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ビッグゲームでスタートを取る 畠山大輝
2009年10月14日
今年、ノートルダム・ジャパン・ボウルの日本代表候補にも招集された、オービックシーガルズ
ディフェンスの成長株、DL#94畠山大輝。プレーだけでなく、チームへの発信の場も増え、
心技体のレベルがバランスよく向上しているように見える。その背景に何があったのか。
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■3年目の危機感
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「1、2年目は、序盤の試合には出るものの、鹿島戦やパナソニック戦のように負けたら終わりの試合には出られなかった。『今年出られなかったら自分はもう終わりだ』、そう思ってシーズンに入ったところ、くしくも、昨年までNT(ノーズタックル)でスタートだった加藤(佑一)さんが引退した。今年こそ何とかしたいという自分の気持ちとチーム事情が重なり、自分次第でスタートを取れるチャンスが回ってきた。このチャンスを逃すと、もう自分の居場所はないと危機感を持ってシーズンに臨んだ」
これまでもスタートになるという目標を持って常に全力でプレーをしていたし、
トレーニングも続けていた。けれどスタートを取るために何をするのかが、
ぼやけていたという。とにかく一生懸命頑張ろうとしていたと。
そこからの脱却が、スタートを取る最短距離であることに気づいた。
■自問自答
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「昨年まではこじんまりと、黙々と自分のことだけをやるというスタンスだった。それは、自分に自信が持てず、周囲に発信することができなかったから。そこを変えれば、スターターやビッグゲームに出られるチャンスが見えてくるのではないか。今年も遠慮して自分を出さなかったら、昨年と同じ結果になるのではないか。そう自問自答した結果、まだスタートにもなれていないし、自分に自信も持てていなけれども、自ら主体的に行動をすることを心がけるようになった」
今シーズン、ディフェンスリーダーのひとりとしてディフェンスメンバーの前で話をし、常に自分だけ
でなくチームを強くするためにという視点で関わってきた。
その行動や姿勢に刺激を受けたディフェンスメンバーも少なくない。
■攻める気持ちと「LOCK ON」
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「昨年までは失敗を恐れて、ミスをしないようにプレーをしていた。だからプレーもこじんまりしていたし、良い結果もなかなか出せなかった。今年はミスしてもいいから思いっきりやることを心がけた。その結果、春シーズンは過去振り返ってもないくらいの手応えを得られた」
常に攻める気持ちを持ってフィールドに立ったことが、いい方向に動いている。
「攻める気持ちといっても、『やってやろう』とか『かましてやろう』とかいう気持ちだけが先行しているときは良い結果をもたらさない。ミスした時に、攻める気持ちを忘れずに次のプレーに行こうと、
『攻める』という漠然とした言葉だけが頭にあるときはうまくいかない。
春のパールボウルで実感したことだが、具体的に自分がこの試合でやること、試合前に全員に
発信している『LOCK ON』(自分がやること)に立ち返ったときにいいプレーができている。
ここからも攻める気持ちとLOCK ONに立ち返って必ず結果を出して、続くビッグゲームに
スターターで出られるチャンスを自分で掴みたい」
ハタケの葛藤を聞くと、自分の3年目の頃を思い出します。同じ道を辿っているなぁと。最短距離はなく、そこは自分自身で切り拓くしかない。ハタケの向上心があれば、必ず拓ける。期待している選手のひとりです。 |