オービックシーガルズ 2014年の決意
もっともっとワクワクしたい
2014年1月3日、ライスボウル4連覇。6月23日、パールボウルは第4Q最後の1プレーが残りゼロ秒を超えてからの同点劇、そしてタイブレークを制しての5度目の優勝。覇を競い合う強豪チームと最後の1秒までしのぎ合った末の優勝が続いている。
「選手が主役でワクワクするフットボール」を掲げて、私たちはここまでやってきた。2014年の秋シーズンを迎えるにあたって、あえてすべてを忘れたい。
4連覇までの軌跡を一人ひとりの選手、コーチ、スタッフの記憶の底にいったんしまい込んで、あらためて高い発射角をつけて2014年シーズンへ、そして新たな次元へ向かいたい。これまでの延長線では、私たちには進化もないし、勝利もないだろう。ワクワクするなんて、とんでもない。
今の私たちには満足したくない
今年は15人の新人選手を迎え、昨年の新人を加えると25人。連覇が始まった2010年度以降に加入した選手は47人になった。彼らは、このチームの国内秋季リーグ戦での「負け」を経験していない。
一方で、毎回の練習や試合を見ていて、「これが常勝チームなのか」という問いに応えられるだけのレベルを感じることも、残念ながら少ない。また、レベルの高さがあったところで、そのことに満足するのもおかしい。
勝負は「あや」でもあり、「結果」でしかない。強さは相対的なものであり、相手があってこそ。そのときに司令塔が選択した戦略、戦術の功ということでもある。
常勝よりも常昇
大切なのは、「何のために、何を目指してフットボールをやり続けるのか」という志だと、やはり思う。「オービックシーガルズとは何者なのか」、 「自分は何者なのか」。フィールドで戦う以上、ユニフォームを着る以上、常にその原点に向き合い、狂おしいほどの上昇を続けることが、私たちのDNAではないだろうか。
常勝よりも、常昇。
1983年に始まった私たちのチームは、31年経ってもまだ、世間を「あっ」と言わせてはいない。まだ何者にもなれていない。
2020年、東京にオリンピックがやってくる。日本のアメリカンフットボールは、その祝祭や歓喜の輪の仲間になれるのか。そのとき私たちは、どこにいるのだろう。昨夜、アメリカのクラブチームに何もさせてもらえず敗れた若者たちに、どんな未来を渡せるのか。
来年2015年のアメリカンフットボール世界選手権で、アメリカに雪辱する。
アメリカンフットボールを通じて世界に挑戦する若者を、一人でも増やす。
日本のアメリカンフットボールを常に常に上昇させることに執念を燃やし続ける若者を、一人でも増やす。
これが、私とオービックシーガルズの2014年の決意である。
オービックシーガルズ
GM 並河 研
(アラバマから日本に向かう機上にて)