玉ノ井康昌コーチブログ“LOCK ON PLAYER”

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楽しむ 萩山竜馬

2009年09月07日

#85WR萩山竜馬は、春シーズンはすべて、カナディアンフットボールなど様々なリーグの

トライアウトに参加してきた。中には、マンツーマンを5回しかやらないトライアウトもあったという。

そんなトライアウトを通じて何を得てきたのか。そして今シーズン、何を思ってプレーするのか。

 

 

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武器

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tama0909074.jpg 萩山の武器は、スピード。DBとして今までたくさんのWRと対峙してきたが、彼のスピードは国内トップレベルであることは間違いない。そんな彼が海外のトライアウトで感じたことはどんなことだったのだろうか。

 

「ショルダーもヘルメットもつけないトライアウトが多い。それなのに、向こうの選手は激しいし、球際も遠慮なく来る。自分と同じくらいのスピードのDBもいて、なかなかスピードで押すことができない。そんなとき、去年からシーガルズで言われてきた『ファンダメンタル』に立ち返り、ここがしっかりできないと勝てないし、DBとのかけ引きをしないと勝てないことが分かってきた。機会も限られていたので、1本1本を大切に、集中力を高められたことも自分にとってプラスになった。そういう部分を意識してできたことがよかった」

 

スピードだけでは通用しないことを受け入れ、他に何が必要かを考えたとき、

オービックシーガルズで常に言われてきた「ファンダメンタル」に立ち返ったという。

数多くのトライアウトを通じてもがいた結果、自分に足りないものが分かったことが、

萩山にとって意味のあるトライアウトだったのではないだろうか。

 

 

感触と課題

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tama0909071.jpg 数多くのトライアウトを受けてきた中で自分と向き合い、試行錯誤を繰り返したに違いない。そのひとつとして、ウエイトトレーニングにも励み、体重を90kg台にしてパワーアップを図っている。90kgという体重で萩山のスピードをキープできるWRは、日本にはなかなかいない。トライアウトでの感触はどうだったのだろう。

 

「いろいろなレベルの選手70~80人のうち、結果4、5人しか呼ばれないトライアウトもあり、そういうときは飛び抜けていい選手が呼ばれる。自分もそう悪くないと感じているものの、飛び抜けていい部類には入れていない。でかくて速いWRはたくさんいるが、プレーが適当。自分はプレーのタイミングやファンダメンタルにこだわってやっているので、そこは継続しつつ、実践でDBとのかけ引きの幅を増やしていかなければならないと感じている。そういった、意識していることをゲームで自然にできなければ通用しないことは分かっているので、今シーズンはここを課題に取り組んでいる」

 

ここ数年、萩山の課題でもある「細かいところの徹底」。

この課題の克服と、「かけ引き」=「オリジナリティ」の構築が今シーズンの課題となる。

ファンダメンタルができるとある程度までは通用するが、

さらに高いレベルで自分の色を出すには+αが必要となる。

すでにスピードが萩山の色だとしたら、ファンダメンタルの徹底とかけ引きの多さが、

その色をさらに濃くさせる。

 

楽しみたい

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tama0909073.jpg 久しぶりにシーガルズに合流した今、何を感じ、何を思ってプレーしているのだろうか。

 

「久しぶりにショルダーやヘルメットをつけてフットボールするのは面白い。春はシーガルズにいなかったから、どんどん練習中からアピールしていかなければという意識が強い。そうやって自らプレッシャーをかけていくのが、今の自分にはいいと思っている」

 

「自分が掲げている課題をゲームでクリアできたときに、初めて感情が入ったり、勝負を楽しめるんだと思う。今までは、やらないといけないことを考え過ぎて、ゲームを楽しむという段階まで行けていなかった。今は楽しめている。練習でも、とにかく思い切ってやってみて、それをビデオでチェックして、できているところ、できていないところをしっかり把握して、またやってみる、ということを継続していくしかない」

 

 

 

 ⇒萩山選手のプロフィール

 

  今、オービックシーガルズで最も危険なWRだ。彼がボールを持つたびに、タッチダウンの可能性を秘めている。彼の成長がオービックオフェンスに及ぼす影響は多大だ。昨年以上に自分から発言することも多く、フットボールを楽しんでいることが見てとれる。一つひとつの課題をクリアにしていく過程がフットボールを楽しむことにつながり、無心でフィールドに立てたとき、本当のハギのすごさが発揮される。ご期待ください。