吉永孝徳ヘッドトレーナーブログ“勝1.01”

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2011年03月

2011年03月29日

バタフライ・エフェクト

「ブラジルで蝶が羽を動かすと、テキサスで竜巻が発生する」


「バタフライ・エフェクト」ってご存知ですか?
1963年、マサチューセッツ工科大学の気象学者、
エドワード・ローレンツが提唱した理論です。

 

蝶が羽を動かすと、空気中の微粒子を動かし、
それがほかの微粒子を動かし、さらに多くの微粒子を動かす。
そうしているうちにやがて地球の反対側で竜巻を発生させる、
というもの。


私は、小学生から大学まで野球をやってきましたが、
ひとりの小さな行動が、チームの大きな結果に結びつく特性は、
野球よりもアメリカンフットボールの方が理解しやすいように感じています。

 

競技そのもののポピュラリティ(人気)は別として、
フットボールのフィールド上で繰り広げられるパフォーマンスは、
ソーシャルスキル(社会技能)への関連性が高い。

 

良い例が……
オフェンスやキッキング時、ボールをキャリーしている選手、
ディフェンス時、キャリアに対してタックルしている選手、
などは観る側にとっては目がいきやすい。

 

しかし、たとえば、決して派手ではありませんが、
オフェンスのブロックやディフェンスのパシュートなど、
一人ひとりの、一つひとつの動きには「意味」がある。


そのパフォーマンスの「根っこ」である意思決定のプロセス、

 

1インチでも前に進むために、
1インチでも前に進ませないために、


「今、この瞬間に自分は何をすべきか?」


我々の「1.01」が、どこかで誰かの「1.01」を引き起こす。

 

偶然ではなく必然。
それを信じているからこそ綴られた、

チームメンバーから被災地の方々へのメッセージ

 


それを実感した被災地からの一通のメール。

 

=====

 

皆様からの応援メッセージ本当にありがとうございます。

 

日々皆様から頂いたメッセージに心奮わせ、元気を取り戻し、
それを何かに活かしたく、
災害時ボランティアセンターで活動を始めました。

 

「あなたは一人じゃない」
「今の自分にできること」

 

と、連日テレビやラジオで放送されていますが、
それを今日実感させられました。

 

ボランティアセンターには様々な人が訪れ、
今の自分にできることをまさに行おうとしています。

 

僕はアップダウンの激しい道のりを越え、
山奥の80歳代のおじいさんの元へ行くことに。
自転車で45分の道のりをやっとのことでたどり着き、
着いた頃にはヘロヘロ。

 

断水は継続し、ガスはストップ、電話もないおじいさんは困り果て、
訪れた僕を幾度となくねぎらい、感謝の意を示してくれました。

 

おじいさんに代わり給水の列に並び、近くのスーパーに買い出し。
給水車には釧路市上下水道部の文字。
補給に来たのは新潟水道部の人。

 

あ~日本が一つになるっていうのはこういうことか、
と目の前の現実に納得。

 

粉雪が舞う中、一日に何度も給水車の列に並ぶ現地の方々。
ひとりは灯油タンク3つに水を入れ、トイレの水に。
またひとりはバケツにビニール袋を入れて給水に。

 

東京で買いだめをする人のニュースを見て悲しさは増しますが、
被災地はまさに一つになっています。

 

皆様から頂いた元気を
僕がこのような形で現地の被災者の方々に届けさせて頂いています。

 

何かを伝える手段は小手先のテクニックではなく、
本当に相手を想うその心ではないかと。
心は人を動かし、人の感情を奮い立たせ、行動を変えさせる、
ものすごいパワーがあるのだと実感する毎日です。

 

皆さんのパワーは確実に現地に届いています。
本当にありがとうございます。

 

=====

 

ソーシャルスキルは、フットボールでの「日常」で修練。
フットボールを極めるために、ソーシャルスキルを磨きながらトレーニング。

 

我々の行うひとつひとつの行動は、いずれ世界を大きく動かしていきます。
我々の一回の腹筋が、ひとつの言葉が、一日の1%(15分)でできる何かが。

 

「+ 0.01 for Japan」

 

かよわい蝶の羽ばたきが、いつしか巨大な竜巻を起こす。

 

1.01 = バタフライ・エフェクト

 

2011年03月22日

Pay it forward

「It'll get worse before it gets better」

 

映画「Road House(ロードハウス)」の一幕。
荒れ放題の酒場の主人から再建を依頼された用心棒、
Patrick Swayze(パトリック・スウェイジ)扮するDalton(ダルトン)のセリフ。

 

「良くなる前に、一時的にはさらに悪くなる」

 

企業や組織をマネジメントする側に求められる勇気と覚悟。
この覚悟を伴わない上辺の改革は、
一時的な「対症療法」になってしまう。


2009年11月6日。
覚悟しようと思いました。
2週間後に電工戦を控えて。

 

2週間前にシルバースターに敗戦し、
チーム全体で見ると

 

「何とかしよう」
「もう負けられない」

 

という空気は感じる。


しかし、

 

「何が足りないのか?」
「何を変えたらいいのか?」
「そもそも何か変える必要があるのか?」
「具体策は?」


正直、

 

「ここが底なんだ」
「ここを超えれば良いことが待っている」

 

と信じたいと思っていました。

 

「It'll get worse before it gets better 」

 

魔法の言葉を必死に信じようとしてました。

 

吉と出るか、凶と出るか。
その時、選手みんなに投げかけたメール。


=====

 

「1.01」プロジェクトに関し、提案。

 

「自分の100%」のために。
みんな協力してお願いです!

 

自分の「強み」、
追い込まれた状況で
「これだけは相手が誰であっても絶対勝てる!」
認識キャンペーンです。

 

↓にみんなの名前が書いてあります。

 

そこに

 

古庄:自陣ゴール前でもマジでボール狙ってる意識(by吉永)

 

みたいに、
自分ではなく、みんなが(他人が)思っている、感じている
その人の「強み」を伝え合おう!

 

自分で認識している「強み」と
周囲、相手が思っている「強み」が一致すれば良し!
違うポイントが発見できればラッキー!

 

必ず気づきがあるはず。

 

限られた時間の中で「強み」をガンガン、
さらに高めるために協力して!
「自分の100%」を、どのポイントにつぎ込むのか。

 

人の「強み」を見つけることは
本当にワクワクするし、
自分の「強み」へのメッセージは
「よっしゃっ」って興奮するはず。

 


「チームへの、周囲への1%」が
「自分の100%」と、つながるので
マジでよろしく。

 

=====

が...結果
3年連続、大阪の地で、
3年連続、電工に敗退。

 

まだまだ「底」じゃなかった。
進化の途中、「伏線」だったってこと。

 

ただ「手応え」は掴んだ気がした。


自分の「本気エンジン」を動かす前に、
チーム(他者)に対しての思いを注ぎ込む。
誘い込む、発破をかける発信をする。

 

言われたから言い返す。
いただいたから与える。
そんな「Pay it back」(お返し、恩返し)ではなく、
まずは自分から先に仕掛ける、投げかける。

 

まず「アクション」。
「リアクション」ではなく。


それがオービックシーガルズ流の

 

「Pay it forward」

 

当人同士の「Pay it back」ではなく、
大きな、大きな輪での
思い(感謝、元気、勇気、希望、思いやり)とアクションの循環。


「Pay it forward」

 

今こそ!

 

2011年03月19日

数字のバトン

「ご協力お願いいたします!」

 

「震災の募金活動を行っております!」

 

「義援金へのご協力、よろしくお願いいたします!」

 

行ってまいりました「街頭募金」活動。
習志野市社会福祉協議会の皆さんの共同募金のお手伝い。

 

ある思いを胸に。
被災地の知人から今朝届いた一通のメール。

 

=====

 

人々が食料を分け合い、
助け合いながら生活を送る、
様々な人達が励ましのメールを送ってくれる、
故郷がなくなってしまった方がいる、
被災地にて命の尊さを実感しています。

 

つらい、悲しい……
そんな感情が妻のお腹の子に伝わらぬ様に
気を張っている部分が多分にありますが、
皆さんの励ましに心癒されています。


先日、ドラックストアの行列に並んでいる時です。
食料や物品を求め、早朝からお店の前は大行列。

 

並んでいると雨が降り始めました。

 

寒さが増す中、放射線を気にしていたのか
前にいたおばあさんは、雨に当たることをとても気にしていました。
傘を持っていなかったため、
雨があたらないように傘を差し出しました。

 

「すいません」

 

一本の傘に一緒に入り、
その後雨が降りしきる中、並んでいました。
いよいよ買い物ができるという間際、

 

「割り込みをした」

 

別の人に疑惑をもたれました。
おばあさんがとても小さかったため気づかれてなかったのでしょうか。

 

「そんなことはありません、きちんと並んでいました。」

 

始めから並んでいたことを僕が証明し、問題にはなりませんでした。
並び始めて3時間後、商品を手にしたおばあさんは僕に

 

「いろいろ本当にありがとね」

 

と飴をくれました。

 

今の僕には大したことはできないかもしれませんが、
目の前で助けを求めている人に手を差し伸べる。
それが、
今の僕にできる最大限のことのような気がしています。

 

=====

 

「いつまで続くのか」という不安。
「少しでも早く」という苛立ち。
「ありがとう」という感謝の飴。
「目の前の人に手を差し伸べる」という今の最大限。

 

すべて被災地での「リアル」。
「極限」で生まれるチームワーク

 

一方、今日の津田沼駅前では、
こちらからご協力をお願いしに出向いたにも関わらず、
募金箱にお金を入れてくださる街の皆様からいただいたお言葉は、

 

「ご苦労様です」

 

「頑張ろうね」

 

「しっかり頼むよ」

 

「よろしくお願いいたします」

 

被災地へ向けた「リアル」。
「希望」から生まれるチームワーク。


954,972


わずか3時間の街頭募金にもかかわらず、
皆様からお預かりした、託された「数字のバトン」の合計額です。


我々が今できること。

 

「+ 0.01 for Japan」


被災地の方々へバトンが渡り、
心に再び希望の灯がともることを信じて。


明日も11時から津田沼駅前。
何卒よろしくお願い申し上げます。

 

yoshinaga110319.jpg

▲託された思いも乗せて、締めのハドル(事務局掲載)

 

2011年03月17日

本気DNA × OUR TIME × 1.01

「1.01」

 

これは
2009年11月18日、
私自身のもがきのなかで出てきたキーワード。


どんなタイミングだったか?

 

ライオンズ戦でのパフォーマンスが不甲斐なく、
シルバースター戦を一週間後に控えたこの日、
練習前のチームミーティングです。

 

「何かが違う」
「このままではまずい」
「何かわかりやすい旗印を」

 

しかし...一朝一夕で好転するわけもなく、
シルバースターに敗戦。
もうひとつも負けられない状態に追い込まれてしまいました。


-----

人は、
自分の「過去の事実」を変えることはできませんが、
その「意味」を変えることはできるのです。

 

過去の出来事から学ばずに終わるのか、
将来の糧としてプラスに変えていくのかは、
「いまの自分」が決めることができる。

 

そして、
それをプラスに変えていく原動力になるのが、
まさに自分の思い描く夢なのです。

─  A.L.ウィリアムズ  ─

-----

 

1.01 = 100% + 1%

 

自分自身が本気(100%)になるために、
まずは、
1%をチームへの「attitude」(姿勢、言動、思いやり)としてアクションする。

 

個人の「エゴ」や「無知」を排除し、
チームを喚起すること、士気を高めること、
「勇気」をもって、発信する!

 


オービックシーガルズのDNAは、

 

「ひとりひとりの “本気” でシーガルズを創り、
 シーガルズの “本気” がみんなを変える」

 

昨2010年シーズンのスローガン「OUR TIME」は、

 

「今こそ自分たちの力を出し切る瞬間であり、
 自分たちが支配する時である」

 

“我々”で立ち向かう結束力、
“今”を大事にする瞬発力、
“自分たち次第”で何でも支配できる

 

という意志力を表しています。

 

 

本気DNA、OUR TIME、1.01を標榜するオービックシーガルズが、
被災地の方々の復興支援のために
「今」できること。

 

「Gulls for Tohoku」 および 「+0.01 for Japan」

 

義援金募集活動とわずか15分(一日の1%)でできる身近な節エネルギー。

 

どうか皆様、
我々の趣旨にご理解、ご賛同いただくくとともに、
「10ミリオンプロジェクト #10mpnow」同様、
「参戦」何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2011年03月16日

こんなときこそ「1.01」


「1.01」

という数字には
こんな「志」がこめられています。


1.01×1.01×1.01×.....

1.01を70乗すると
2.00676...

つまり2.0。
もとの値の2倍を超えます。


一方、

0.99×0.99×0.99×.....

0.99を69乗すると
0.49983...

つまり0.5。
もとの値の半分以下になります。


1.01と0.99、
違いはわずか0.02。


0.01=1%

1%上積みするのか、
1%下回るのか、
それが大きな違いになる。


たかが1%。

時間にすると
一日24時間の1%は14.4分、
つまり約15分。


一日15分間の積み重ねが
結果的には大きな結果につながる。

 


2010年は、
まさにそのことを我ながら思い知らされたシーズンでした。

 

ひとりひとりの声が、
東京ドームが割れんばかりの声援(クラウドノイズ)になり、

 

ひとりひとりの腹筋1回の積み重ねが、
「腹筋ミリオンプロジェクト」として
ライスボウル時点で計130万回となりました。

 

 

 

今回の東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に
我々が今、このタイミングでできること。

 

節電、募金、メーセージ発信、など
一つひとつは小さなことかもしれませんが、
単なる電力、お金、文字の集合体ではなく、
その思いが積もることで
少しでも元気、勇気、希望を取り戻すきっかけになればと。

 

ひとりひとりの「+ 0.01」

 

皆様、
一緒に頑張りましょう!

 

 

仙台の知人より、ようやく一通のメールが届きました。

現地の状況を理解するために少しでもお役に立てばと思い、
原文のまま掲載させていただきます。

 

=====

皆様ご心配をおかけしています。
 
幸いにも命は無事でした。
命があるありがたさ、
当たり前の幸せを日々実感しています。
 
先程インターネットが復旧し、
パソコンにてインターネットが
使えるようになりましたのでお送りします。
 
3月11日(金)被災しました。
 
立っているのも困難な揺れを感じたのが午後2時50分頃です。
当時いた場所を避難するため外に出れば、建物や車が大きく左右に揺れ、
物凄い恐怖を感じました。
 
およそ3分以上の揺れを感じ、棚から物は落ち、建物はひび割れ、
悲鳴が飛び交っていました。
 
周りの方の安全確認が終了し、急いで帰宅の途についたのですが、
信号機はストップし、車は超大渋滞で通常一時間の帰宅時間から
程遠い四時間車に閉じ込められていました。
その間も余震は続き、携帯電話は不通なため不安は募る一方でした。
地面は隆起、陥没し、辺りは停電なため異様な暗さ。
 
その後、人生初の避難所生活。
 
情報はなく、ありとあらゆるものが歪んで見えました。
 
そんな中で近所住民とのコミュニケーションには随分救われたように感じます。
水も食料も数限りある中、人々の助け合いは今もなお続いています。
 
食料を求めにスーパーやコンビニに長蛇の列が続き、物品を買い求めるのに
3時間以上かかるのは当たり前。
 
ガソリンを求め、車が大渋滞をおこしています。
それでもガソリンは行き渡らず、私も車での移動は今も制限しています。
 
私の知り合いには津波で家が倒壊し流され、故郷がなくなってしまった人もいます。
話を聴くと心が痛み、自然の猛威を思い知らされます。
 
断水が続き、お風呂に貯めておいた水も後少しでなくなってしまいます。
ライフラインがすべてなくなった時の人間の弱さを身にしみて感じています。
 
緊張が張り詰め、皆疲れてきています。
そんな中助け合い、励まし合い、懸命に生きようとしています。
 
不安は消えません。どうしたらいいのかも分かりません。
 
でも、少しでも前を見ていきたいと思います。

もし、被災された地域にお知り合いがいらっしゃれば、どんな一言でもいいので、
メールを送って励ましてあげてください。
その一言で随分救われます。

=====