並河 研GMブログ“日本から世界へ”

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2010年10月

2010年10月31日

あすなろの想い

10月最後の日曜日の今日、

台風が去ったあともまだ曇天の習志野グラウンドで、
吹田戦に向けた本格的な練習を行った。


つい1週間前には、富士通との激闘をしていたことが
遠い過去のように思える。

 

今さらながら、富士通に勝つことが出来て良かったと思う。
もっというと、春から頑張ってきた選手たちに勝たせてやることが出来て

本当に良かった。


コーチ、スタッフ、そして雨の中ものすごいパワーを頂戴した
スタンドの応援団の皆さんに改めて感謝を申し上げたい。

また、何よりも、前半の劣勢を跳ね返した選手諸君に
称賛を贈りたい。

 

実は今年、シーズンインの9月頭に、
大橋ヘッドコーチ、古庄主将、そして副将のKJと4人で
鹿島神宮にお参りに行った。

 

いつもやらないことをやってみようと思ったのと、
知人の勧めでもあった祈祷であったが、
モノの本を読むと、

神様には、単なる「願い」は、通じないという。

 

私は、これこれこれだけのことをして、
かくかくしかじかに、臨みます。
かくなるうえは、その私に最大限のチカラをお授けください。

というのが“筋”らしい。

 

鹿島神宮での祈祷の際にも、
どのようなリーグのいつの試合で、どう勝つのか、
具体的に書いてください、と宮司さんがおっしゃっていた。

 

つまりは、お願いでも、お参りでもなく、
神様の前で、私たち4人は、誓ってきたのである。

 

西洋の神様も神は自ら助くるものを助く。と言う。
東西違ってもそこは、同じであった。

 

話は少し違うが、
あすなろの木というのがある。
漢字で「翌檜」と書き、檜(ひのき)に似た木であるが、
檜のように大きくはなれず、いつも「明日は檜になろう」と思っているという。


井上靖氏が書かれた『あすなろ物語』の題材にもなった。

 

明日は必ず檜になろうと、頑張る。そのまっすぐな心、本気な心が
あすなろの想いである。物語の話は置いといて、

 

チームを率いて27年になるが、私たちのチームには、
あすなろの想いが常にあるように思う。

 

1996年度の初優勝の時も50人そこそこで戦ったし、

その中には、多数の二部校出身者が居た。

2005年度のシンデレラQBは、練習生から頭角を現した

#15龍村選手であった。

 

絶対ヒノキになってやる!という想いで頑張る

あすなろの木がヒノキになるチームでありたい。

切ない想いかもしれないが、そこは大切にしてきた

チームでもある。

 

このリーグ戦の5試合でも、印象に残っているのは、
そういう切ない思いで、ひたすら練習に取り組み、
結果を出してきた選手たち。

 

例えば、通称ガンバ、WR#28須賀将。160㎝の小柄な体で
入部5年間努力を続けてきた。彼は、先般の日本ユニシス戦で
入部して初めてタッチダウンパスを捕った。

彼は、プライベートでも苦労をした。

名前の通りガンバルマンだ。

 

2ndステージ以降は、1試合1試合どころか、
1プレイでチームの命運が決まる。
スペシャルプレイもあれば、ちょっとした勝負の綾が

勘所になる。 


1試合目の吹田には、過去に大勝しているが、
アメフトの場合、年が変わるとチームは全然変わる。

むしろ吹田のほうが「あすなろの想い」が強いチーム。

 

パナソニック、アサヒ飲料の二強豪と接戦を演じた地力は、

本物であろう。

IBMも、今年から新体制になり、捲土重来を期している。
このチームも今年こそと「あすなろの想い」が強い。

油断どころか、挑戦者でひたむきに対峙しなければ、

足元をすくわれる。

 

どーんと構えた鹿島、パナソニック、富士通、アサヒビールが居る

ブロックとは違う、あすなろブロック。

 

私たち一人ひとりの切なる想いがどれだけのものか、

そして、それをどれだけ成就させられるか、

どれだけ全員が、そのことに集中し、最後まで頑張りきれるかが、
勝敗を分ける。

 

今はまず、この2チームに勝つことだけを考えたい。