。
◇ ◇ ◇
オービックを破った松下電工は、12月17日(月)@東京ドーム、
今日、横浜でオンワードスカイラークスを破った富士通フロンティアーズと
社会人日本一を賭けて戦う。
◇日時 : 12月1日(土)13:00キックオフ
◇試合会場 : 長居球技場
◇対戦チーム : 松下電工インパルス
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆スコア 1Q 2Q 3Q 4Q OT 計 ⇒試合記録(チーム・個人)
┃──────────────────── ※本試合は、「ゲームレポート」
┃ オービック 0 0 7 16 3 26 「フォトギャラリー」はありません。
┃ 松下電工 0 3 14 6 6 29
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━