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2009年02月
2009年02月26日
NEW YEAR インタビュー8 #9塚田昌克
いよいよ2009シーズンイン。
オフもトレーニングを続けてきた選手たちに、今シーズンの抱負などを聞きます。
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昨シーズンは、オービックシーガルズディフェンスの象徴的なポジション・STUD(スタッド)で
全試合スターターを果たした#9塚田選手。3年目となる今シーズンは、ベテラン勢が多数引退、
ますます存在感を増しそうだ。
◇ ◇ ◇
-昨シーズンはどんなシーズンでしたか。
シーズン前に、「全試合スタートで試合に出る」という目標を自分に課していたので、それが達成できたことはよかったと思います。ただ、他のLB(ラインバッカー)に比べるとタックル数が明らかに少なく、目立てなかった。実際、自分サイドのプレーが少ないということもありますが、古庄さん(#2)は関係なく常にチームで一番タックルをしています。その秘訣が何なのかを探っているんですが、スピードがあるということ以上に、RB(ランニングバック)との距離を縮める“感覚”が秀でていると見ています。頭がよくないんで、あまり考えていないと思うんですが(笑)。盗みたいところではありますね。
-塚田選手のこだわりは。
ブリッツですね。OL(オフェンスライン)の間を抜けるために、相手の動きをよく見て、スタートと
タイミングに全神経を集中しています。自分の最低限の仕事として、スクリメージラインを割って
相手のプレーを壊すことを考えています。それができれば、誰かがタックルしてくれると思うし、
自分がロスタックルできればEXTRA WORKです。
-2年目にしてはとても落ち着いて見える。何か意識していることは。
一歩引いて、物事を客観的に見る癖がありますねぇ。いいところでもあり、悪いところでもあると思いますが。相手にやられてみんながヤバイと思っているときに、自分は引いて、落ち着いて見られるというか。意識というよりは、癖ですね。
-では、ご自身の課題は。
タックルです。練習では上半身にヒットするタックルをしているのに、試合になると足元に行ってしまいがち。シーズン終了後の面談でも、コーチからブリッツは評価していただいたけれど、タックルは評価が低かった。自分自身も納得しました。
練習通りにプレーできないのは、メンタル面の問題というよりは、練習で行っていることが
まだ体に染みついていないんでしょう。 今シーズンはタックルで他のLBより目立ちたいので、
ここは改善したい。
-具体的な改善策は。
ビザの問題さえクリアできれば、3月中旬からAFL2(アリーナフットボールリーグ2部リーグ)に参戦します。今、自分がどのレベルで通用するのか試したい。しっかりタックルができなければ、向こうの重くて速いキャリアーを仕留めることはできません。これまでも海外の選手と対戦する機会はあり、クイックネスに関してはある程度対応できるのではと感じていますが、ヒットの重さや速さに関しては、どう埋めたらいいのかをしっかり考えることになるでしょう。自分の力の無さを痛感するかもしれませんが……。日々、重くて速い選手を相手に練習ができるので、一発で仕留めるタックルを習得して帰りたい。インターナショナル枠が自分にしか使われていないので、全試合(15~16試合)帯同することになり、試合に出るチャンスもあると思います。
今回のチャレンジは、行きたくても行けない人が多い中、会社の方をはじめ、多くの方のご理解が
あったからこそ実現できたので、とても感謝しています。行くからには、思う存分楽しんできます。
-今シーズンはどんなシーズンにしたいですか。
今まで通り、チームメートの悪口を言って、突っ込んでいきたいですね(笑)。まぁ、3年目ですし、おじいちゃん達(*ベテラン)も多数抜けるので、中井さん(#5)やキッペイ(紀平#92)、三宅(#16)あたりの20代半ばの選手中心に引っ張っていきたい。あ、福原さん(#93)もいました! 春シーズンはチームにいられないので、帰国後、いい刺激を与えられるような存在になっていたいと思います。僕はまだ古庄さんがキャプテンだということを認めていないので、“来シーズンは自分が主将”という気持ちで今シーズンは挑みます。とにかくプレーに絡んで、タックルで目立ちたい。それと、時本ディフェンスコーディネーターへのゴマすりを徹底していこうかなと(笑)。
-最後に、塚田選手から見て、今、頑張っている選手は。
三宅(#16)ですかね。今はただの交通費泥棒ですから、今シーズンは必死だと思いますよ。
(次回は三宅選手に聞きます)
2009年02月16日
NEW YEAR インタビュー7 #26阿南孝仁
オフシーズンもトレーニングを続ける選手たちに、昨シーズンの総括や今の取り組み、
2009シーズンの抱負を聞き、ROCKERS特別企画としてシリーズでお届けします。
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天性の明るさでチームに新風を吹き込んだ#26阿南選手も早4年目のシーズンを迎える。
自称「3rd downの男」の胸の内を聞いてみた。
◇ ◇ ◇
-強豪・立命館大学の出身ですが、当時はどんな選手でしたか。
高校からアメフトを始めたのですが、先輩にはノリさん(木下典明/2008年アトランタ・ファルコンズ(国際練習生))や昌泳さん(長谷川/現パナソニック電工)がいて、「自分は凡人」だとずっと思っていました。今もそうですけど……。昌泳さんの自分にも仲間にも厳しくストイックな姿勢を尊敬し、目標にしていました。彼らのような天性の才能がない中、3年生のときにコーチから、「お前の強みは『ブロック力』と『勝負強さ』だ」と言ってもらえて、自分がアメフトで生きていくにはこれしかないと、この2つの強みを磨く努力をしました。たとえば、キャッチボールでも1球1球ハンズキャッチを心がけ、すぐにボールを確保する。自分より体格のいい相手にも
気持ちで負けずに強い気持ちでブロックできるよう、ウエイトトレーニングを続けました。
そうして、4年生の春シーズンは試合に出続けてコーチにアピール。秋シーズンは
全試合に出続けることができました。
-なぜオービックシーガルズに。
甲子園ボウルで法政大学に負けて、最終シーズンを終えました。その前に古庄さん(LB#2)に
声をかけてもらっていてシーガルズに興味があったので、年明けのライスボウル(法政大学
vs.オービックシーガルズ)を観戦しました。自分たちが負けた法政とどんな試合をするのか。
そこで見たシーガルズのフットボールは、社会人なのに学生以上に楽しそうだった。
このチームで戦いたいと思いましたね。
-実際入ってみてどうでしたか。
“ワクワク”半分、“ビビり”半分で練習に参加したのを覚えています。噂通り、練習は厳しかった! でも、仲間がいれば乗り越えられますよ。「自分の気持ちを表に出す」ことを受け入れてくれるチームカラーに居心地の良さを感じています。自分も弱い人間なので、しんどい練習から逃げ出したくなる時もある。でも、隣で松田さん(WR#18)が必死な顔して踏ん張っているのを見ると、自分も負けられないと踏ん張れるし、仲間がグラウンドの外でも勝利のために行動しているのを知ると、自分も頑張れます。自分の気持ちを抱え込まず、お互い出し切って、お互いの気持ちを知ると、さらに頑張れる。
「シーガルズファミリー」ってよく言いますけど、とても好きな言葉ですね。
社会人になってまだアメフトしてる理由も、やることやって、しんどい練習を仲間と乗り越えて、
その仲間と勝利を分かち合うことができるから。その過程で強い絆や信頼が生まれるのだと
思うし、そういう仲間と一緒にいられて幸せです。
-昨年はどんなシーズンでしたか。
07年は怪我をしていいパフォーマンスができなかったので、08年は3年目ですし、結果を出す!とシーズンに入りました。春はチーム内でリーディングレシーバー。ブロックもキャッチも安定していて、コーチからも評価をいただき、自信につながりました。しかし、秋シーズンは終盤、練習で調子のいい選手を起用するという方針の中、出場機会が減っていきました。春はちゃんと結果を出していただけに、ここ数回の練習だけで起用が決められることに疑問を持ちましたが、ここで卑屈になったら落ちるだけ。自分にできることを考え、自分のプレーに集中しました。
-最後のパナソニック電工戦では、勝負どころでいいキャッチをしました。
-あの試合は自分のプレーに集中できました。特に、プレーが崩れた後、ディフェンスの空いて
いるゾーンを探して動き、QB(クォーターバック)が投げやすいところに常にいることを心がけました。
ボールを捕ることに対する執着心は誰にも負けません。投げられたボールは絶対に捕る
ということができた試合でした。
-09シーズンの展望は。
シーズン終了後の面談でも「安定感」は評価されました。次のステップは、「相手に脅威を与えることのできるWR」になれるかどうか。「ブロック力」と「勝負強さ」にプラスして、相手に脅威を与えるプレーをつくっていくシーズンになると思います。今はまず、ベースのウエイトトレーニングを続け、シーズンに入ったらDB(ディフェンスバック)との間を詰めるスタートと10ヤードのスピードをつけ、春から結果を出し続け、秋は試合に出続けたい。自分がシーガルズに入ってから日本一にまだなっていません。仲間と練習から高め合って、今年こそ、必ず日本一になります!
-最後に、他に頑張っている選手を紹介してください。
塚田(LB#9)ですかね。彼は「ゴールドジムが恋人」と言っていましたよ。アリーナフットボール
にもチャレンジするようなので、モチベーションも高いんじゃないですか。
(次回は塚田選手に聞きます)
2009年02月13日
NEW YEAR インタビュー6 #15龍村 学
オフシーズンもトレーニングを続ける選手たちに、昨シーズンの総括や今の取り組み、
2009シーズンの抱負を聞き、ROCKERS特別企画としてシリーズでお届けします。
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2005~2007シーズンはエースQB(クォーターバック)としてチームを牽引した#15龍村選手。
昨シーズンは出番が少なく、龍村ファンには物足りないシーズンだったろう。
すでに始動している彼に、今シーズンにかける思いを聞いた。
◇ ◇ ◇
-昨シーズンはどんなシーズンでしたか。
長いオフ、「何もしない」シーズンでした。春に怪我をして、秋シーズンまでに完治せず、リハビリの成果もあってシーズン途中には復帰できたものの出場機会は限られました。そんな中でも、チームが勝てばいい、と気持ちを切り替え、自分にできることを考えてやっていました。たとえば、2本目レシーバーと“合わせ”て、1本目のレシーバーに何かあっても他のレシーバーが活躍できるようにと、自分なりにできることはやっていたつもり。でも、自分自身が2本目というプレッシャーのないところにいたので、気持ちが切れていたのかもしれません。
-新人QB、木下選手が活躍しました。
マサトは上手いし、判断もいい。新人であそこまでできることがすごいと思う。
ミーティングでも意見を主張しているし、自分がとても1、2年目のときにはできなかったことを
やっていました。
-チームが龍村選手に求めているものは何でしょう。
シーズン終了後、QBコーチの新生さんとの面談で、コーチが自分に求めていた「いつどんな状況でも試合に出られる準備をしておくこと」と実際に自分がやっていたことにギャップがあった、と気づきました。たとえば、2本目のレシーバーと合わせるだけじゃなく、1本目とも合わせておくべきでした。その後、日を改めて新生さんと食事をした際に、アメフトだけでなく、仕事のこと、将来のことなども深く話せて、今まで以上に自分を伝えられたと思うし、理解してもらえたと感じています。将来はどこかでコーチをしたい。それなら、もっとコーチ目線で、コーチが何を求めているのかを考えろと
言われました。そのくせづけの意味でも、今シーズンは自分の行動の意味をしっかり持ち、
チームに発信していきたい。
-すでに09シーズンに向けて始動していますね。
12月から週2回はウエイトトレーニングを継続しています。年始には、吉永さん(ヘッドトレーナー)が 主催する、異競技の方との合同自主トレに参加しました。内容は、オービックシーガルズでは2月末からやる股関節、クロスカントリー、ビーチなどですが、 早い段階から追い込めていると思います。楽天イーグルスの投手も参加していて、「ボールを投げる」トレーニングを一緒にしたのですが、彼のボールの勢いのすごさを目の当たりにしました。勢いのあるボールは、「体重移動」と「左手の引き方」にある。様々なヒントが得られました。
-09年はどんなシーズンにしたいですか。
パスで1,000ヤード投げたい。いつもは700から800ヤードですから。それと、プレッシャーを感じて投げたいですね。試合に出るドキドキを感じながら、それを楽しみたい。実は、05年シーズンの日本一は、自分が日本一になったという実感がないんです。今シーズンは自分の力で日本一を掴みたい。
昨シーズン、試合に出られてないのに、自分を応援してくれる人がたくさんいた。家族もそうですが、ファンの皆さんもそう。今シーズンは、応援してくれる人になんとか応えたいという気持ちが強い。今シーズン出られないなら、チームに居られないと思っています。覚悟を持って臨みます。
-最後に、龍村選手から見て頑張っている選手を紹介してください。
WR(ワイドレシーバー)の阿南選手です。週2回のトレーニングを一緒に続けているし、
「打倒シミケン!」と叫びながらトレーニングしてますよ!
(次回は阿南選手に聞きます)
2009年02月09日
NEW YEAR インタビュー5 #23古川 宏
オフシーズンもトレーニングを続ける選手たちに、昨シーズンの総括や今の取り組み、
2009シーズンの抱負を聞き、ROCKERS特別企画としてシリーズでお届けします。
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08シーズン チームMIP(最も成長した選手)を受賞した#23古川 宏選手。
持ち前のスピードを武器に、#20古谷、#36白木に次ぐRB(ランニングバック)として
頭角を現してきた。チームからも評価される成長を遂げた理由は何か、
また、09シーズンにかける意気込みを聞いてみた。
◇ ◇ ◇
-2008シーズンを振り返ると。
自分にとって、これまでで一番いいシーズンでした。一番試合に出られたし、結果も残せた。自分にとっての“結果”とは、「TDを取ることでチームに貢献する」ことなので、結果を残せたと思います。
-これまでのシーズンと何か変化があったのですか。
一番大きな要因は、拓也さん(#20古谷)がRBのコーチになったこと。これまでも一緒に練習していたのですが、聞きたいことがなかなか聞けていませんでした。 選手という同じ立場だったし、ポジションコーチに遠慮してたり、やはり尊敬する選手なので聞きづらかった。今思うと、自分の変なプライドも邪魔していたのかもしれません。拓也さんがコーチになってからは、素直にいろいろなことを聞くことができました。
-具体的にどんなことが身につきましたか。
大きく2つあります。
ひとつは「BIG STEP」。
ディフェンスをかわす足の運び方なのですが、これは拓也さんを象徴するテクニックで、今までの自分にはなかったもの。これだけは身につけようと取り組みました。拓也さんのコーチングが具体的で、BIG STEPができるようになるためのパート練習だったので、これを反復すればきっとできる、自分がなりたいイメージに直結すると信じてやり切れたと思います。その結果、ある日の練習でLB(ラインバッカー)と1対1の時に、イメージ通りにBIG STEPが使えて、抜くことができたんです。イメージと体が重なって、少し習得できたかなと自信が持てました。
もうひとつは「頭を使う」(=フットボールIQを高める)こと。
拓也さんはいろいろなシチュエーションを想定して動いていることを知りました。
僕も全く考えてなかったわけではないのですが、 言われたことをやるとか、なんとなく頑張ってた
気がします。いい例が、平日時間があると、 何をしたらいいのか分からず、とりあえずウエイト
トレーニングをしていたんですね。それも、 前回よりも数値を上げることだけを目標に。
でも今は、「なりたい自分」に近づけるために必要なトレーニングを考えて、ウエイトも重さを上げる
だけでなく、工夫するようになりました。ジムだけでなく、近所のマンションの駐車場で、等間隔に
並ぶポールを相手とイメージしてBIG STEPの練習をしたりしています。NFLを見る時も、なんとなく
RBのテクニックを見るだけでなく、相手のディフェンスを見て、ディフェンスの動きを想定して、
自分だったらどう走るのかをイメージしながら見るようになりました。拓也さんはそれが当たり前の
ようにできているんだと思います。だから試合中も常に余裕を持ってプレーができているし、
イレギュラーなことにも対応できる。僕はまだまだですが、今までよりは視野が広がったと思います。
-2009シーズンはどんなシーズンにしたいですか。
コーチの信頼を得たいです。拓也さんやしみけんさん( #83清水)は絶対的な存在です。そういう存在になって、常に試合に出続けて、チームを勝利に導く、TDを取るRBになりたい。自分の武器でもあるスピードにはこだわりを持って、チーム内で誰にも負けない存在になります。その上で、拓也さんから教えてもらった「BIG STEP」と「フットボールIQ」を高めて、自分らしいプレーを構築したいですね。すべてにおいて拓也さんを抜きたい。 そして自分が拓也さんを引退させたい! そう思っています。やることが明確なので、09シーズンはとても楽しみです。
-最後に、古川選手から見て、今頑張っている選手を紹介してください。
うーん、たくさんいますけど、タツさん(#15龍村)ですね。タツさん、頑張ってますよ。
他の競技の方との合同自主トレなんかも積極的に参加してましたし。
(次回は龍村選手に聞きます)
2009年02月04日
NEW YEAR インタビュー4 #96加藤 良
オフシーズンもトレーニングを続ける選手たちに、昨シーズンの総括や今の取り組み、
2009シーズンの抱負を聞き、ROCKERS特別企画としてシリーズでお届けします。
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昨シーズン、持ち前のスピードと運動量の多さを買われて、
TE(タイトエンド)からDL(ディフェンスライン)にコンバートしたDL#96加藤 良選手。
試合に出られる楽しさとともに、DLスタータークラスとの実力差を実感していく中、
何を求めてプレーをしていたのか。真価が問われるDL2年目の抱負を聞いてみた。
◇ ◇ ◇
-コンバートの話を聞いたときは。
大学でDLをやっていたので、そんなに抵抗はありませんでした。 むしろ、それまでTEでの出場機会が限られていたので、選手が少ないDLの方が試合に出られる チャンスだと思いました。でも、TEでは必要ないということですから、悔しい気持ちも強かったです。
-春シーズンにいきなりチャンスをもらえました。
それまではキッキングでの出場がメインだったので、楽しかったですね。 でも、そんなに甘くはなく、変化に対応することで精一杯。覚えることも今までと違うし、 できないことも多く、 パート練習で
吐くこともありました。体に染みつかないまま終わってしまった。
当然、秋シーズンは、大事な試合には使われず、キッキングメインの出場に限られました。
-キックリターンチームではどうでしたか。
その前の07シーズン、時本さん(キッキングコーディネーター)にいつも、「優しすぎる」 「もっと自分から当たりにいかんかい!」と怒られてばかりでした。そのうえ、ダブルチーム (*二人でタイミングを合わせてブロックすること)でブロックをする機会の多いチームメイトが 時本さんに「加藤とは一緒にやりたくない」と話しているのを聞いてしまったんです。 確かに自分のせいでいいブロックができてなかったので申し訳なく思ってはいましたが、 彼が本気でひとつのブロックを成功させるために真剣に考えていたことを知り、 自分の不甲斐なさを悔やみました。そして、自分も変わりたいと思いました。
その後の鹿島戦、ここでリターンTDを取らなければ負けるという“後がない”状況で相手を取り切れて、
しみけんさん(#83清水謙)がTDを取ってくれたプレーが、自信を持たせてくれました。
自分を信用してくれていなかった彼と喜びを共有でき、「認められた」と感じることができたんです。
あとでビデオを見ると、今までできなかったブロックができていました。
そのプレーをきっかけとなり、昨シーズンは、自分の意見を時本さんに伝えられたし、
ダブルチームでも「もっとこうしよう」というコミュニケーションも取れ、いいプレーができたと思います。
「自分にしかできないブロック」ができるようになった。
しみけんさんやしんやさん(#22古谷晋也)がすごいので、チームに勢いを与え、
観客を魅了するようなキックリターンができる。なんとかその力になりたいという気持ちが強いです。
ずっと使い続けてくれた時本さんに感謝しています。
-09シーズンは、DLとしてどうなりたいですか。
コーチには「春に結果を出せなければ、秋は試合に出せない」と言われています。「自分にしかできないことを見つけない限り、試合には出られない」と。DLのスタメンはみんな、 「自分にしかできないこと」を持っています。KJ(#11ケヴィン・ジャクソン)はパワーが圧倒的。佑一さん(#99加藤佑一)はスタート、キッペイさん(#92紀平充則)は目がいい。対応力、予測がすごく器用。 庄子さん(#52庄子達郎)はファンダメンタルが徹底されていてテクニックがある。とうてい敵わないから、昨シーズンはキッキングに逃げている自分もいました。でも、今年は春シーズン中に「自分にしかできないこと」を確立して、秋の試合に出ます。
-「自分にしかできないこと」をどうやって確立していきますか。
去年の練習では、1on1(DLとOLの一対一の勝負)で褒められたことが2回しかないんです。ちゃんとしたHITができていないから。まずファンダメンタルを徹底して、ちゃんとHITできるようになります。スタメンのみなさんはそれが当然のようにできるうえに+αがあるので。ファンダメンタルが体に染み込んでから、自分の特長でもある運動量やスピードを活かせるようにしていきたい。パート練習で鍛えます。
-ファンダメンタル向上のために今、取り組んでいることは。
毎週土曜日に習志野グラウンドで基礎トレーニングをしています。
それとは別に、週2~3回トレーニングに励んでいます。
「今年はフットボールに使える筋肉を鍛えよう」と司さん(冨樫トレーナー)にメニューを
組んでもらいました。あと、いろいろな人のプレーを見てイメージを広げています。
-今、頑張っている選手を紹介してください。
ひー君(#23古川 宏)かな。いつも面倒見てもらっていて、僕にとっては小さいお兄さんです。
チームのこともすごく考えていて、トレーニングも頑張っていますよ!
(次回インタビューは古川選手)
2009年02月02日
古庄選手【2008チームMVP】
2008チームMVP受賞コメント
「プレーでMVPをもらったとは思ってないです。
プレーではチームを勝たせられなかったし、MVPというのは勝ったチームから選ばれるもの。
ぼくらは負けました。次は勝って(MVPを)もらいたい。
MVPをもらったのは・・・シーズン中のチームミーティングで里見さんがエキストラワークの話をしてくれた。
そこじゃないかなと思います。
自分の取り組みでチームを勝たすことができる。プレーで絶対勝たすんや、ってヤツもおるし、
それ以外のところで勝たすんやってヤツもおる。
それが多ければ多いほど、強いチームだと思う。
みんなそう思ってこれからも取り組んでほしい。
来年は勝ったこのチームの中からMVPが出るように、2009年もがんばりましょう!」
寺田選手【2008ディフェンスMVP】
2008ディフェンスMVP受賞コメント
「なぜ好調だったかというと、やるべき理由があったからです。
最後で自分で納得いかずに終わるのは嫌だなと思っていました。
1年間自分の納得いくプレーがしたい、しなきゃならない、と思ってやってきたのが、
この結果につながっているのではないかと思っています。
なんでプレーしているのか?その理由ってなんだろう?って自分に問いかけてみてほしい。
僕自身は納得できないと次に進めないという思いがあったんで、納得いくプレーをしなければ
ならないと思ってやっていました。
~しなければならない、と思ってプレーするのは好きではなく、やりたいからやる、ってのが
ベースだと思いますが、理由があるのは強いなあと思います。
個人もそうやと思いますが、チームとしても勝たなければならない理由があると思うんですね。
たとえば1万人プロジェクトやファンとの交流会はなんのためにやんねん、勝つ勝たない関係ないやん、
って考えもあるかもしれないけれど、ぼくたちはそういうことをやっても勝つチームで、
その理由があると思うんですよ。
オービックシーガルズは日本のフットボールを変えるチームだと思うんです。
今年もプレーする選手にしてみれば勝つ理由がある。
なにをやっても最終的に強いチーム、勝つチームがシーガルズだと思う。
個人個人でやらなきゃならない何かを背負っていけるとチームはもっと強くなると思う。
やる人はいろんなものを背負いながらやっていきましょう!」
金親選手【2008キッキングMVP】
2008キッキングMVP受賞コメント
「昨シーズンは非常に不本意というか、調子の波がありましたが、それもまた経験だと思っています。
2009年は自分でも納得いくような勝負をしてチームを優勝に導きたいと思います。
がんばりましょう!」
木下選手【2008ルーキー&オフェンスMVP】
2008ルーキーオブザイヤー受賞コメント
「尊敬する古庄さんが率いるオービックシーガルズに入ることができてよかったです。
みなさんにいっぱい引っ張ってもらったんで、今年はもっとがんばります。優勝します!」
2008オフェンスMVP受賞コメント
「優勝できなくて非常に不本意なシーズンだったので、2009年にかける気持ちは非常に強いです。
古株の力とぼくら若手の力と合せて今シーズン臨みたいと思います。
みなさんわかってると思いますが、今年が最後という気持ちで1年やりきりましょう!」
古川選手【2008MIP】
2008MIP受賞コメント
「MIPを受賞できてすごく嬉しく思います。
MIPを取るのは2度目なんですけど、今回受賞できたのは#20古谷拓也さんがコーチになり、
いろんなことをこと細かく教えてくれてやることが明確になったからです。
自分でも伸びたなと思ったし、自信もあります。
2009シーズンは伸びた経験を生かしながら自分に足りないところを追求して、
古谷拓也さんを越えられるようなRBになりたいと思っています。
がんばります!」