選手ブログ“ROCKERS”

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韓国クリニック

2008年04月29日

murakami17.gif

QB#17村上です。

 

先日、韓国でのQBクリニックに、新生コーチのアシスタントとして参加させていただきました。

基礎的なスキルのクリニックだということで、まだまだ基礎ができていない自分としては、

自分のスキルを見直すという点でも、非常にためになるだろうと思い一緒に行かせてもらうことにしました。

結果から言うと、韓国でのクリニックは、自分のアメフトを見直すことにおいて、

「スキル」、「姿勢」、「気持ち」と いろいろな面で新しい発見があり、すごくためになることばかりでした。


韓国では日本と比べても、まだまだ、アメフトの普及率はかなり低いのが現状です。

アメリカンフットボールを思いっきり楽しめるだけの環境が整っていません。

アメフトのチームも、社会人が全部で8チーム、アメフト部がある大学というのも30強といった感じで

高校においてはアメフト部は存在しません。

もちろん各チームの選手の数もかなり少ないですし、アメフトに関する知識が豊富な指導者も

国内にはほとんどいません。そして、社会人チームの試合ですら大学のグラウンドで行われています。

そんな中始まった1日目のクリニックはなんと河川敷の広場のような所で行われました。

それでも20名を超えるQBの選手たちが集まってくれたことにはすごく感激しました。

また、選手たちは今回のクリニックに参加するために、

個々に参加費を払ってくれたということにも非常に熱意を感じました。

それから、今回のクリニックを主催してくださった協会の方々にはすごく感謝しています。

歓迎の垂れ幕や練習で使うメディスンボールやボクシンググローブ、バットなどの用意、

参加者の募集からクリニックの運営スケジュール等々、

忙しい中、仕事の合間を使ってすごく準備していただきました。

協会の方々の韓国におけるアメリカンフットボールの普及やレベルアップに対する熱い思いを

すごく感じました。


選手たちのレベルは、正直お世辞にも高いとはいえないものでしたが、昼休憩1時間のみで

朝10時から午後5時までという長い時間、ひとつでも多くのことを学ぼうという韓国の選手たちの

姿勢にすごく胸を撃たれました。

自分は彼らのように、日々の練習を大切に使えているかと、自問自答させられるばかりでした。 
クリニックではスローイングのメカニックと、その習得のためのトレーニングがメインでしたが

たくさんの選手と関わるなかで、自分自身も新しい発見があり、とても勉強になりました。

 

2日目も引き続きスローイングのメカニックを中心に練習し、その後は、今回のクリニックの

企画運営の中心となり、いろいろとお世話をしてくださったナムさんがヘッドコーチを務める

ソウルバイキングスの試合を観戦させていただきました。非常に濃い2日間を過ごせたと思います。


1日目2日目ともに、クリニックの後はナムヘッドコーチとともに食事をしながら韓国のフットボールの

現状をお聞きし、いろいろと韓国のフットボールについて学ばせていただいたのですが、

その中で非常に残念な話がありました。


ナムさんのチームであるソウルバイキングス(昨年国内3位)では月に3回の練習がやっととのことでした。

大学の部活動でも、ソウルの大学では週3回の練習がやっとだとおっしゃっていました。

勉学や仕事、家族への時間を考えると、それ以上の時間をアメフトの練習に割ける選手がほとんどいない

というのが理由だそうです。

なので、それ以上練習回数を増やしてまでアメフトに情熱を注ぐというモチベーションは実際のところ、

今の選手たちにはないとのことでした。 
クリニックに参加していた選手の方々がクリニック中はすごく真剣だっただけに、

そのお話を聞いた時には、すごく残念でした。

 

要因はいろいろあると思います。 
例えば、勉学や仕事、更には家族との時間を削ってまでアメフトに賭けるだけの魅力が、

今の韓国のアメフトにはないということ。

まだまだ、アメフトの試合の位置づけが、「勝負の世界」ではなく、アメフトというスポーツを

「単純に楽しむ場」になってしまっていること。
 
何故ならば、試合会場は大学のグラウンド。観客は入って100人から200人。選手層は薄く、

ライバルとなる選手がいない。特に頑張らずして、試合に出場できてしまう。

環境のせいにするのは間違っているとは思うのですが、

それらのことが選手たちのモチベーションが低い要因になっているようです。

ナムヘッドコーチ自身はそんな状況をなんとか変えたいと考えていらっしゃいました。

今の目標は日本のフットボールのレベルに並ぶこと、

そして、「日本VS韓国」というアメフトの本気の試合ができるようになることだそうです。

そのための一つとして、今回のクリニックが選手のモチベーションアップ、

そして、韓国アメフトのレベルアップに少しでもつながればというのが、開催の目的であったとも

話してくださいました。

今回の韓国でのクリニックでは、そんな韓国の状況を知り、

改めて、日本ではプロリーグでは無いとは言えど、「日本一」という目標を持って、

練習でも試合でも真剣勝負を楽しめる環境があることに、自分自身はすごく恵まれているんだと

再確認させられました。

今、オービックシーガルズでは週に3回の練習を行っています。

僕自身、練習に参加するための仕事の調整が大変だったりする面もあります。

しかし、日本の恵まれた環境にいる自分には、大きなスタジアムで大勢のお客さんの前で

真剣勝負を楽しめる「試合」に出場できるチャンスがあります。

「日本一」という目標があり、それをつかむチャンスがあります。

そう考えると、もっともっとできることはいっぱいあります。

それを再認識できたことは非常に大きな収穫になりました。
 
昨年オービックシーガルズに入団して、自分の技術を見直し、改善に取り組んできましたが、

結局自分のプレースタイルを見失ったまま1年目のシーズンを終えてしまったことが

悔しくてしかたありませんでした。

大事な場面で出場機会をいただいたにも関わらず、チームには非常に大きな迷惑をかけた

ことも忘れられません。

 

昨シーズンが終わって以来、そんな悔しさ、そしてチームかけた迷惑を取り返す!という思いで

トレーニング・練習を頑張ってきましたが、

今回の経験は、そんな思いをさらに強くする良い機会となりました。

この経験を自分の成長につなげ、どんなかたちであれ、今年は必ず「日本一」に貢献したいと思います。

 

もうすぐパールボウルが始まります。

皆さんに昨シーズンより成長した姿を見ていただけるように頑張りたいと思います。

ご声援、よろしくお願いします!

 

 

 

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▲お弁当も韓国料理でした

 

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▲肉市場にて。焼肉の本場だけあって肉が充実していました

 

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▲焼肉はすごく美味しかったです。しかし飲みすぎて泥酔してしまいました

 

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▲新生コーチと。横断幕まで作っていただきました