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腹筋で勝つ!
2011年09月07日
「選手全員が毎日100回腹筋やれば、必ず日本一になる!」
1995年12月9日、社会人決勝戦。
当時の松下電工インパルスに20対54で大敗した。
それから2ヵ月、悩みに悩んだ末、
翌1996年シーズンの最初のチームミーティングで
とっさに浮かんできたのが、このフレーズだった。
結局のところ、2ヵ月間知恵を絞っても、
確固たる敗因を抽出できなかった。
選手も同じ感覚だったと思う。
「もう少しだった」
と、右肩上がりの戦績に手応えを感じている選手。
「あんなに走っても日本一にはなれないのか」
と、決勝での大敗に喪失感を抱き落胆している選手。
「どうすれば勝てるのか?」
「日本一」というゴールがどこにあるのかも分からず、
懸命にもがいていたからこそ、
向かうべき方向とその距離感がほしかった。
目に見えるものがほしかった。
「今年こそは」という実感がほしかった。
(選手よりは、俺自身だったんだろうなぁ……弱かったなぁ)
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2010年、
「みんなで腹筋100万回!」
を合言葉に「腹筋ミリオンプロジェクト」をやった。
今年2011年はさらにハードルを上げ、
「10ミリオンプロジェクト(#10mpnow)」に目下チャレンジ中。
「なぜ、そこまで腹筋にこだわるのか?」
答えは、
「勝つため」
のひと言。
チームとして勝つために、
腹筋を毎日やる姿を見せて、
取り組みや成果を伝達・表現することが大切。
そのような個の集団であること。
逆も真なりで、
腹筋を毎日継続できない、
取り組みや成果を伝達・表現し続けられないような個の集団は、
チームとして勝つことができない。
そう信じているから。
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「なぜ?」の部分をもう少し……。
腹筋をトレーニングする理由。
(Ⅰ) 身体的要因
(Ⅱ) 精神的要因
まず、(Ⅰ)に関して。
アメリカンフットボールの基本動作を高めるには
「体幹」をトレーニングすることが極めて重要である。
体幹は、
ヒットやタックルの際、
上半身と下半身のつなぎ役で、鋼のように「固定」することが求められる。
スタート、キャッチ、スローの際、
上半身と下半身の捻り役で、バネのように「回転軸+捻る力」が求められる。
素早いリアクションやカットの際、
上半身と下半身の自由度を高めるための軸役で、「安定性」が求められる。
ここまでは、勝つための基本編。
ここからは実践編(Ⅱ)をミックスした。
勝つためには、選手個人が日々進化し、
安定したピラミッドを構築することが不可欠である。
そのピラミッドを構成する要素は、上から下へ次の(1)~(4)。
(1)心
(2)技
(3)体
(4)志
勝つためには、ピラミッドの底面の基礎部分(4)から順に、
頂点部分の(1)までつくり出していくことになる。
しっかりとした安定的な、何があっても崩れない
泰然自若としたピラミッドにするには、
次のようなそれぞれのステージの壁を乗り越えなければならない。
(1)心 ……「感」の壁
(2)技 ……「質」の壁
(3)体 ……「量」の壁
(4)志 ……「続」の壁
腹筋トレーニングに当てはめると、
まず、打破しなければいけないのは「続」の壁。
「今日はいいや、明日やろう」
という、日々継続することへの壁である。
何のために、何を実現したい、
という「志」が強ければ強いほど「続」の壁は打ち崩せる。
「このくらいでいいや」
というのは、次に現れる「量」の壁。
「こんな感じでいいや」
が、「質」の壁。
「今はどう? もっとこうしたい!」
と、自分の個性を感じ、自立・自律の行動ができるか否かが「感」の壁。
もう、おわかりですか?
そう、このような「壁」、
選手じゃなくても、我々も、ファンの皆様も「日々」遭遇しますね。
そう!
この「壁」こそが、日常でトレーニングできる「逆境」。
劣勢に追い込まれた試合のときだけ、
「もっと頑張ろう、絶対に勝つ!」
と思っても、そんな「非日常」は都合よくやってこない。
勝利の女神は、嘘が大嫌い(笑)。
道具や大きなスペースを必要とせず、
「志」さえあれば、
いつでもどこでも、
立っていても、座っていても、
オフィスでも、自宅でも、
一日のどこかのタイミングで必ずできるチャンスがある。
「志」さえあれば。
それが「腹筋」。
日々、目の前に現れる「壁」に立ち向かうことが、
自分を変える、進化させる小さな小さな習慣になる。
のちに大きな結果をもたらす。
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最近の研究で、
勝つ(自己実現する)ために何が一番重要な要素なのか?
が、明確にされつつある。
IQでもSPIのスコアでもない。
答えは……
「根性(grit、やりぬく力)」
粘り強さ、諦めない強さ。
「根性」とは、大局にかかわるもの。
遠い将来の特定の目標を決めて、
その目標に向かう姿勢をくずさない力、である。
「俺はそんな壁には負けない、くじけない!」
という瞬間の繰り返し、積み重ねが
選手個人の「芯」で「志」をゆるがないものにする。
根性を日常でトレーニングするには、
腹筋が一番、ということである。
今年の「10ミリオンプロジェクト(#10mpnow)」こそが、
2011年版の
「ど真ん中イノベーション with grit」(略してDIG)。
イコール、個性磨きのための自分掘り、DIG。
さぁ、
みんなで腹筋、腹筋!
みんなで日本一!!!
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冒頭の腹筋写真……果たして誰?
「ファンブック2011」では、見事な背中(広背筋)を披露し、
自分を漢字一文字で表すと「志」と言い切る男。
この写真に見る腹筋もまた、「本気」「WILL(志)」の象徴だ!
アグレッシブ、自由、反骨精神、闘争心が彼の持ち味。
今季からLBにコンバートした、大橋ディフェンスのキーマンにして、
日本一に最も飢えている男のひとり。
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